イシカワシラウオ

Scientific Name / Neosalangichthys ishikawae (Wakiya & N. Takahashi, 1913)

イシカワシラウオの形態写真

6cm SL 前後になる。上顎よりも下顎の方が前に出る。シラウオよりも体高があり、尾柄部の上下に黒点があり、尾鰭にはない。
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6cm SL 前後になる。上顎よりも下顎の方が前に出る。シラウオよりも体高があり、尾柄部の上下に黒点があり、尾鰭にはない。尾柄部の上下に黒点があり、尾鰭にはない。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区側原棘鰭上目サケ目シラウオ科シラウオ属

    外国名

    学名

    Neosalangichthys ishikawae (Wakiya & N. Takahashi, 1913)

    漢字・学名由来

    漢字 石川白魚 Isikawasirauo
    由来・語源 石川千代松への献名ではないかと思われる。
    石川千代松
    Ishikawa(万延元年〜昭和10年 1860年1月30日〜1935年) 東京市(東京都)生まれ。動物学・進化論。琵琶湖のコアユを河川放流する道を切り開いた。
    脇谷洋次郎
    1873年愛媛県生まれ。農学博士。東京帝国大学理科大学選科。岩手県立水産学校教諭、宮城県水産学校長、島根県立水産学校長、東京帝国大学農科大学助手、第五高等学校教授を歴任し、1922年より朝鮮総督府水産試験場技師・水産試験場長に就任した。ワキヤハタは脇谷洋次郎にちなむ。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。外海の沿岸域に生息。淡水域には入らない。
    青森県〜和歌山県の太平洋沿岸。

    生態

    産卵期は2〜5月。
    1年魚。
    雌は雄よりも大きくなる。

    基本情報

    東北太平洋側、茨城県、千葉県などの外洋に面した淡水の影響の少ない海域であがるのがイシカワシラウオである。漁期は11月〜翌年の4月。シラウオが汽水域でとれるのとは対照的な存在だ。
    国内にはシラウオ、イシカワシラウオ、アリアケシラウオ、アリアケヒメシラウオの4種が生息する。
    主に食用となっているのはシラウオとイシカワシラウオで、流通上ともに「しらうお」で区別しないで扱われている。鮮魚以外にも「しらす干し」にもなる。

    水産基本情報

    市場での評価 主に青森県〜茨城県から入荷するもの。鮮魚としらす干しとして入荷。高価。
    漁法 船びき網、刺し網
    産地 秋田県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、三重県、島根県

    選び方

    透明感のあるもので、触って硬いもの。白濁しても古くなっているわけではないが、生食にそぐわない。

    味わい

    旬は冬から春
    小振りで細長いので骨、鱗などは気にならない。
    いいだしが出るので汁にも向いている。
    横川吸虫の心配は不要。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    イシカワシラウオの料理法・調理法・レシピ/生食(刺身)、揚げる(かき揚げ、唐揚げ、フリッター)、煮る(アヒージョ・オイル煮、煮つけ、卵とじ、釜揚げ)、汁(吸物、かき玉汁)

    イシカワシラウオの刺身(白魚の刺身) 鮮度のいいものは刺身がうまい。ざっと塩水のなかで洗い、水分をよくきるだけ。まずは食感を楽しみ。その後に来る苦みと、独特のうま味を楽しみたい。生食はわさびよりもしょうがが合うと思うが、各自のお好みで。海水魚なのでシラウオのように横川吸虫の心配もいらない。

    イシカワシラウオのかき揚げ(白魚のかき揚げ) 春たけるに従い大きくなる。これを春野菜である三つ葉やせりを合わせてかき揚げにする。さーっと水洗いして水分をよくきる。小麦粉をまぶして、小さな容器に入れる。衣、野菜を入れて混ぜて適当な量を油に放ち揚げる。なんとなく春らしい香りがする。微かな苦みもよい。

    イシカワシラウオのフリッター(白魚のフリッター) さっと水洗いして水分をよくとる。小麦粉をまぶして衣(卵白・小麦粉・少量の牛乳など・塩)をつけて短時間で揚げる。ふんわり揚がってシラウオはあまり熱が通り過ぎないで柔らかく甘味がある。
    イシカワシラウオのアヒージョ(白魚のアヒージョ) ざっと水洗いして水分をよくきる。容器(陶器製のカスエラである必要はない)にニンニク・鷹の爪・オリーブオイル・シラウオを入れて火を通す。シラウオを食べるだけではなくうま味の出たオリーブオイルを楽しむものだ。朝ご飯に作るとパンに合う。

    イシカワシラウオの卵とじ(白魚の卵とじ) 水洗いして水分を切っておく。カツオ節だしに酒・しょうゆで味つけする。煮立ったらシラウオを入れてあくを取りながら短時間煮る。仕上がりに卵でとじる。卵への熱の通し方などはお好みで。
    イシカワシラウオの煮つけ(白魚の煮つけ) ざっと水洗いして水分をよくきっておく。鍋に水・酒・しょうゆを煮立てて、大量のしょうがの千切り(必須ではない)、シラウオを入れて揺すりながら火を短時間通す。すぐに火から下ろして鍋止めする。砂糖など甘味を加えるとご飯に合う。簡単でしかも当座のおかずになる。

    イシカワシラウオの釜揚げ(白魚の釜揚げ) 軽く水洗いして、やや強めの塩味の熱湯でさっと煮上げて、ザルに上げるだけて放冷する。寒い時期なので外に出すだけで放冷できるかも。冷えると身が締まり、食べ頃になる。シラウオの上品な味がいちばん堪能できる。
    イシカワシラウオの吸物(白魚の吸物) ザルなどに入れて塩水でさっと洗う。カツオ節出しに酒・塩で味つけしてシラウオを加える。あくなどをていねいにとり出来上がる。ほどよく煮えると優しい甘味がして、卵巣のこっくりした食感、ほろ苦さがいい。
    イシカワシラウオのかき玉汁(白魚のかき玉汁) さっと塩水で洗って水分をきっておく。カツオ節出しに塩・酒で味つけして、イシカワシラウオを加える。仕上がりに溶き卵を回し入れる。卵の煮え加減はお好みで。卵の優しい味とシラウオの淡い味があいまってとてもうまい。ご飯にかけてもいい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    しらす干し 九十九里などで作られている高級品。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    福島県水産試験場『ふくしま海の幸』
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「イシカワシラウオ」を使用したレシピ一覧

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