トゲクリガニ

Scientific Name / Telmessus acutidens   (Stimpson, 1858)

トゲクリガニの形態写真

甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[雌]
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甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[雌]甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[雌]甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[雄]甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[雄]甲甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[左雄・右雌]甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。[左雄・右雌]甲長8cm、甲幅10.5cm前後になる。甲はほぼ五角形。甲羅には小さなつごつした瘤がある。短くて硬い毛が生えている。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つがやや小さい。目よりも前方にある額角は4つあり、中の2つの内側の辺が短い。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    動物界節足動物門甲殻綱十脚目短尾下目クリガニ科クリガニ属

    外国名

    学名

    Telmessus acutidens   (Stimpson, 1858)

    漢字・学名由来

    漢字 棘栗蟹 Togekurigani
    由来・語源 クリガニ科なので、クリガニはわかるが、棘の意味は不明である。
    Stimpson
    William Stimpson(ウイリアム・スティンプソン 1832-1872 アメリカ)。動物分類学・海洋生物学。スナガニ、ババガゼ、サルエビなど。「stimpsoni 」は献名されたもの。

    地方名・市場名

    ツクモガニ
    場所宮城県 
    スクモガニ
    場所宮城県石巻市石巻魚市場 参考『石巻の四季のさかな』(石巻魚市場株式会社) 
    サクラガニ[桜蟹]
    場所青森県 
    カニ.ガニ ケガニ.ワンナイケガニ[湾内毛蟹]
    場所青森県 参考『陸奥湾のトゲクリガニとその漁業について』(本尾 洋・田中俊輔・高林信雄) 
    ハナミガニ[花見蟹]
    場所青森県陸奥湾周辺 備考花見の時期に陸奥湾で大量に揚がるから。青森春の風物詩。 
    ワンナイガニ[湾内ガニ]
    場所青森県青森市 

    生息域

    海水生。
    北海道西岸、津軽海峡、本州、瀬戸内海。

    生態

    基本情報

    主に本州以南に生息する。北海道根室などでとれるクリガニとほとんど区別がつかない。古くはクリガニとされることが多かったが、近年(2023年現在)、青森県産が有名になり、雌が高騰することでしっかり区別されて流通するようになった。
    非常に味のいいカニで、味的と比べても遜色がないために雄すら値を上げつつある。

    クリガニとトゲクリガニの見分け方
    トゲクリガニ
    4つ並んだ真ん中の2つが脇のトゲよりも小さければトゲクリガニ。ただし市場で見てもこれがなかなか判断に迷う。
    形で見分けがつかない時には青森、岩手などからのものはトゲクリガニ、北海道根室・オホーツク海沿岸ならクリガニと考えるといい。
    クリガニとトゲクリガニの見分け方
    クリガニ
    両種は外見はまったく同じカニに見える。これを見分けるには甲羅の目と目の間のトゲを見る。4つ並んだ真ん中の2つが脇のトゲとほとんど同じであるならクリガニ。

    水産基本情報

    市場での評価 周年見られるが、3月〜5月に多い。雄の方が流通量が多く、雄よりも雌の方が高い。年年値を上げているのは認知度が上がっているためだろう。特に春、浅場にきた雌の内子は最上級の味。この時季の雌はとても高い。
    漁法 カゴ漁、カニ網
    産地 青森県、岩手県、宮城県

    選び方

    原則的に生きているもの。持って重みを感じるもの。

    味わい

    旬は雌の内子は春〜初夏。
    殻はケガニと比べると硬い。脚の筋肉はそれほど多くはない。甲羅下の筋肉はたっぷりとしていて殻が軟らかいので食べやすい。
    みそ、内子は非常に味わい深い。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    トゲクリガニの料理・レシピ・食べ方/ゆでる(塩ゆで)、汁(みそ汁)

    トゲクリガニの塩ゆで もっとも基本的な料理法である。大きさにもよるが20〜30分くらいでゆであがる。これに陸上げをして、冷水をかけて粗熱をとり、甲羅を上に向けて置く。雌と雄では味わいが違う。雄は筋肉がおいしく、雌は内子が魅力。ケガニに似ているなどと言われるが、味の点で決して負けてはいないと思う。



    トゲクリガニ雌のみそと内子 クリガニ科は筋肉は少なく食べるのがわずらわしいが、みそと内子が非常においしい。特に春の雌の内子は古くから珍重されてきている。写真は5月に青森県陸奥湾で水揚げされた、通称「湾内ガニ」で非常に高価だが、値段以上に価値がある。


    トゲクリガニ雄塩ゆで 12月に青森県むつ市で買い求めた雄。小振りではあるが値が安く、持ち重りがする。ゆでるとみそがたっぷりで筋肉が充実している。カニらしい風味豊かでとてもおいしい。
    トゲクリガニのみそ汁 小振りなものをさっと水洗いする。これを適当に切り、水から煮出してみそを溶く。濃厚なうま味と甘味が楽しめる。カニらしい風味も豊かで絶品である。知るだけではなく筋肉も楽しむべし。

    好んで食べる地域・名物料理

    湾内がに 青森県青森市では4月〜6月初旬くらいまで陸奥湾内で揚がる、ものを「湾内がに」という。桜の咲く季節でもあるので、どことなく華やかである。1989年の5月に青森の駅前市場へ魚を見に行った。じっくり北国の市場を散策したのは初めてであったのだが、市場に溢れたクリガニが市場中を逃げ回り、ときに足元を当たっていくのに驚かされた。それを市場のおばさんが見て笑いながらなにか言っている。「捕まえたらもって帰っていいよー」と言っているらしいので、あえて探すとなかなか捕まえられない。歩き疲れてさっきの店を見るとゆであげられたばかりの本種が山盛りになっている。これを1杯だけ買って帰りの東北自動車道のパーキングエリアで食べた。今でも思い出すのは店先の試食で殻をどんどん剥いてくれて「『わんないがに』おいしいだろ」と何度もくり返す、まっかなほっぺのおばさんの顔だ。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    ケガニに負けない 童謡ににケガニになれないクリガニというのがあるが、どうしてもケガニと比べられる。ケガニよりもひと回り小さくて、甲羅が5角形に見える。
    瀬戸内海 広島県など瀬戸内海にもいることはあまり知られていない。『大柿町の海辺の生き物』大柿町海辺の生き物調査団著(広島県江田島市大柿町)というまことに楽しい図鑑がある。大柿町は瀬戸内海厳島、倉橋島に挟まれた島であるが、ここ大柿町でトゲクリガニが載っている。

    参考文献・協力

    『大型甲殻類図鑑Ⅰ・Ⅱ』(三宅貞祥 保育社)
  • 主食材として「トゲクリガニ」を使用したレシピ一覧

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