マルヒウチダイ

マルヒウチダイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
体調25cm前後になる。全体に薄紅色もしくは銀白色。腹部正中線は各鱗が強い棘を持ち、ノコギリ状。側面から見ると丸く、強く側扁(左右に平たい)する。目が前方にあり、頭部は透明感のある骨格に覆われ、目から放射線状に畝状の線が走る。尾鰭の後端は透明(黒くない)。
尾鰭の後端は透明(黒くない)、ヒウチダイは黒い。
目が前方にあり、頭部は透明感のある骨格に覆われ、目から放射線状に畝状の線が走る。
腹部正中線は各鱗が強い棘を持ち、ノコギリ状。

全関連コラム

魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正真骨下区棘鰭上目キンメダイ系キンメダイ目ヒウチダイ科ヒウチダイ属
外国名
Slimehead
学名
Hoplostethus crassispinus Kotlyar, 1980
漢字・学名由来

漢字 丸燧鯛 Maruhiutidai
由来・語源 1980年までヒウチダイは1種だと考えられていた。ヒウチダイに似てやや丸みを帯びている。ヒウチダイは体形が江戸時代の発火用の燧石(ひうちいし)をいれる袋に似ているため。我が資料では『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)が初出。

地方名・市場名
アブラゴソ
場所静岡県沼津市 
ヒウチ
場所鹿児島県垂水市 

概要

生息域

海水魚。水深370〜600メートル。
東シナ海、駿河湾、熊野灘、土佐湾、九州。九州-パラオ海嶺、台湾南部、西部天皇海山。

生態

基本情報

まとまって水揚げがある地域を現在のところ(2012)知らない。
鹿児島県錦江湾での「とんとこ網漁」などで少ないながらコンスタントにみることができる。
静岡県沼津ではヒウチダイとともにアブラゴソと呼ばれ高級魚だ。
癖のない脂のある魚で、産地などでは人気が高い。
ヒウチダイとマルヒウチダイの見分け方
ヒウチダイ
尾ビレの後ろの部分が黒い。
ヒウチダイとマルヒウチダイの見分け方
マルヒウチダイ
尾ビレの後ろは黒くない。

水産基本情報

市場での評価 流通することは稀。関東などでは珍しく一定の評価はない。
漁法 底引き網
産地 鹿児島県、静岡県

選び方・食べ方・その他

選び方

触ってはりのあるもの。目の澄んだもの。

味わい

旬は寒い時期。
鱗は薄くとりやすい。皮は薄く弱い。骨は柔らかい。
透明感のある白身で小さいものはやや水っぽい。
東部、あらなどからいいだしが出る。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

マルヒウチの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き、干もの)、汁(潮汁、みそ汁、鍋)、揚げる(唐揚げ)
マルヒウチダイの刺身 水洗いして小型は頭を襷に落とす。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取り、皮を引き刺身状に切る。やや水っぽく軟らかいが、小さな固体でも脂がのって甘く、味に奥行きが感じられる。イヤミのない味で万人向きの味だ。

マルヒウチダイの煮つけ 鱗をとり襷に頭部を落とし、内臓を洗い流す。肝があったらとっておく。湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。これを酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖で甘味を漬けてもいい。水分が多いのが煮ることで適度にしまり、身離れがよくとても味がいい。
マルヒウチダイの塩焼き 小型は鱗を取り頭を襷に落とす。内臓を取り去り、水分をよくきり振り塩をする。1時間くらい寝かせて焼き上げる。水分がやや多い魚だが、焼くことで適度に締まる。皮の風味が際立ち、身離れがよくおいしい。
マルヒウチダイの潮汁 鱗を取り、頭部と腹部の硬い鱗の部分を切り落として水洗いする。水分をよくきり小振りのものを湯通しし、汚れなどを落として水分をよく切る。昆布だしに入れて火をつけて沸いてきたら塩、酒で味つけする。単純な料理ながら実にうまい。
マルヒウチダイの唐揚げ 鱗をさっと取り、頭部を襷に落とす。水分をよくきり、片栗粉をまぶして二度揚げする。身に甘みがあり、揚げてもしっとりとして柔らかい。骨が柔らかいので、さくさくと香ばしくとても味がいい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど