ヒトスジタマガシラ

Scientific Name / Scolopsis monogramma   (Cuvier, 1830)

ヒトスジタマガシラの形態写真

SL30cm前後になる。眼下に薄く硬い棘がある。尾鰭上葉が少し伸びる。
ヒトスジタマガシラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
SL30cm前後になる。眼下に薄く硬い棘がある。尾鰭上葉が少し伸びる。SL30cm前後になる。眼下に薄く硬い棘がある。尾鰭上葉が少し伸びる。SL30cm前後になる。眼下に薄く硬い棘がある。尾鰭上葉が少し伸びる。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜科イトヨリダイ科ヨコシマタマガシラ属

    外国名

    学名

    Scolopsis monogramma   (Cuvier, 1830)

    漢字・学名由来

    漢字 一条玉頭
    由来・語源 体側に一条の褐色の斑文があるため。
    タマガシラの語源は不明。
    Cuvier
    バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。

    地方名・市場名

    イナウサダミ
    場所沖縄県伊良部島 備考イナウ・サダミ。 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    シラマージューマー
    場所沖縄県石垣島 参考河村雄太さん 
    シラマジューマー
    場所沖縄本島 備考「しらまー」は砂地(白浜か)で「じゅーまー」はキツネウオのこと。「砂浜にいるキツネウオ」の意味。 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 
    スッスュミー
    場所沖縄宮古島 
    ジューマー
    場所沖縄八重山 

    生息域

    海水魚。サンゴ礁域の20〜50メートルの砂地。
    [高知県]、[宮崎県]、屋久島、琉球列島以南。
    台湾南部、東沙諸島、西沙諸島、西太平洋(ニューギニア北岸以東をのぞく)

    生態

    基本情報

    沖縄県では1尾丸ごと「まーす煮」や「バター焼き」にできるので人気がある。上品な白身でしかもあまり値が高くないのも魅力だろう。近年、宮崎県などでも揚がるようになり、高鮮度化もすすむ。沖縄では味わえない上物の味が楽しめるようになるかも。

    水産基本情報

    市場での評価 沖縄では比較的漁獲量の多い魚。やや安値。
    漁法 釣り(延縄)、追い込み網
    産地 沖縄

    選び方

    体色は白く透明感があり、側面にある黒い筋がくっきりしているもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は硬く取りにくい。皮は厚みがあって強い。中骨がやや硬い。
    透明感のある白身で血合いは淡く赤い。熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヒトスジタマガシラの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り)、焼く(塩焼き)、揚げる(天ぷら、唐揚げ)、汁(みそ汁)

    ヒトスジタマガシラの刺身 沖縄で買ったものは鮮度的に生食しようとは思わなかった。これは福島県郡山市『郡山水産』が宮崎県で仕入れたもので、しっかり締めている。ずば抜けた鮮度で刺身にして非常に美しく、見た目を超えるおいしさだった。

    ヒラマジューマーの焼霜造りヒトスジタマガシラの焼霜造り 三枚に下ろして血合い骨を抜く、皮目をやや強めに炙り、粗熱をとったものだ。皮霜造りではこの厚みがあって硬い皮を食べやすくできない。ほどよい甘味のある身に皮目のうまさがあいまって非常に美味。
    ジューマーの塩焼きヒトスジタマガシラの塩焼き イトヨリダイ科でありながら身がしまっている。適当に切り、振り塩をして少し寝かせて焼き上げた。きめ細かな上質の白身でほんのりと甘みがある。皮目が香り高く実にうまい。
    ジューマーの天ぷらヒトスジタマガシラの天ぷら 沖縄風の天ぷらは塩味や少量の甘味がつき、重曹の入った、いうならればフリッターのようなもの。衣が厚く、塩味がついている。一般に天ぷらとされる薄い衣のものよりも、沖縄風の天ぷらにして美味。
    ヒラマジューマーのみそ汁ヒトスジタマガシラのみそ汁 頭部や刺身の切れ端を集めて湯通しし、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。上品でうま味豊かなだしがでる。あらに付着した身も美味。少し濃い目の味つけにするとご飯のおかずになる。

    好んで食べる地域・名物料理

    沖縄県
    シラマジューマーまーす煮 塩ゆですることで内側にある旨みを引き出してやる。上品すぎてそっけない味わいであるのが、内側からにじみ出た旨みと、ゆでた身の香り、やや強めの塩分によってバランスのとれた穏やかな味わいとなる。個人的な嗜好だが、ここにハンダマ(和名スイゼンジナ)の生の葉、ンジャナ(和名ホソバワダン)の苦い葉の細切りがあるとうれしい。

    加工品・名産品

    釣り情報

    漁港、砂浜などからの浮き釣り、投げ釣りにくる。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/郡山水産(福島県郡山市 ■http://www.ko-suisan.co.jp/)
    『沖縄の漁具・漁法』(沖縄県漁業振興基金  編集沖縄県水産試験場)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『沖縄の釣り魚』(城一人 フィッシング沖縄社)、『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)
  • 主食材として「ヒトスジタマガシラ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ