ニホンイトヨ

Scientific Name / Gasterosteus nipponicus Higuchi, Sakai & Goto 2014

代表的な呼び名イトヨ

ニホンイトヨの形態写真

8cm SL 前後になる。体高が低く強く側へんする。体側には鱗板がある。第1背鰭は3で皮膜はあるものの棘条で繋がらない、腹鰭は強い1棘のみからなる。尾鰭のキールは膜質。[85mm SL 前後・45g〜60g]
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8cm SL 前後になる。体高が低く強く側へんする。体側には鱗板がある。第1背鰭は3で皮膜はあるものの棘条で繋がらない、腹鰭は強い1棘のみからなる。尾鰭のキールは膜質。[85mm SL 前後・45g〜60g]8cm SL 前後になる。体高が低く強く側へんする。体側には鱗板がある。第1背鰭は3で皮膜はあるものの棘条で繋がらない、腹鰭は強い1棘のみからなる。尾鰭のキールは膜質。[85mm SL 前後・45g〜60g]尾鰭のキールは膜質。8cm SL 前後になる。体高が低く強く側へんする。体側には鱗板がある。第1背鰭は3で皮膜はあるものの棘条で繋がらない、腹鰭は強い1棘のみからなる。尾鰭のキールは膜質。[85mm SL 前後・45g〜60g]8cm SL 前後になる。体高が低く強く側へんする。体側には鱗板がある。第1背鰭は3で皮膜はあるものの棘条で繋がらない、腹鰭は強い1棘のみからなる。尾鰭のキールは膜質。[85mm SL 前後・45g〜60g]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★★
      めったに出合えない
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スメグマモルフ系トゲウオ亜系トゲウオ目トゲウオ亜目トゲウオ科イトヨ属

    外国名

    学名

    Gasterosteus nipponicus Higuchi, Sakai & Goto 2014

    漢字・学名由来

    漢字 日本糸魚 Nihonitoyo
    由来・語源 「いとよ」は石川県、新潟県、山形県での呼び名。水草などの繊維(糸)で巣を作り産卵するため。
    「日本」はもともと降海型で日本海側の種と本州太平洋側の種を別種としていたのを、1種と判明したときに新種記載、日本海・太平洋ともにいるために冠したものと思われる。

    地方名・市場名

    生息域

    降海型。淡水域で産卵して海に下り、成長、ふたたび産卵のために淡水域にもどる。
    日本海周辺、北海道日本海側、千島列島から千葉県までの太平洋沿岸。
    ロシア沿海州、朝鮮半島。

    生態

    淡水域で3㎝くらいに成長した個体は6月下旬くらいに海に下りる。
    海で成長した個体は翌年、2月くらいから淡水域に遡上しはじめる。
    産卵期は4〜5月で雄が流れの緩やかな砂泥底に縄張りを確保する。
    そこにすり鉢状のくぼみを作り、水草の繊維などを口にくわえて運び、集めて巣を作る。
    巣材は腎臓から分泌した粘液で素材を固める。
    雄が求愛行動をとり、雌を巣に導き、産卵をうながして放精する。
    生殖する雄に美しい婚姻色が出る。
    昆虫や甲殻類などを餌としている。

    基本情報

    日本海、千葉県以北の淡水域に遡上していた魚だ。遡上する群れを対象とする漁が新潟県などでは行われていた。
    今や食用としているのは新潟県・山形県などに限られているが、古くは日本各地で食べられていたのではないかと考えられる。
    新潟県などでは10年(2024年現在)ほど前まで、潟(平野部にある湿地内の池とか湖)を目指す個体が水路などで普通に見られたらしい。
    今や激減、漁業対象となっているのは北海道だけだと思われる。
    珍魚度 珍魚とまでは言えないが、手に入れるのは至難。見つけても北海道などを除き、持ち帰るべきではないかも。

    水産基本情報

    市場での評価/市場流通しない模様。
    漁法/
    産地/北海道

    選び方

    液体などが出ていないもの。黄ばんだりしていないもの。

    味わい

    旬は春。
    鱗は硬く板状でとれない。皮と鱗の境目がわからないと思う。骨は柔らかい。
    内臓は比較的キレイである。生殖巣はとてもおいしい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ニホンイトヨの料理・レシピ・食べ方/焼く(素焼き、塩焼き、つけ焼き)、揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ、甘露煮)

    ニホンイトヨのつけ焼き 初めて本種を見た新潟市で教わった料理である。本種の料理法の基本は地元でも焼くであることがわかる。
    流水などで表面の汚れを落とす。小魚なので内臓などはそのままに水分をよくきる。まずは素焼きにする。ほぼ焼き上がったらみりん・醤油を合わせたものを塗りながら仕上げる。
    焼いたイトヨ自体がうまいのだが、醤油との相性が抜群にいい。

    ニホンイトヨの塩焼き もっとも簡単な料理である。流水で汚れを流す。水分をよくきり、振り塩をする。少し寝かせて、じっくり時間をかけて焼き上げる。時間をかけて焼くと棘をのぞけばそのまま丸ごと食べられる。生殖巣に独特の風味が感じられる。
    ニホンイトヨの素焼き あえて味つけしないで素焼きにしてみた。流水などで汚れを落として、水分をきる。これを軽くあぶり、少し寝かせて再度焼き上げる。柑橘しょうゆなどをつけて食べる。なにもつけないで食べると内臓(生殖巣など)の苦味や濃厚な味がよくわかる。
    ニホンイトヨの唐揚げ 腹鰭はカットして揚げる方がよかったかも知れない。流水などで表面の汚れを取り去る。片栗粉をまぶして少し寝かせてから、じっくりと二度揚げにする。腹鰭・背鰭ほぼ丸ごと食べられる。身に独特の脂が感じられ、内臓・生殖巣にこくがある。
    ニホンイトヨの甘露煮 流水で汚れなどを取り除く。水分をよくきり、じっくりと素焼きにする。これを酒・みりん・醤油・少量の水を沸かした中でからめる。砂糖・水飴などを使うと照りが出る。これも基本的な料理法である。素焼きにすることで鱗などが気にならなくなり、身に脂があり、内臓に独特の味がある。
    ニホンイトヨの煮つけ 煮つけにするという人にも新潟県で会っている。流水などで汚れを流す。水分をよくきり、酒・みりん・醤油・水を沸かした中で煮る。甘露煮と比べると鱗などが気になるものの、魚自体に味があるので、捨てがたい味である。

    好んで食べる地域・名物料理

    新潟県、山形県では春の風物詩として食べられてきた。

    加工品・名産品


    イトヨの甘露煮 山形県や新潟県などのもともと「いとよ(ニホンイトヨ)」を食べていた地域で今現在地物がないので北海道から送られて来た「いとよ」で加工品などを作っている。棘や骨、鱗なども軟らかく舌の上で心地よく崩れて美味。[樋田屋 山形県酒田市]

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/山田直隆さん(古川鮮魚 新潟県新潟市)
    『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社 2005年3版)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)

    地方名・市場名

    トゲウオ
    場所北海道、津軽 参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社)、文献 
    トンギョ
    場所北海道網走、青森 参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社)、文献 
    イトウオ
    場所北陸、鳥取県米子 参考文献 
    イトヨ
    場所山形県酒田市など庄内、新潟県新潟市・寺泊 参考聞取 
    ケンサッコ ケンザツコ
    場所山陰 参考文献 
    ケンザッコ
    場所山陰、島根県出雲市杵築 参考文献 
    タサバ
    場所島根半島 参考文献 
    カワアジ
    場所島根県出雲地方 参考文献 
    ハリタテ
    場所島根県大社・杵築 参考文献 
    ケンキョ
    場所島根県浜田 参考文献 
    タアジ
    場所島根県浜田市長浜・浜田 参考文献 
    ケンギヨオ ケンジヤコ ハリトト
    場所島根県雲州 参考文献 
    ハリウオ
    場所日本各地 参考文献 
    ハリサバ
    場所石川県今江潟・木場潟 参考文献 
    イデヨ
    場所秋田県八郎潟 参考文献 
    トンゲ
    場所青森 参考文献 
    シャチホコ テンジクウオ
    場所鳥取県 参考文献 
    ハイウオ
    場所鳥取県境 参考文献 
    タジ
    場所鳥取県境港 参考二宮建さん 
    ギラ ギララ ナミヨ
    場所鳥取県米子 参考文献 
    ベンケイ
    場所鳥取県米子市 性別雄 参考文献 
  • 主食材として「ニホンイトヨ」を使用したレシピ一覧

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