クログチ

Scientific Name / Atrobucca nibe (Jordan and Thompson, 1911)

クログチの形態写真

45cm SL前後になる。全体に黒ずんでいて、シログチよりもほっそりして頭部が小さい。胸鰭が長く第一背鰭よりも後方にまで届き、鰭の上部が黒い。口の中が黒い。下顎の感覚管孔は1対。
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45cm SL前後になる。全体に黒ずんでいて、シログチよりもほっそりして頭部が小さい。胸鰭が長く第一背鰭よりも後方にまで届き、鰭の上部が黒い。口の中が黒い。下顎の感覚管孔は1対。45cm SL前後になる。全体に黒ずんでいて、シログチよりもほっそりして頭部が小さい。胸鰭が長く第一背鰭よりも後方にまで届き、鰭の上部が黒い。口の中が黒い。下顎の感覚管孔は1対。下顎の感覚管孔は1対。口の中が黒い。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ニベ科クログチ属

    外国名

    黑喉 黑加網
    言語中国語 場所台湾 

    学名

    Atrobucca nibe (Jordan and Thompson, 1911)

    漢字・学名由来

    漢字 黒愚痴 Kuroguchi
    由来・語源 グチの仲間(ニベ科)で全体に黒い。
    〈ニベ科ニベ属クログチ〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    Jordan
    David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。

    地方名・市場名

    カマガリ
    場所大分県臼杵市 備考あまりにもおいしいので、「釜ごとご飯を借りるほど美味しい魚」という意味。 
    クイチ
    場所宮崎県 
    ニベ
    場所徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』 
    メイゴ
    場所静岡県静岡市 
    ハマニベ チョウセングチ
    参考文献より。 

    生息域

    海水魚。南
    相模湾〜土佐湾の太平洋沿岸、東シナ海大陸棚域、少ないが瀬戸内海。
    朝鮮半島南岸、済州島、黄海、中国東シナ海・南シナ海沿岸、台湾、フィリピン諸島、スラウェシ縞北東端、アラフラ海、南アフリカ東岸。

    生態

    基本情報

    東日本よりも西日本でよく食べられている。東海以西、九州などに行くとよく見かける。身は刺身に皮は別立てで売られているのを見たことがあるが、この皮がうまそうで旅の最中であるのがうらめしく感じたことがある。大分県臼杵市などでは「釜借」といって珍重する。
    関東では静岡県以西に多く馴染みがない。味のほどを知る市場人が少ないので安い。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷量は少なく、関東ではあまり目にしない。あまり高くない。
    漁法 釣り、定置網、巻き網
    主な産地

    選び方

    触って硬く、銀色で黒くくすんでいないもの。鰓が鮮紅色のもの。

    味わい

    旬は秋から春。
    鱗は小さく薄く取りやすい。皮は薄くやや弱い。骨はあまり硬くない。
    血合いが赤く、透明感のある上質な白身。熱を通しても硬く締まらない。
    あらなどからいいだしが出る。
    真子、白子も美味。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    クログチの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、皮霜造り、焼霜造り、カルパッチョ、セビチェ)、ソテー(韓国風焼き魚、ムニエル)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ、真子煮つけ)、揚げる(フライ、唐揚げ)
    クログチの刺身
    クログチの刺身 大型はニベ科のなかでももっとも血合いが美しい。三枚に下ろして皮を引き、普通に刺身にする。脂がのってほどよく軟らかく、身に甘みがある。またなによりも上品な味で食べ飽きない。
    クログチの焼霜造りクログチの焼霜造り 三枚に下ろして皮をあぶって休息冷凍庫であら熱を取る。ニベ科の皮には独特の風味があるが、焼くことで立つので、湯をかけるよりもあぶったほうがいい。また皮自体にも甘味とうま味が感じられる。身には甘みがあって、美味である。
    クログチの韓国風焼き魚 韓国でニベ科の魚が高いのはごま油でソテーしたり、コチュジャンなど辛みをつけた煮汁で煮て食べるからだ。このような料理法だと魚自体に豊かなうま味と風味が必要となる。水洗いして内臓をずぼぬきする。水分をよくきり、塩コショウする。小麦粉をまぶして多めのごま油でじっくりとソテーする。仕上がりで好みで唐辛子などを振る。
    クログチのムニエルクログチのムニエル 三枚に下ろして皮つきのまま塩コショウする。これに小麦粉をまぶして最初は油で、仕上げにバターを使ってソテーしたもの。皮目に独特の風味があって香ばしくて、身が柔らかく甘味があってとても味がいい。
    クログチの塩焼きクログチの塩焼き ニベ科の魚は基本的に塩焼きにする。まず焼いた香りがいい。皮目に好ましい風味があって、身に混在する脂に甘味がある。イヤミのない味わいで酒の肴にも、ご飯にも合う。
    クログチの煮つけクログチの煮つけ 水洗いして鍋に合わせて切る。湯通しして冷水に落として鱗やぬめりをとる。水分をよくきり、酒、砂糖(黒砂糖)、しょうゆの味つけで煮る。酒・塩、酒・みりん・しょうゆでもおいしい。クログチの身は煮ても硬く締まりすぎずとてもおいしい。
    クログチの真子の煮つけクログチの真子の煮つけ ニベ科の魚の卵巣はみな非常に美味である。真子を適宜に切り、煮汁の中で花を咲かせるように火をとおしたもの。味つけはしょうゆ、酒、砂糖、みりんなど。甘辛くてほくほくして実に美味。
    クログチの唐揚げクログチの唐揚げ クログチの腹身を骨付きのまま適宜に切る。これに片栗粉をまぶして揚げたもの。じっくりと二度揚げしてさくさくと香ばしく食べられる。
    クログチのフライクログチのフライ クログチを三枚に下ろして塩コショウし、小麦粉をまぶし、溶き卵をまとわせてパン粉をつけて揚げたもの。さくっとして中はとても豊潤で味わい深い。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    静岡県駿河湾ではコマセマダイの外道。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「クログチ」を使用したレシピ一覧

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