ミネフジツボ

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最大で直径50mm前後になる。石灰質の殻底があり、白く周殻(山状の部分)が高い。1層の主壁のほかに瓦状の楯板がある。
最大で直径50mm前後になる。石灰質の殻底があり、白く周殻(山状の部分)が高い。1層の主壁のほかに瓦状の楯板がある。[アカザラガイに付着]
最大で直径50mm前後になる。石灰質の殻底があり、白く周殻(山状の部分)が高い。1層の主壁のほかに瓦状の楯板がある。[広島県倉橋島産]
最大で直径50mm前後になる。石灰質の殻底があり、白く周殻(山状の部分)が高い。1層の主壁のほかに瓦状の楯板がある。[鳥のクチバシ状のものが蓋板]
最大で直径50mm前後になる。石灰質の殻底があり、白く周殻(山状の部分)が高い。1層の主壁のほかに瓦状の楯板がある。[鳥のクチバシ状のものが蓋板]
最大で直径50mm前後になる。石灰質の殻底があり、白く周殻(山状の部分)が高い。1層の主壁のほかに瓦状の楯板がある。[鳥のクチバシ状のものが蓋板で、周殻を食べやすく割って蓋板を持って軟体を引き出す]

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珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
節足動物門甲殻亜門顎脚綱鞘甲亜綱蔓脚下綱完胸上目無柄目フジツボ亜目フジツボ上科フジツボ科フジツボ属
外国名
Acorm barnacle, Rock barnacle
学名
Balanus rostratus Hoek,1883
漢字・学名由来

漢字 峰富士壺 Minefujitubo
由来・語源 峰は山の頂のことで「高い」という意味合い。フジツボの仲間で高いという意味。フジツボは漢字で示すように富士山の形に似ているため。

地方名・市場名
シロカキ シロガキ
参考野呂恭成さん 場所青森県陸奥湾 
カキ
場所青森県 
イワガニ
備考古くはフジツボのことをカキ、イワガニといった。しばしば船底などにつく、これを俗にカキがつくという。 

概要

生息域

海水生。潮間帯〜浅い岩礁域。
対馬以北の日本海側、相模湾以北の太平洋側。三河湾、浜名湖。関門海峡から北の瀬戸内海。

生態

雌雄同体。隣接する個体同士が精子を交換する。
熊手のような蔓脚を広げて海水中のプランクトンや有機物をキャッチして生きている。
幼生期(ノープリウス幼生、キプリス幼生)をへて岩などに着生する。
岩などには水中接着セメントという物質で張り付く。

基本情報

対馬、瀬戸内海、三河湾以北の大型の貝類や岩などに付着している。
青森県で「かき」と呼ばれているのは、付着しているものを「掻き取って」採取するためで二枚貝のマガキなどと同じ語源である。
オオアカフジツボとともに、国内ではもっとも大型のフジツボで、唯一流通しているフジツボである。日本各地で見られるが、漁業的には青森県の特産物でもある。
青森県では戦後しばらく操業されていたアカガイ桁曳漁業で混獲され,漁業者の間で食べられていた。青森県の「かき」は、1990年ごろ、青森県内でも食用となり始め、青森県で流通するようになる。2000年代、築地場内でも見られるようになっている。東京での流通はもっと古いかも知れない。
現在でももちろん特種なものではあるが、関東でも夏の定番的な水産物として知っている人が多い。
珍魚度 生息域は広く意外に海で探せば見つかる可能性がある。流通するものはすべて青森県産で関東で見かけることが多い。探せば手に入る。

水産基本情報

市場での評価 近年関東の市場でも珍しくなくなった。青森県の特産品。可食部が小さく、非常に歩留まりが悪いのに高い。
漁法 採取、養殖
産地 青森県
入荷状体 まるで石や岩が発泡の箱に入っているように見える。青森県陸奥湾で養殖されたものではないかと思うもの。土台にホタテの貝殻が使われている。

選び方・食べ方・その他

選び方

甲殻の部分がよく動くもの。

味わい

旬は7月〜9月。食べられる部分である筋肉・内臓などは夏になると膨らむ。
ほとんどが石灰質の殻。可食部は蔦(つる)状のプランクトンを捕らえる部分を動かすための筋肉と生殖巣・内臓など。全体の大きさに比べて可食部分は非常に少ないが、濃厚な旨みと、エキスが味わえる。
甲殻類でありエビやカニなどに近い生き物であるが、カニの内子のようでもあり、ウニのようでもある不思議な味で、濃厚なうま味がある。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ミネフジツボの料理・レシピ・食べ方/煮る(蒸し煮)、焼く(直焼き)

ミネフジツボの酒蒸し 蒸し上がったら殻を食べやすく割っておき、爪(蓋板)をゆっくり引っ張ると筋肉と内臓が出てくる。夏になるとこの部分が太り、ふんわりと柔らかい。
口に入れると甲殻類であるエビやカニの風味とウニの風味を足し算したような味が楽しめる。濃厚な味わいであるが、後味がいいのも特徴だろう。周殻も含めると数十分の一程度しか食べられる部分はないが、このおいしさは他に類をみないものなので、納得できるはずだ。

ミネフジツボの酒蒸し 少量の水と酒(ワインでもいいし、少量の水とジンというのもいい)で蒸し煮(鍋に蓋をして煮る)にする。火は比較的すぐに通る。殻を食べやすくするために殻を少し割って器に盛る。このとき殻の破片などが混ざりやすいので要注意。
周殻(山状の外側の殻)に入っているのが蓋板(4枚の爪に見える部分)を持って、ゆっくりと引っ張ると可食部(筋肉と内臓)が出てくる。
焼きミネフジツボ 塊になっているので適当に割り、分けて強火で短時間焼き上げる。可食部である筋肉と内臓は痩せるが、濃厚なものがより濃厚になり、焼いたことで甲殻類特有の香りが強く感じられる。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

■ 国内ではもっとも大型のフジツボ。
■ 養殖されている。