オキフエダイ

Scientific Name / Lutjanus fulvus (Forster, 1801)

オキフエダイの形態写真

60cm SL 前後になる(40cm SL 以下が多いと思われる)。体に模様がなく鯛型で側へんする。側線よりも上の鱗の列は斜め上後方へ並び、側線から下の鱗の列は体軸と平行に並ぶ。前鰓蓋骨の欠刻(前方に丸くくぼむ)は深い。上顎に犬歯がある。背鰭は鱗に覆われる部分がある。尾鰭後縁は白い(透明)。[23cm SL・398g]
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60cm SL 前後になる(40cm SL 以下が多いと思われる)。体に模様がなく鯛型で側へんする。側線よりも上の鱗の列は斜め上後方へ並び、側線から下の鱗の列は体軸と平行に並ぶ。前鰓蓋骨の欠刻(前方に丸くくぼむ)は深い。上顎に犬歯がある。背鰭は鱗に覆われる部分がある。尾鰭後縁は白い(透明)。[23cm SL・398g]60cm SL 前後になる(40cm SL 以下が多いと思われる)。体に模様がなく鯛型で側へんする。側線よりも上の鱗の列は斜め上後方へ並び、側線から下の鱗の列は体軸と平行に並ぶ。前鰓蓋骨の欠刻(前方に丸くくぼむ)は深い。上顎に犬歯がある。背鰭は鱗に覆われる部分がある。尾鰭後縁は白い(透明)。[25.5cm SL・612g]尾鰭後縁は白い(透明)。前鰓蓋骨の欠刻(前方に丸くくぼむ)は深い。背鰭は鱗に覆われる部分がある。上顎に犬歯があるが、その他の歯は臼歯状。エサを選ばないでなんでも食べるのだと思われる。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科フエダイ属

    外国名

    学名

    Lutjanus fulvus (Forster, 1801)

    漢字・学名由来

    漢字/沖笛鯛 Okifuedai
    由来・語源/浅場に多い魚で、沖合いにいる魚ではないために「沖」の意味など不明。標準和名は古い。
    〈フエダヒ科フエダヒ屬オキフエダヒ Lutjanus vaigiensis (Quoy et Gaimard)/現シノニム〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。稚魚から未成魚は河口域に生息。岩礁・サンゴ礁域。
    八丈島、小笠原諸島、硫黄島、静岡県沼津、和歌山県串本、愛媛県愛南、高知県以布利、屋久島、琉球列島、南大東島。
    幼魚/三浦半島西部、高知県以布利
    台湾、広東省、海南島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、インド-太平洋。

    生態

    基本情報

    国内では紀伊半島や高知県などでもみられるが、主に鹿児島県以南の暖かい岩礁・サンゴ礁域で水揚げされる。比較的小振りな固体が多く、沖縄県の「びたろー」と呼ばれる魚の代表的なもの。
    非常に味のいい魚だが、模様がなく地味で小型なので比較的安い。大型魚は刺身などにもなるが、小型魚はお惣菜的な料理に使われるもので、食堂の定食などでも出てくる。
    珍魚度 国内でも本州などではわずかしかとれない。主に鹿児島県以南で揚がる魚で、しかも水揚げ量は少ない。

    水産基本情報

    市場での評価 主に琉球列島で流通する。比較的安い。関東にはめったに入荷しない。姿形がいいのでやや高値。
    漁法 刺し網、釣り
    主な産地 沖縄県、鹿児島県、東京都小笠原

    選び方

    鮮度落ちは遅い。全体に黄赤色で色味がしっかりしているもの。目が澄んでいるもの。鰭などの黄が鮮やかなもの。鰓が赤いもの。

    味わい

    産卵期は夏で旬は春〜夏ではないかと思う。
    鱗は硬く取りにくい。皮はしっかりしている。骨はあまり硬くない。
    血合いがきれいな白身でまったくクセがなく、熱を適度に通すとしまる。アラからはいいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オキフエダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、揚げる(フライ)

    オキフエダイの刺身 手に入れた個体は小型ばかりであるが、身は非常に上質で血合いが美しい。三枚に下ろしてまずは刺身となるのは必定である。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引き刺身にする。
    非常に上品な味わいだが、うま味が豊かで口の中で味のだれがない。食感からして素晴らしい。これほどうまい魚はめったにない、といった感がある。

    オキフエダイの焼霜造り(焼き切り) 皮は厚みがあって硬い。湯をかけても柔らかくならないので、あぶる。水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。水分をよくきり、皮目をバーナーであぶり、氷水に落とす。水分をよくふきとり切りつける。少し皮が硬いものの、噛めば噛むほどうま味が浮き上がってくる。
    オキフエダイのバター焼き 沖縄で小振りの固体のバター焼きを食べているので再現してみた。水洗いして水分をよくきり、塩コショウする。多めの油でじっくりと香ばしくソテーする。両面が焼けたら余分な油を捨て(捨てなくてもいい)、マーガリン(バターでも可)で風味づけする。しょうゆをたらすと、ご飯によく合う。
    オキフエダイの煮つけ(兜煮) 水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しして冷水に落とし、残った鱗やぬめりなどを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水(調味料はお好みで)を沸騰させた中で煮上げる。分厚い皮にうま味がある。身離れがよく非常にうまい。
    オキフエダイの塩焼き(兜焼き) 水洗いして頭部を梨子割りにする。水分をよく拭き取り塩をする。1時間以上寝かせ、表面に出て来た水分を拭き取りじっくりと焼き上げる。皮目の香り、うま味が素晴らしい。身離れがよくほどよく繊維質で甘みがある。
    オキフエダイのフライ 鮮度がいい状態で熱を通すと締まるので皮を引き、塩コショウして2日ほど寝かせる。これに小麦粉をまぶし、溶き卵をからめ、パン粉をつけて高温で揚げる。非常に上品でくせのない味わいになるものの、本種らしい特徴はない。

    好んで食べる地域・名物料理

    関連コラム(郷土料理)

    記事のサムネイル写真いまいゆのバター焼き
    熱帯域で揚がる魚のもっとも一般的な料理法は素揚げである。国内でのように片栗粉や小麦粉を使って揚げることはなく、塩コショウするだけで揚げて、柑橘類などをふって食べ・・・ 続きを開く

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)、田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
    『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社 1997)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)

    地方名・市場名

    アカンチャ
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    ヤマトゥビー
    場所沖縄県八重山 
    アニクチャー
    場所沖縄県宮古 
    イナフク
    場所沖縄県石垣島 参考河村雄太さん 
    ビタロー
    場所沖縄県石垣島、沖縄県南城市知念漁協 参考河村雄太さん、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    ショーブ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    スビイナクー
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    ウチグン
    場所沖縄県 
  • 主食材として「オキフエダイ」を使用したレシピ一覧

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