マクリ

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高さ25cm前後になる。太さ2-3mmの円柱状で枝分かれし、体の全面に硬い毛が生えている。緑色のはヒゲミル。
高さ25cm前後になる。太さ2-3mmの円柱状で枝分かれし、体の全面に硬い毛が生えている。
物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度
食用として認知されていない
味の評価度
分類
植物界紅藻植物門真生紅藻綱マサゴシバリ亜綱イギス目フジマツモ科マクリ属
外国名
Red seabroom
学名
Digenea simplex (Wulfen) C. Agardh 1822
漢字・学名由来

漢字/捲 Makuri
由来・語源/不明
別名は海人草(カイニンソウ)。

地方名・市場名
ナチョーラ
場所沖縄県 

概要

生息域

海水生。水深0-20m。低潮線付近から漸深帯の岩の上に生育。
太平洋沿岸南部、九州西岸、鹿児島県諸島部、琉球列島。
台湾、東沙諸島、世界中の熱帯・亜熱帯域。

生態

基本情報

人は長い年月、回虫の寄生に悩まされてきた。昔(1960年代くらいまで)は人糞を肥料として畑にまいていた。回虫は人に寄生して卵を人糞と一緒に体外に出す。この人糞が、野菜や人の手などに付着する。これがまた人の口に入り、腸に寄生する。
回虫は小腸内に寄生しているときは、下痢、腹痛、食欲不振など軽い症状しか出ない。これが膵管や虫垂、胃などに入ったときは重い症状を引き起こす。肝臓に侵入すると死に至ることもある。
当然、回虫駆除は世界的にも大きな課題だった。本種はカイニン酸を持つことで回虫駆除(虫下し)の薬としてになくてはならないものだった。
国内だけではなく中国大陸などでも重要な海産物で、1945年の敗戦後、沖縄県では高値であったこともあり取り尽くされたとされている。
ピランテル(コンバントリン)などの開発で需要が減る。1960年代くらいまではカイニン酸、サントニンはチョコレート状のものに練り込んで子供に飲ませていたようだ。沖縄県などには今でも民間薬として干したものが売られている。
また沖縄県では「ナチョーラシンジ(料理)」を出す店があると言うがまだ食べていない。

水産基本情報

市場での評価/沖縄県では古くは採取して虫下しなどに使うものだった。ただし今はほとんど利用されていない。
漁法/採取
産地/沖縄県

選び方・食べ方・その他

選び方

不明。

味わい

旬などはないと思う。
表面に硬い毛が生えていてごわごわしている。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

マクリを食べてみた/煮る、汁
食用としていいかどうかは不明。食べるなら自己責任で
マクリの煎じ汁 昔はこれで「虫下し(回虫駆除)」をしていたようだ。真水と塩水で1時間煮てみた。これは真水の方。意外にも取り立てて臭いとか苦みはない。微かに海藻を思わせる風味がするだけ。飲むと一日胃が重く食欲がわかない状態になった。


マクリのゆでたもの 真水と塩水で煮てみた。塩水で煮たものの方が味がある。ただかなり煮てもゴワゴワ、モサモサして海藻自体には味がない。とても食べ物とは思えない。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど