ヤイトハタ


82cm SL 前後になる。体側の斑点は瞳孔よりも小さく黒い。尾鰭は丸い。体に不定形の白い斑模様がある。

ヤイトハタとチャイロマルハタは非常に似ている

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は普通)
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科アカハタ属
外国名
Malabar grouper 瑪拉巴石斑魚、馬拉巴、石斑、土斑、過魚、來貓、厲麻、虎麻、青斑、黑點、鱸魚麻(澎湖)、厲麻鱠(澎湖) 、瑪拉巴石斑魚
学名
Epinephelus malabaricus (Bloch and Schneider,1801)
漢字・学名由来

漢字 灸羽太 Yaitohata
由来・語源 別名、ニセヒトミハタ。灸のあとのような黒い斑紋は全身にあるため。我が家の資料では『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)が初出。片山正夫が解説を書いている。チャイロマルハタとともに片山正夫の命名、研究ではないかと思っている。

Bloch
Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。
Schneider
Johann Gottlob Theaenus Schneider(ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー 1750-1822 ドイツ)。博物学者。マルクス・エリエゼル・ブロッホ(Marcus Élieser Bloch)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行、完成させた。
Katayama
片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。
地方名・市場名
アーラミーバイ ハーサミーバイ
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協 
アズキ
場所徳島県海部郡海陽町宍喰『宍喰漁業協同組合』 
ニセヒトミハタ
備考別名。 

概要

生息域

海水魚。内湾浅場の岩礁地帯、サンゴ礁。
島根県、相模湾、駿河湾、三重県熊野市、和歌山県串本、徳島県海陽町宍喰、高知県柏島、愛媛県深浦、屋久島以南。
台湾、福建省〜トンキン湾の中国沿岸、海南島、東沙諸島、南沙諸島、インド-西太平洋。

生態

基本情報

ハタ類のなかでも比較的大型になる。fishbaseには最大全長234cm・重さ150kgとある。
1980年代、国内では琉球列島だけで知られていたが、今では相模湾や駿河湾でも成魚が揚がっている。
大型のハタはおしなべて人気があり、非常に高価だが、クエ、マハタ、本種、チャイロマルハタは高級ハタの代名詞的な存在となっている。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は少ない。非常に非常に高価。養殖ものは高価。
漁法 定置網、釣り
産地 沖縄県、鹿児島県、三重県、徳島県

選び方・食べ方・その他

選び方

身に張りのあるもの。退色していない色の濃い黒っぽいもの。鰓が赤いもの。目が澄んでいるもの。

味わい

旬は不明
鱗は皮膚に埋まっていて、すき引きしてとるしかない。皮は厚くゼラチン質で冷えると硬い。
骨は非常に硬い。
透明感のある白身で身割れしやすい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ヤイトハタの料理法・レシピ・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、生食(刺身)、揚げる(唐揚げ)
ヤイトハタのちり鍋 天然もののあら、身をあっさり酒塩味で鍋にしたもの。本種など大型のハタ類は液体を使った料理に向いている。あら、身は湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよく切り、昆布だしに酒・塩のだしで煮ながら食べる。だしで煮た切り身のおいしさは名状しがたい。満腹になるくらい食べてしまいそう。後の雑炊までいかないかも。

ヤイトハタの刺身 水洗いして三枚に下ろし、大型だったので腹に近い部分を刺身にした。脂のうまさではなく、身にうま味と、うま味成分からくる甘味が強く感じられる。舌にねっとりからみつくのは見た目は目立たないものの、脂があるせいだと思う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど