バナメイ


生きているときは暗灰色。

魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★★★
重要
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)ホンエビ上目十脚目根鰓亜目クルマエビ下目クルマエビ上科クルマエビ科Litopenaeus属
外国名
Whiteleg shrimp, Pacific white shrimp
学名
Litopenaeus vannamei (Boone,1931)
漢字・学名由来

由来・語源 学名を音読みしたもの。

地方名・市場名
バンナムエビ シロアシエビ[白脚蝦]

概要

生息域

海水生。中南米原産。
現在では国内だけではなく、台湾、東南アジアなどで養殖されている。

生態

ブラックタイガーと比べて病気に強い。

基本情報

南米エクアドルなどで養殖が始まったもの。もともと台湾の業者が開発に取り組んだもので、病気に弱く同じ池で連作できないブラックタイガーに替わるものとして期待されている。
ただし中型のクルマエビであること、ホワイト系で赤の発色が弱いことなどで、ブラックタイガーと比べると地味な存在でもある。近年(2010)、スーパーなどで見かける小型のクルマエビ、またむきえびの多くが本種。加工原料としても利用されており、今ではブラックタイガーと肩を並べて流通漁が多い。

水産基本情報

市場での評価 主に冷凍流通。国内でも養殖されているが非常に少ない。安い。
漁法 養殖
産地 台湾、タイ

選び方・食べ方・その他

選び方

冷凍焼けしていないもの。

味わい

旬は不明 養殖ものなので、年中安定して流通する。
ホワイト系で熱しても赤は薄い。
甘みが強く、クセが皆無。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

揚げる(天ぷら、フライ、素揚げ)、アヒージョ(にんにくオイル煮)、ゆでる、汁(トムヤムクン、吸いものなど)、炒める、グラタン


バナメイの天ぷら 殻を剥き、小麦粉をまぶして衣をつけて強めの火加減で揚げる。揚げることでエビらしい香りが立ち、甘味もある。クルマエビ、クマエビ(ブラックタイガー)などと比べると発色は悪いものの味はいい。

ゆでバナメイ ゆでエビにして「エビのカクテル」にしてもいい。アボカド、赤ピーマンなどを添えて、カクテルソースで味わう。カクテルソースはウスターソース、ケチャップ、マヨネーズなど複雑なレシピもあるが、単にマヨネーズとケチャップにレモンの風味、酸味を加えるだけで十分。
バナメイのゆびき 近年、で食べられるものが出回っているが、完全に生ではあまりエビらしい風味を感じない。軽く赤みが出るくらいにゆでて、氷水に落として水分をきる。わさびしょうゆで食べてもいいし、ケチャップとタバスコを合わせたもので食べてもいい。
バナメイのアヒージョ アヒージョはスペイン料理で無頭をにんにくオイルで煮たもの。アヒージョ皿にオリーブオイル、くだいたにんにくを入れて加熱、香り立ってきたらエビを入れて火を通す。エビの香りが強くでてワインにあう。
バナメイのエビチリ 剥き身を塩コショウ、紹興酒、片栗粉で和えて置く。フライパンに刻んだ白ねぎ、にんにく、油を入れて香りが立ったら中華スープの素、ケチャップ、少量の豆板醤を加えて、煮立ってきたらエビを加えて少しだけ煮込む。ケチャップの甘味で子どもでも食べられる日本の中華のエビチリだ。
バナメイのスープ バナメイの頭部と殻を集めて置く。これをオリーブオイル、刻んだにんにく・エシャロットをソテーした中に加えて頭部をつぶしながら炒める。ここに市販のハーブブイヨン(クールブイヨン)を注ぎ入れて、あくをとりながら煮る。
バナメイのトムヤムクン 市販のタイ料理「トムヤムクン」のセットを使う。トマトスープ、すまし汁などにして美味。写真はトムヤムクン。トムヤムクンは魚醤(ナンプラー)を使ったスープにレモングラス、バイマックルー(コブミカンの葉)、唐辛子などで辛み香り風味をつけたものにココナッツミルクを加えたエビのスープ。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

蒸しえび 少量の水分でゆでたもの。すし業界ではゆでても「蒸す」ということからきたものと思われる。
ボイルエビ(ボイル海老、ボイルえび)

釣り情報

歴史・ことわざなど

■ 中南米のホワイト系エビのひとつ。エクアドルで養殖、種苗の生産が確立し、それを東南アジアなどで拡大している。
■ ブラックタイガーと比べて繰り返し同じ池で養殖できるので生産性が高い。