クロブチテンス

クロブチテンスの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
35cm SL 前後になる。体は平たく、体の背部、腹部は黒い。頬に顕著な文様がない。背鰭第1と第2棘は柔らかく背鰭第2棘は第3棘は皮膜で繋がっている。[35cm SL ・1.171kg]
35cm SL 前後になる。体は平たく、体の背部、腹部は黒い。頬に顕著な文様がない。背鰭第1と第2棘は柔らかく背鰭第2棘は第3棘は皮膜で繋がっている。[35cm SL ・1.171kg]
35cm SL 前後になる。体は平たく、体の背部、腹部は黒い。頬に顕著な文様がない。背鰭第1と第2棘は柔らかく背鰭第2棘は第3棘は皮膜で繋がっている。[35cm SL ・1.171kg]
35cm SL 前後になる。体は平たく、体の背部、腹部は黒い。頬に顕著な文様がない。背鰭第1と第2棘は柔らかく背鰭第2棘は第3棘は皮膜で繋がっている。[35cm SL ・1.171kg]
背鰭第1と第2棘は柔らかく背鰭第2棘は第3棘は皮膜で繋がっている。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科テンス属
外国名
学名
Iniistius geisha (Araga and Yoshino, 1986)
漢字・学名由来

漢字/黒縁天須 Kurobuchitensu
由来・語源/荒賀忠一、吉野哲夫の命名。
〈クロブチテンス(仮称) Hemipteronotus sp.〉『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)
geisha 種小名は〈この魚の斑紋が、黒地に文様のある着物を着た粋な芸者を彷彿とさせることからの命名〉『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)

荒賀忠一
荒賀忠一(あらが・ちゅういち 1932年大坂生まれ) 魚類学者。京都大学理学部附属瀬戸臨海実験所
Yoshino
吉野哲夫(よしの・てつお 1945年大阪府生まれ) 魚類学者。熱帯性沿岸魚類などを研究。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。砂室域。
小笠原諸島、和歌山県串本、奄美大島、沖縄島、宮古島。
台湾。

生態

基本情報

主に亜熱帯域以南に生息する。テンス属の中では最大種のひとつだが、漁獲量が非常に少なく鹿児島県、沖縄県でも珍しい魚のひとつ。個体数が少ないのかも知れない。

水産基本情報

市場での評価/鹿児島県、沖縄県では希に水揚げがある。高級魚。
漁法/
産地/鹿児島県

選び方・食べ方・その他

選び方

味わい

旬は不明。
鱗は薄くやや大きく取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いは非常に薄い。熱を通しても硬く締まらない。
亜熱帯・熱帯の魚なので内臓は食べない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

クロブチテンスの料理法・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、蒸す(蒸し魚)、生食(刺身、皮霜造)、揚げる(フライ)、ソテー(ムニエル)、汁(みそ汁)
クロブチテンスの塩焼き 重さ1kg以上ある大物だったので、頭部だけでも料理ができた。頭部は梨子割りにして塩をして1時間以上寝かせる。これを焼き上げる。焼き上げても硬くならず、皮目はしっとりと厚みがある。皮周辺の官能的なうまさ、身の甘味ともにアカアマダイ以上のおいしさである。塩焼きとしては類をみない味。
クロブチテンスの煮つけ いちばんうまいのは兜(頭部)のようである。水洗いして頭部は梨子割りにする。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。酒・醤油・水を煮立てた中で煮る。みりん、砂糖などで甘味をつけるとご飯に合う。厚みのある皮が非常にうまい。口の中に入れるととろっととろけて深みのある味わいがする。思った以上にたっぷりの身も絶品。
クロブチテンスの蒸し魚(清蒸) ベラ科の魚は蒸すと煮崩れるものがあるが、本種は皮、身がしまっていて強いので大丈夫とみた。水洗いして二枚に下ろし、頭部に近い方の水分をよくきる。これを10分ほど蒸して、タレ(醤油・魚醬少々・紹興酒・砂糖を合わせて一煮立ちしたもの)をかけて、香りのある野菜をのせ、煙が出るほど熱した油をかける。タレは中華の甘い醤油でもいい。端的なおいしさで、ご飯がすすむ。
クロブチテンスの刺身 水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引き薄く造る。身に厚みはないものの、硬く締まっている。薄く造っても食感があり、うま味・甘味が豊かである。テンス属は基本的に水っぽいが、本種は別物の感がある。非常に美味。
クロブチテンスの皮霜造 水洗いして三枚に下ろして血合い骨・腹骨を取る。水分をよくきり、皮目に布巾を乗せて湯をかける。氷水に落として粗熱をとる。少し冷蔵庫などで寝かせて、皮目を落ち着かせてから刺身状に切る。皮は硬いがうま味がある。身は甘く、ゴージャスな味わいである。
クロブチテンスのフライ 水洗いして三枚に下ろす。中骨・血合い骨を取り、皮を引き切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵(小麦粉・卵・水の衣でもいい)をからめ、パン粉をつけて揚げる。揚げると身はふっくらとふくらんで豊潤。柔らかくうま味がある。
クロブチテンスのムニエル 水洗いして三枚に下ろし血合い骨・腹骨を取る。塩コショウして小麦粉をまぶして少し置き、多めのオリーブオイルでじっくり時間をかけてソテーする。仕上げにバターで風味づけ。皮の表面は香ばしく皮の身側はねっとりして甘味が感じられる。身は締まりすぎず柔らかい。
クロブチテンスのみそ汁 刺身などにしたときのあらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。青みなどはお好みで。実にうま味豊かな汁になり、付着した皮、身もおいしい。ご飯に合う。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど