アカヒメジ

Scientific Name / Mulloidichthys vanicolensis (Valenciennes, 1831)

アカヒメジの形態写真

38センチほどになる。尾鰭には模様がなく体側に黄色い帯が走る。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科アカヒメジ属

    外国名

    Yellowfin goatfish

    Rouget à ligne jaune
    言語フランス語 

    学名

    Mulloidichthys vanicolensis (Valenciennes, 1831)

    漢字・学名由来

    漢字 赤比賣知、赤緋女魚、赤姫魚 Akahimeji
    由来・語源 ヒメジ科で赤いという意味。
    Valenciennes
    アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。

    地方名・市場名

    アカイジャン[赤いじゃん]
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    グジダー
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 

    生息域

    海水魚。サンゴ礁平面域、礁湖。
    房総半島〜九州南岸の太平洋沿岸、小笠原諸島、山口県日本海沿岸、琉球列島。台湾南部、インド-西太平洋域。

    生態

    下あごにある1対の髭(ひげ)で砂のなかに隠れている環形動物などを探しだして食べている。

    基本情報

    定置網などでとれるもので、まとまってとれないので商品価値は低い。
    味のいい魚なので、とれたなら流通にのせていただきたいと思う。

    水産基本情報

    市場での評価 関東にはほとんど入荷してこない。安い。
    漁法 定置網
    産地 和歌山県、鹿児島県

    選び方

    味わい

    旬は不明。
    鱗は薄く取りやすい。皮は厚みがあって強い。熱を通すと皮が赤く発色する。中骨が硬い。
    透明感のある白身で水分が多い。熱を通してもあまり硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    アカヒメジの料理法・調理法・食べ方/生食(皮霜造り、焼霜造り)、焼く(塩焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ、エスカベッシュ)、ソテー(ポワレ)、汁(潮汁)
    アカヒメジの刺身(焼霜造り)
    アカヒメジの焼霜造り 上品な白身ではあるが水っぽいのが難点。そのまま食べると甘味を感じるが、それほどうまいとは思えない。身よりも強いうま味を持つのが皮。皮には独特の甘い風味がある。これをあぶる、湯をかけて、造るといい。

    アカヒメジの塩焼き 単に塩焼きにして実に美味しい。皮からいい香りが立ちのぼり、身は適度にしまり、身離れがとてもいい。
    アカヒメジの唐揚げアカヒメジのエスカベーシュ 片栗粉をつけて揚げて塩コショウをしてエスカベーシュに。
    アカヒメジのフライアカヒメジのフライ 三枚に下ろして血合い骨を抜き、皮を引いて塩コショウ。パン粉をつけて揚げる。非常に上品な白身で美味しい。
    アカヒメジのポワレアカヒメジのポワレ 塩コショウして皮の方からかりっとするまで弱火でソテーしたもの。火の通し加減がとても難しいが白身のよさが堪能できる。ソースは白ワインとバルサミコを合わせて同じフライパンで煮つめたもの。
    アカヒメジの潮汁アカヒメジの潮汁 昆布だしにあらを入れてアクをすくいながら煮たもの。味つけは酒と塩だけ。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「アカヒメジ」を使用したレシピ一覧

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