ミギガレイ

Scientific Name / Dexistes rikuzenius Jordan & Starks, 1904

ミギガレイの形態写真

24cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]
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24cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]24cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。24cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]24cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜科カレイ科ミギガレイ属

    外国名

    学名

    Dexistes rikuzenius Jordan & Starks, 1904

    漢字・学名由来

    漢字 右鰈 Migigarei
    由来・語源 「右」は学名(属名)の「Dexistes」 が左右の右であるためだと思う。この右は、形態からか、体内構造のことなのか不明。
    タイプ標本が宮城県松島。ここは旧陸前の国なので小種名「rikuzenius」となった。
    『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)
    〈異體亜目カレヒ科ミギガレヒ屬 ミギガレヒ Dexistes rikuzenius JORDAN et STARKS 〔synonym/Araias ariommus JORDAN et STARKS〕〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    Jordan
    David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。
    Starks
    エドウィン・チャピン・スタークス(Edwin Chapin Starks 1867-1932)。アメリカの魚類学者。スタンフォード大学、デイビッド・スター・ジョーダンのもとで魚類学を学ぶ。ジョーダンとともに国内の魚を多数記載。

    地方名・市場名

    アナネバチ
    場所京都府丹後地方 参考京都府 
    メダマ メダマガレイ[目玉鰈]
    場所北海道函館、宮城県石巻市石巻魚市場・塩竃 参考聞取、スーパー、『石巻の四季のさかな』(石巻魚市場株式会社) 
    オオメダマガレイ
    場所北海道室蘭 参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社) 
    メダカガレイ
    場所宮城県石巻市鮎川 参考文献 
    タバコガレイ[煙草鰈]
    場所岩手県釜石市 参考佐々木隆治さん 
    ダルマガレイ
    場所岩手県釜石市・宮城県塩竃 
    ニクモチガレイ ニクモチ
    場所福島県相馬市原釜 備考「肉持」、もしくは「肉餅」だと思う。触った感じが餅を思わせるので後者だと思う。 参考荷、福島県原釜で採取。 

    生息域

    海水魚。水深100-200mの砂泥地。
    北海道渡島半島(少ない)〜九州北岸の日本海沿岸、北海道噴火湾〜千葉県銚子の太平洋沿岸、駿河湾、土佐湾。
    韓国釜山。

    生態

    産卵期は11月〜1月。
    雌の方が大きくなる。

    基本情報

    非常に生息域の狭い魚である。日本海、南では土佐湾、駿河湾でも見られるが、食用としての認知度はほとんどない。青森県から福島県の太平洋沿岸の底曳き網でまとまって上がり、小型である上に鮮度落ちが早いのであまり値のつかない魚である。
    産地周辺で流通することが多く、常磐以北の太平洋側では安くておいしい惣菜魚だ。
    関東などでは認知度が低いので来ることは非常に希である。
    小さいので生食には向かないが、煮つけなどにすると捨てがたい味の魚である。
    魚価が上がっているときに救いの神になるかも。消費地での認知度が上がれば人気が上がる可能性がある。
    珍魚度 普通の食用魚だ。消費地では安定的に流通することはないがとくに大量に入荷してくる。

    水産基本情報

    市場での評価 ミギガレイという種名で取引されることはまずない。関東では雑多なカレイの一つ。安い。
    漁法 底曳網
    主な産地 福島県、宮城県、茨城県など

    選び方

    触って硬いもの。目が盛り上がり、澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のもの。

    味わい

    底曳き網が解禁される秋〜冬。漁がある時季は産卵期と重なり、子持ちが多い。
    鱗は柔らかく取りやすい。皮は柔らかいが強い。骨は柔らかい。
    身は厚みがあって水分が多く、柔らかい。福島県の「ニクモチ」は身に厚みがあるためで、漢字にすると「肉餅」だと思っている。微かに臭みがあるものの、カレイ類特有のもので、特に強いというほどでもない。
    春には生殖巣が膨らんでいるが真子はとてもおいしい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ミギガレイの料理・レシピ・食べ方/揚げる(フライ、天ぷら)、煮る(煮つけ、魚すき)、焼く(塩焼き、干もの)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(ムニエル)

    ミギガレイのフライ 少しだけ水分が多いものの、上品な白身で熱を通すとほどよく締まる。これをフライにする。
    水洗いして五枚に下ろし、塩コショウする。小麦粉をまぶし溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけてやや高温で揚げる。今回は皮付きで揚げたが皮を引いてあげてもいいだろう。
    パン粉の香ばしさに皮目の風味がいい。身はほどよく繊維質で豊潤。食べると口の中でほぐれて甘味がある。

    ミギガレイの天ぷら 水分が多いものの、皮に独特の風味がある。天種として使えそうであった。水洗いして五枚に下ろす。水分をよくきり、軽く振り塩をする。少し置き出て来た水分をとる。小麦粉をまぶして衣をつけて高温で揚げる。水分が多いだけに高温で揚げると水分がぬけてさくっとする。皮の風味がよく身に甘味がある。非常に美味だ。
    ミギガレイの唐揚げ 水洗いして水分をよく拭き取る。片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げする。揚げるとやや身が縮むものの硬ならず、柔らかい。皮目が香ばしくて非常においしい。身がしまっているマコガレイなどとは違う味わいである。
    ミギガレイのムニエル 上品な白身で嫌みのないカレー類はムニエルにすると間違いなしの味になる。水洗いして水分をよくきり、塩コショウする。小麦粉をまぶして多めの油でソテーする。余分な油を捨ててバター(マーガリン)で風味づけする。バターとの相性がよく非常においしい。パンともご飯とも合う。

    ミギガレイの煮つけ 本種の産地でのもっとも一般的な料理法だと思う。刺身などにするとやや水っぽいが、熱を通すとほどよく硬く締まる。微かに臭みがあるので、しょうがをきかせて、濃い目の味つけの方がいいだろう。
    水洗いして湯通しして冷水に落とす。残った鱗やぬめりを流す。これを酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖などで甘味を加えてもいい。身自体に味があり、ふんわり柔らかい。とても味わい深い。総菜として格好のものだ。

    ミギガレイの真子煮つけ 盛漁期が産卵期に重なる。春になると生殖巣が膨らんでいる。水洗いしてフライや天ぷらにしたときに出た真子を集めて置く。鍋に酒・みりん・醤油・水を煮立てた中で煮汁に絡めながら煮上げる。時季にもよるが卵粒が小さくて、ほくほくと甘味があってとてもおいしい。
    ミギガレイの魚すき 「魚すき」すなわち魚貝類のすき焼きというよりも、厳密にいうと島根県石見地方の「へか焼き」、「煮食い」だ。意外にカレイ類はいいだしが出る上に煮ておいしい。とても鍋に向いているのだ。石見ではヤナギムシガレイや水ガレイ(ムシガレイ)などで使うのを本種にしてみた。割り下(酒・みりん(砂糖でも)・醤油・水)で、水洗いして、二等分にした切り身を煮ながら食べる。こんにゃくは欠かせない。

    ミギガレイの干もの 安くておいしい魚で、カレイ特有の臭味は多少はあるものの、これなどしょうがとか、コショウなどで簡単に消し去ることができる程度のものでしかない。要するに非常に重宝な魚なのである。関東などにはときどきまとまってやってくるので、こんなときには干物にするのがいちばんだ。
    水洗いして水分をよくきる。自宅で干ものを作るなら頭などは落としてしまうといい。これを立て塩に20分ほど漬け込む。水分をよくきり、半日から1日干し上げる。
    産卵期の個体は身はふっくらとふくらみ、豊潤である。皮に独特の風味があり、非常に味わい深い。

    ミギガレイの塩焼き クセのない白身で、熱を通しても硬くならない。水洗いして振り塩をする。これを1時間以上寝かせ、表面の水分をよく拭き取りじっくりと焼き上げる。柔らかく身離れがいい万人向きの味である。たたうま味が豊かであるとは言えないので、できれば軽く干したがおいしい。

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    加工品・名産品


    ミギガレイの干もの 岩手県、福島県では原材料費が安いこともあり、干ものが作られている。焼くと独特の風味があり、柔らかく非常においしい。お土産などにも最適だと考えている。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1936、第二版1943)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、
  • 主食材として「ミギガレイ」を使用したレシピ一覧

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