ロウソクチビキ
体長27cm前後になる。全体に深い赤色で第1背鰭と第2背鰭が離れているが間に遊離棘がある。D/Ⅹ-Ⅺ−Ⅰ、P1/19-21、GR/9-11+1+24-26 近縁種で酷似しているものにトゲナシチビキがいる。トゲナシチビキの方が第1背鰭と第2背鰭の間に遊離棘がない。
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハチビキ科ロウソクチビキ属
|
外国名 |
Redbait
|
学名 |
Emmelichthys struhsakeri Heemstra and Randall, 1977
|
漢字・学名由来 |
漢字 蝋燭血引
由来・語源 血引は身が血液の色をしているため。蝋燭はずんどうな体から。
『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)にはなく、『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)にロウソクチビキ属ロウソクチビキがある。 Randall John Ernest Randall (ジョン・アーネスト・ランドール 1924-2020年)はアメリカの魚類学者。
|
地方名・市場名 |
アカムロ 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 場所東京都八丈島 |
概要
生息域
海水魚。水深10m〜数100mの海山周辺。
八丈島、小笠原諸島、沖ノ鳥島、青森県尻屋崎、茨城県〜豊後水道の太平洋沿岸、新潟県柏崎、兵庫県浜坂、山口県日本海沿岸、琉球列島、東シナ海。フィリピン諸島、オーストラリア南東岸、ニュージーランド、ハワイ諸島。
生態
基本情報
希にまとまって鮮魚でも流通するが、主に加工原料となる。
長崎県などの開き干しは美味である。
水産基本情報
市場での評価 鮮魚としての入荷は関東では少ない。主に加工品としての入荷だが安い。
漁法 巻き網
産地 長崎県、静岡県
選び方・食べ方・その他
選び方
味わい
旬は冬から夏
鱗は硬いが取りやすい。皮は硬め。骨は中骨以外は細く軟らかい。
白身だが赤みを帯びていて血合いの色は弱い。熱を通しても硬く締まらない。
身質 筋肉は赤みを帯びている。これがハチビキ科の特徴。脂は身に混在して柔らかく、適度に繊維質。熱を通しても硬く締まらない。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
ロウソクチビキの料理法・レシピ・食べ方/生食(焼霜造り、刺身)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)
ロウソクチビキの焼霜造り(焼き切れ) 身は赤く、血合いが強い。単に刺身にするよりも皮を生かした方が美しい。三枚に下ろして血合い骨を抜き、皮目をあぶって冷水に落としあら熱を取る。水分をよくきり、刺身状に切る。皮目に独特のうま味と心地よい食感があってとてもおいしい。
ロウソクチビキの刺身 筋肉は赤く脂は身に混在し、皮下にも層をつくる。脂ののりは強い。皮がやや硬いので、皮を引き単に刺身にしたほうがいい。また皮霜よりも焼霜の方がよさそうだ。口に入れると脂がとけて甘く、非常に美味。
ロウソクチビキの煮つけ 水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗や血液などを流す。水分をよくきり、水・醤油・砂糖・酒を沸かした中に入れて煮る。上品な白身でパサつかず嫌みがない。
ロウソクチビキの塩焼き 二枚に下ろして骨つきの方に振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。焼くと皮目に独特の風味が生まれてあまり硬く締まらずとても味わい深い。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
ー
ロウソクチビキの開き干し 脂ののった長崎産のロウソクチビキを開き干しにしたもの。脂がのっているので柔らかくて身離れがいい。皮目の独特の風味も好ましい。[長崎県]
釣り情報
歴史・ことわざなど