タケノコメバル

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35cm SL 前後になる。紡錘形に近く、体高は低い。吻から眼を通り、鰓蓋までのびる褐色の筋(不連続であることが多い)があり、胸部にも斑紋がある。両眼の間はたいら。腹は鰭の一部に筍の皮を思わせる斑紋はある。尾鰭の後縁は丸い。[新潟県佐渡産 35cm SL・969g]
35cm SL 前後になる。紡錘形に近く、体高は低い。吻から眼を通り、鰓蓋までのびる褐色の筋(不連続であることが多い)があり、胸部にも斑紋がある。両眼の間はたいら。腹は鰭の一部に筍の皮を思わせる斑紋はある。尾鰭の後縁は丸い。
35cm SL 前後になる。紡錘形に近く、体高は低い。吻から眼を通り、鰓蓋までのびる褐色の筋(不連続であることが多い)があり、胸部にも斑紋がある。両眼の間はたいら。腹は鰭の一部に筍の皮を思わせる斑紋はある。尾鰭の後縁は丸い。
吻から眼を通り、鰓蓋までのびる褐色の筋(不連続であることが多い)があり、胸部にも斑紋がある。
両眼の間はたいら。
口は大きく細かい歯が帯を作る。

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珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属
外国名
Oblong rockfish
学名
Sebastes oblongus Günther, 1877
漢字・学名由来

漢字 筍目張 Takenokomebaru
語源・由来 大阪府や兵庫県瀬戸内海周辺での呼び名。〈大阪方面では筍(たけのこ)の出る頃に頗る(すこぶる)美味となると称し、また美味の時には筍よりも美味だと言っている。〉とある。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)
大阪、瀬戸内海では現在のメバル属・カサゴ属の魚はともに「めばる」という。ただし本種はどちらかというと個体数の少ない魚で、旬を一般的に語られることはない。私見だが、大阪府や瀬戸内海周辺、能登半島などでタケノコメバルと呼ばれるのは、真竹の子の皮に模様が似ているためではないか、と考えている。
藻魚 和漢三才図会などにある藻魚である可能性がある。
〈頬甲族カサゴ科ソイ屬タケノコメバル Sebastichthys oblongus〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
Sebastichthys mitsukurii (Cramer.)/ミツクリメバル とされたこともある。

過去のソイ属、メバル属の変遷
古くソイ属だった種(1938)→ クロソイSebastes schlegelii Hilgendorf, 1880、キツネメバルSebastes vulpes Döderlein, 1884、コウライキツネメバルSebastes ijimae (Jordan & Metz, 1913)、ゴマソイSebastes nivosus Hilgendorf, 1880、シマゾイSebastes trivittatus Hilgendorf, 1880、タケノコメバルSebastes oblongus Günther,1880、ムラソイSebastes pachycephalus pachycephalus Temminck and Schlegel,1843、ヨロイメバルSebastes hubbsi (Matsubara, 1937)、コウライヨロイメバルSebastes longispinis (Matsubara, 1934)
メバル属クロソイ亞属(1955)→/ オウゴンムラソイSebastes pachycephalus nudus Matsubara, 1943、ホシナシムラソイ(シノニム)、アカブチムラソイ(シノニム)を追加
『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
フサカサゴ科メバル属 タヌキメバル追加。Sebastes zonatus Chen and Barsukov, 1976『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)

Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。浅い岩礁域。
北海道〜長崎県の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、北海道日高、青森県〜三重県の太平洋沿岸、土佐湾。
朝鮮半島南岸・東岸。

生態

基本情報

北海道から九州までと朝鮮半島の比較的浅場に生息する。浅場にいるメバル属の中ではもっとも大型になる。
珍しいと言うほどではないが流通量は極めて少なく。流通上での認知度も低い。
大型になり、目立つ見た目なので、意外に高値をつけるが、味は平凡という魚である。
珍魚度 珍しい魚ではない。ただ個体数が少ないのか、水揚げ量は少なく、すぐに手に入れることは難しい。

水産基本情報

市場での評価 入荷は希。小さいものは安く、大型はやや高値。一定の評価がないので価格が不安定だ。
漁法 定置網、刺し網
産地 長崎県ほか

選び方・食べ方・その他

選び方

活魚がいい。触って張りのあるもの。目が澄んでいるもの。

味わい

春から初夏だと思われる。
鱗は硬いが取りやすい。皮は厚く硬い。骨はやや硬め。
透明感のある白身。焼くとやや硬く締まるが、液体を介して熱を通す限りはあまり硬くならない。身離れがいい。いいだしが出る。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

タケノコメバルの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ、鍋)、汁(潮汁、しょうゆ汁、みそ汁)、生食(焼霜造り、刺身)、焼く(塩焼き)
タケノコメバルの韓国風鍋 韓国風とはボクの勝手ないいようである。要するに韓国の東側で食べた鍋料理をまねたもの。だ。
タケノコメバルの兜煮(煮つけ) 水洗いして小型ならぶつ切りに、大型は頭部だけでもいい。肝や心臓、胃袋なども捨てないこと。これを湯通しし、氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・しょうゆ、水で煮る。こってり甘辛く煮たが、砂糖を使わずあっさり味にしてもいいし、みりんを加えてもいい。意外に食べる部分が多く、身離れがよく非常にうまい。肝、胃袋などは取り分け美味。
タケノコメバルのしょうゆ汁 メバル属のなかでは比較的大形なのであらや内臓を集めて置く。これを湯通しして冷水に落とす。残った鱗やぬめり、血液などを流して昆布だし(水、もしくはさし昆布を)で煮出す。酒、薄口しょうゆで味つけする。塩だけでもみそ味にしてもうまい。
タケノコメバルの焼霜造り(焼き切り) 筋肉にはあまりうま味がなく、また脂が豊かにのることもないと思う。単に刺身にしてもおいしいが皮のうま味を生かすということで焼霜造りにした。湯をかける皮霜造りには皮が強すぎる。筋肉の上品な味わいに皮の食感、うま味がプラスで実にうまい。
タケノコメバルの刺身 カサゴ類は締めると急速に鮮度が落ち、透明感がなくなる。刺身にはできれば活魚を使いたい。上品な味わいで無個性だ。白身の刺身としてはほんのり甘味があり決して悪くはない。この淡泊な味わいを補填するのが肝。甘味とうま味が強く、肝じょうゆにして刺身というのがオススメ。
タケノコメバルのセビチェ カサゴ亜目の難点は食感が悪くなるのが早いことだ。西日本で活魚が多いのもこの食感が続かないせいかも知れない。活け締めなどで食感が悪くなった場合は柑橘類を使ったセビチェがいい。三枚に下ろして皮を引き、細かく切る。ライムジュースと多めの塩、青唐辛子、玉ねぎでマリネする。塩辛く酸っぱい味わいで糖質を添えるとご飯になる。スピリッツにも合う。
タケノコメバルの塩焼き 本種などカサゴ亜目の魚は液体か油分を使った料理の方がいいと思っている。二枚に下ろして骨つきの方に振り塩をして少し寝かせてじっくりと焼く。身が締まりすぎて硬いが皮目の風味がいい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

三陸などではルアー釣りの対象として人気がある。またを東北太平洋側を海沿いに北上していたら防波堤釣りであがっていた。当地では身近な浅海の魚であるようだ。バケツの中は大小入り混じり、タケノコメバルだらけ。見ているとテトラの間に餌を落とすとすぐに釣り上がる。

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

モウオ
参考出間リカさん 場所三重県鳥羽市 
モイオ
参考出間リカさん 場所三重県鳥羽市安楽島 
キンシ
参考文献 場所京都府宮津 
タケノコバト
参考文献 場所兵庫県明石 
バト
参考文献 場所兵庫県淡路島福良 
タケノコメバル
参考『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所大阪府、兵庫県神戸・赤穂、山口県宇部・下関、石川県七尾・宇出津 
クロハツメ
参考『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所富山県富山県東岩瀬 
ハツメ
参考文献 場所富山県氷見 
モハツメ
参考文献 場所富山県魚津 
スイ メハヤ
参考岩手県水産技術センター 場所岩手県 
ガアフク
参考『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所広島県旧賀茂郡 
ガアフク
参考文献 場所広島県賀茂郡 
カブトメバル
参考『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所愛媛県松山市 
ビキ
参考文献 場所新潟県佐渡島 
モアラカブ
参考文献 場所有明海 
モブシ
参考文献 場所有明海など 
メバル
参考文献 場所有明海周辺 
タケノコ
参考文献 場所東京、石川県七尾、兵庫県神戸・明石・赤穂、山口県宇部 
マミヤイメバル
参考文献 場所神奈川県三崎 
トモトメバル
参考文献 場所神奈川県三浦半島松輪 
サンノジメバル
参考文献 場所神奈川県松輪 
モムシ
参考文献 場所福岡県志賀島 
ツラナガ
参考文献 場所秋田県男鹿 
キュウリソイ
参考『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所青森県 
モゾイ
参考青森県水産技術センター 場所青森県今別・野辺地・牛滝 
モガラス
参考青森県水産技術センター 場所青森県脇ノ沢 
キゾイ
参考青森県水産技術センター 場所青森県野辺地 
キリゾイ
参考青森県水産技術センター 場所青森県陸奥湾 
デクロゾイ
参考青森県水産技術センター 場所青森県陸奥湾周辺 
コガネメバル
参考文献 場所静岡県伊東 
カガニ(ガガネ)
参考『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂) 場所高知県 
ガシラ
備考他のカサゴ類とともに。 参考文献 場所高知県 
ボッカメバル ホツカメバル
参考文献 場所鳥取 
モズ
参考文献 場所鳥取県 
ベッコウスイ
場所三陸、宮城県塩竃・松島 
ボイジョ
参考『石巻の四季のさかな』(石巻魚市場株式会社) 場所宮城県石巻魚市場 
ボッカスイ
参考文献