マルドブガイ

Scientific Name / Anodonta calipygos Kobelt

マルドブガイの形態写真

殻長8センチ前後になる。丸みを帯びてよく膨らむ。
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殻長8センチ前後になる。丸みを帯びてよく膨らむ。内側はきれいな真珠色。とてもふくらみが強い。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    軟体動物門二枚貝綱古異歯亜綱イシガイ目イシガイ上科イシガイ科ドブガイ亜科ドブガイ属

    外国名

    学名

    Anodonta calipygos Kobelt

    漢字・学名由来

    漢字 丸溝貝
    由来・語源 ドブガイの仲間で丸みのあるという意味。ドブガイは溝(排水を目的とする水路)に多いため。

    地方名・市場名

    ダバガイ ダブガイ
    場所滋賀県安土町 
    カラスガイ
    場所琵琶湖周辺 備考剥き身をカラスガイとして販売されている。 

    生息域

    淡水生。琵琶湖淀川水系固有種。神奈川県、岐阜県、大阪府、奈良県、岡山県などにも生息するが移植。殻長8センチ前後になる。丸みを帯びてよく膨らむ。

    生態

    雌雄異体、メスは精子を水管から取り込むと、体内で受精。
    産卵孵化、グロキディウムというという幼生になるまで鰓内で保育する。
    そしてこのグロキディウムは母貝から放出されチチブなど魚類のヒレや鰓に寄生して成長、やがて剥がれ落ちて着底、成貝になる。
    タナゴ類やヒガイなどが鰓葉内や外套膜に産卵し、体長10ミリ程度まで貝のなかで育つ。

    基本情報

    琵琶湖でとれる食用二枚貝のひとつ。
    貝桁網で取り、ゆでて剥き身にしてスーパーなどでも売られている。
    これを佃煮や野菜と煮て、日常的なおかずとしている。
    比較的安くて庶民的な味。

    水産基本情報

    市場での評価 琵琶湖周辺でのみ流通する。ゆでたものが出回り、比較的安い。加工原料としても重要。
    漁法 貝桁網
    産地 滋賀県

    選び方

    主に剥き身で販売。剥き身はふっくらして、薄いクリーム色のものを選ぶ。古くなると褐色を帯びてくる。
    マルドブガイむき身むき身。

    味わい

    旬は晩秋から春
    軽くゆでたものは微かに泥臭みを感じる。
    ゆでることで泥臭みは取れる。
    熱を通してもあまり硬くならない。
    貝らしい旨みがある。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    調理法
    煮る(煮もの、佃煮)、揚げる(フライ、天ぷら)


    マルドブガイの煮つけ
    煮る ニンジン、切り干し大根などと煮て非常に美味。
    マルドブガイの佃煮
    佃煮 佃煮にしても美味しい。
    マルドブガイのフライ
    揚げる フライにすると非常にうまい。カキフライのようで、別種の味わい。野菜などとかき揚げにしてもいい。思った以上にクセがなく貝らしい味が楽しめる。

    好んで食べる地域・名物料理

    琵琶湖周辺。

    加工品・名産品

    佃煮 琵琶湖周辺の魚屋さんなどで買える。柔らかく貝の旨みがあり非常に美味。
    にんじんと煮る クセのない味わいでニンジンの赤が食欲をかき立てる。
    フライ カキと同じようにフライにして食べる。(滋賀県大津市堅田 貝、シジミ漁師 村井裕治さん 50歳お母さんらしき方達と)

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/滋賀県近江八幡市安土町『魚善』
    『日本産淡水貝類図鑑 1 琵琶湖・淀川産の淡水貝類』(紀平肇、松田征也、内山りゅう 株式会社ピーシーズ)、『日本産淡水貝類図鑑 2 汽水域を含む淡水貝類』(増田修、内山りゅう 株式会社ピーシーズ)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『湖魚と近江のくらし』(滋賀の食事文化研究会 サンライズ出版 2003)
  • 主食材として「マルドブガイ」を使用したレシピ一覧

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