202311/14掲載

いい春菊を見つけたのでアオリの耳和え

今年はいい葉物野菜がないので、いいものにはすぐに飛びつく


今年は魚が少ない上に、それ以上に野菜がダメだ。
いい野菜を手に入れるための切り札的な存在、直売所に行っても、これぞという野菜にはお目にかかれない。
特にダメなのがねぎを含めた葉物だ。水耕栽培であるはずの芹だっていいものは高い。
香りのある葉物が好きなので、八百屋の店先で妥協に妥協をして、それでも納得がいかないので、ぼーっとつっ立っていることが多い。
そんな中、八王子総合卸売センター、八百角の社長が「今日の春菊いいですよ」と声をかけてきた。
ボク好みの大葉ではなく中葉だが、確かに上物である。葉に厚みがり、葉の表面に微小な粒立ちが見てとれる。

これぞちょいとつまめる、ゴマドレ和えなのだ


これで深夜のノンアルコールビールのつまみを作る。
深夜といっても、午前3時から5時には起きるので、まだ午後10時過ぎでしかない。
春菊を葉と茎に分ける。比較的若いもので、分ける必要がないくらいである。
冷凍庫から冷凍保存しておいた、アオリイカの鰭を取り出す。
イカの「鰭」は水中で体を安定させるためために外套膜の一部が変形したもので、コウイカ類はいちばん後ろの部分(頭の頂点に見える部分)から外套膜の端までぐるりとついているが、アオリイカやスルメイカなどのツツイカ類は体の最後尾に三角形や円形になって左右にくっついている。コウイカ類は「鰭」もしくは「えんぺら」というが、ツツイカ類はこれだけではなく「耳」と呼ぶこともあるのは、本当に耳のようだからだ。
流水で解凍して、塩を多めに入れた湯で火を通して氷水に放り込む。
春菊は生で食べてみてあくを感じなかったので、塩水で短時間ゆでてザルに広げて団扇でぱたぱたあおぎ、粗熱を取る。
春菊も「耳」も適当にざくざく切って、そのまま和える。かなりしつこく和える。
ここに酢みそではなく、市販の胡麻ドレッシングを加えて、さらに和える。
最近のドレッシングは種類が多くて、おいしいのがいっぱいある。
無理に和え衣など作る気になれないときなど、どんどん使おう最近のドレッシングなのだ。
春菊の香りって、なんていい香りなんだろう。歯触りもいい。
ここにうま味豊かで弾力のあるアオリイカのエンペラが、いい脇役となって登場してくる。
よ! 西村晃! なんて言ってみたくなる。
春菊の写真はこの日の物ではなく、昔のものを念のため。

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アオリイカのサムネイル写真
アオリイカBigfin reef squid, Broad squid海水生。浅い岩礁域。北海道南部以南[オホーツク海でも水揚げされている(紋別市 まるとみ渡辺水産)]。インド・西太平洋の・・・・
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