202307/23掲載

鳥羽市安楽島のシリタカを食べて考えた

磯の貝は産地で少しずつ形が違う

鳥羽市安楽島産バテイラ

三重県鳥羽市安楽島、出間リカさんに磯ものをいろいろ送って頂く。中にバテイラが入っていた。この磯の巻き貝は味のいいことから国内各地で愛されていて、膨大な量の呼び名が存在している。
鳥羽市安楽島ではシリタカ(尻高)だ。巻き貝は真横から見ると基本的に円錐形である。この円錐形をお尻と考えるのは鳥羽市だけではなく、日本各地でも同じだ。四国ではお尻を「つべ」というので、愛媛県ではツベタカだったりする。
鳥羽市安楽島産バテイラの特徴は思い切った尻高であることだ。これまで撮影した中でいちばんのっぽかも知れない。
さて、バテイラは磯の小型の貝としては珍しく流通の場でも至って普通である。昔は比較的手頃な値段だったが、近年やたらに値を上げている。昔はサザエよりも安いバテイラだったが、現在では真逆であるのは好物なので悲しい。
この磯玉とか磯もんとかされる小型の巻き貝が心底好きなので、市場で見つけると、最低限ではあるが買い求めて深夜酒のあてに買っている。
長年、産地での味の違いはさほどないと思っていたら違っていたようだ。

わたの色がきれいだった

バテイラの塩ゆで

この磯玉とか磯もんとかされる小型の巻き貝が心底好きなので、市場で見つけると、最低限ではあるが買い求めて深夜酒のあてに買っている。
長年、産地での味の違いはさほどないと思っていたら違っていたようだ。
届いてすぐに早速料理する。
ザルなどに入れて流水で洗う。
鍋に水・塩を入れ、貝を入れて火をつける。
今回は大小あるので大に合わせて8分ほどゆでて火をとめて冷めるまで待つ。
ボクの信条は頂いたものは手放しで褒めぬことなのだけど、ちょっとビックリするくらいの味だった。ゆで上がりを1個だけ食べてみた途端、もう一つに手が伸びそうで恐くなる。もっとたくさんあったら止まらなかった可能性が高い。
これほど貝特有の風味、貝らしい甘さ、貝らしい食感が豊かなものには過去一度も出合っていない。足の部分以上に肝膵臓というかわたの味がいい。
思わず鳥羽市に乗り込んで、うまさの秘密を探りたくなる。
鳥羽市安楽島の出間リカさんに大感謝!

このコラムに関係する種

バテイラのサムネイル写真
バテイラTop-shell海水生。青森県以南の太平洋側。潮間帯から水深20メートル。・・・・
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