タイワンダイ

Scientific Name / Argyrops bleekeri Oshima, 1927

タイワンダイの形態写真

40cm SL 前後になる。体色は赤くタイ科の中でももっとも体高があり正円に近い。鮮度がいいときも体側に青色の斑点がない。背鰭前方の棘は軟らかく長く伸びる。
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40cm SL 前後になる。体色は赤くタイ科の中でももっとも体高があり正円に近い。鮮度がいいときも体側に青色の斑点がない。背鰭前方の棘は軟らかく長く伸びる。40cm SL 前後になる。体色は赤くタイ科の中でももっとも体高があり正円に近い。鮮度がいいときも体側に青色の斑点がない。背鰭前方の棘は軟らかく長く伸びる。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目タイ科マダイ亜科タイワンダイ属

    外国名

    学名

    Argyrops bleekeri Oshima, 1927

    漢字・学名由来

    漢字/台湾鯛 Taiwandai
    由来・語源/最初の和名は高砂鯛(タカサゴダイ)で台湾高雄の個体をもとに標準和名をつけた。当時、台湾を高砂ということが多かったのもある。その高砂を台湾に変えたのだと思われる。
    〈〔紀州、臺灣高雄〕 タヒ科ヒレコダヒ属タカサゴダイ Argyrops bleekeri OSHIMA〉。この OSHIMA が誰であるのかはわからない。タカサゴは高砂、すなわち台湾のことだ。当時、台湾総督府にいた大島正満が記載した可能性がある。
    〈スズキ目タイ科タイワンダイ属(インドダイ属)  タイワンダイ(インドダイ=タカサゴダイ)〉。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955) 3つの標準和名が存在していて、最終的にタイワンダイに落ち着く。
    小種名/bleekeri ピーター・ブリーカーに献名。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)

    地方名・市場名

    マチク
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    ヨナバルマジク
    場所沖縄本島 
    マーダイ
    場所沖縄宮古島 

    生息域

    海水魚。沖合性。
    遠州灘、和歌山県串本、土佐湾、鹿児島県薩摩半島西岸、種子島、屋久島、奄美大島、沖縄。
    済州島、台湾、浙江省、トンキン湾、インドネシア・ロンボク島。

    生態

    基本情報

    主に沖縄、鹿児島などで漁獲、食べられているもの。
    大型になり、マダイ同様に美味であるので、高価な魚だ。
    珍魚度 沖縄県では食用魚であるが、漁獲量は多くはない。手に入れるなら沖縄県などに行く必要がある。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷はあまり多くない。高価。
    漁法 釣り
    産地 沖縄県、鹿児島県

    選び方

    体色が鮮やかなもの。触って張りのあるもの。目が澄んでいるもので、鰓が赤いもの。

    味わい

    旬は冬から春。
    鱗はやや硬いが取りやすい。皮は厚みがあり少し硬い。骨があまり硬くない。
    透明感のある白身で血合いの色は弱い。熱を通すと適度に締まり、いいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    タイワンダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、皮霜造り)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、揚げる(フリッター、天ぷら、唐揚げ)、ソテー(ポワレ)
    タイワンダイの刺身 国内ではマダイに次いで大きくなる。味はマダイと同等だと思っている。体高が以上にあるので歩留まりもいい。まずいの一番に刺身である。水洗いして三枚に下ろし、皮を引いて刺身にする。
    血合いは淡い赤で非常に美しく、身が緻密でなめらかである。白身ならではのうま味が豊かで非常においしい。

    タイワンダイの皮霜造り 小振りの個体の方がいい。水洗いして三枚に下ろし、腹骨と血合い骨をとる。皮目に熱湯をかけて冷水に落として粗熱を取り、水分をよく拭き取る。皮と皮直下にうま味と脂があり、身にほんのりとした甘味が感じられる。
    タイワンダイの兜焼き(塩焼き) 兜(頭部)は梨子割りにする。振り塩をして1時間以上寝かせる。表面に浮き出してきた水分をよく拭き取り、じっくりと焼き上げる。香りだけで御馳走である。皮の味わい深さ、身に豊富なうま味があること、身離れがいいことなど、食べ始めると止められない味である。
    タイワンダイの兜煮(煮つけ) 水洗いして頭部は梨子割りにする。水分をよくとり、熱湯に入れて、氷水に落とし、表面のぬめりや残っている鱗を流す。これを酒・砂糖・醤油・水を沸かした中で煮る。味つけはお好みで。煮ると身が骨から浮き上がってくる。この身に甘味がある。また何よりもうまいのが皮目だ。残ったところに熱湯をそそぎ、骨までしゃぶって欲しい。
    タイワンダイで鯛蕪(かぶら) 水洗いして中骨・腹骨、昆布を水から煮出してだしをとる。中骨は焼いてだしをとってもいい。身などは食べやすい大きさに切って湯通しする。冷水に落としてぬめりや残った鱗をとる。温めただし・酒・醤油・塩のなかで沸騰しないよう気をつけて煮る。煮上がる数分前に下煮した蕪を加えて温める。
    タイワンダイの洋風天ぷら 水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨などを取る。刺身になりにくい尾に近い部分などを適当に切る。軽く塩コショウして小麦粉をつけ、衣(小麦粉・油・水・卵黄)をからめてやや強火で揚げる。さくさくとした衣の中にふんわり柔らかい身。この身に魚らしいうま味と甘味がある。
    タイワンダイの唐揚げ 刺身などにして出た中骨と腹骨をとっておく。水分をよくきり、片栗粉をまぶして低温で1度、高温で1度揚げたもの。小振りの個体は揚げると中骨ごとスナック感覚で食べられる。
    タイワンダイのポワレ タイワンダイはマダイと比べると若干だけど皮が硬い。このあたりをかんがみてポワレを作ってみたくなる。水洗いして三枚に下ろす、腹骨と血合い骨を取り、水分をよくきり、塩コショウする。多めの油をしき、弱火でじっくり皮目からソテーする。皮目がかりっとしたら身を焼き、やきあがっらた皿に盛る。後のフライパンにシェリー酒を加えてデグラッセ。これをソースにする。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「タイワンダイ」を使用したレシピ一覧

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