クボガイ

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殻高3センチ前後になる。やや丸みのある比較的高い三角錐で螺肋が強い。へそは幼い頃は開いていることがあるが大きくなると閉じてしまうことが多くなる。完全にふさがらないものもいる。へそ周辺は緑色を帯びる。
殻高3センチ前後になる。やや丸みのある比較的高い三角錐で螺肋が強い。へそは幼い頃は開いていることがあるが大きくなると閉じてしまうことが多くなる。完全にふさがらないものもいる。へそ周辺は緑色を帯びる。
へそは基本的にふさがっている。へその周辺は緑色を帯びる。
珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱古腹足亜綱ニシキウズガイ目ニシキウズガイ上科リュウテン科クボガイ亜科クボガイ属
外国名
学名
Tegula rugata (A. Gould, 1861)
漢字・学名由来

漢字 久保貝 Kubogai
由来・語源 由来などは不明。六百介品より。
Chlorostoma lischkei Tapparone Canefri, 1874 →Tegula rugata (A. Gould, 1861)

六百介品
江戸時代に作られた彩色図譜。600種ほどの貝類を漢名、和名で紹介したもの。著者不明。
地方名・市場名

概要

生息域

海水生。北海道南部〜九州。
潮間帯から水深20メートルの岩礁域。

生態

海藻などを食べている。

基本情報

磯の小型の巻き貝としては代表的なもののひとつ。
あまり流通状の価値はなく、まだまだ食用としての認知度は高くない。
地域などで細々と食べられているもので、希に流通にのる。

「しったか(バテイラ)」が磯から姿を消すと次に目につくのは本種である。地方によっては「にーな」「たま」などと呼ばれて親しまれている。ヘソアキクボガイは市場で希に見る事があるが、本種はほとんど見かけない。
これより以下、本種、コシダカガンガラ、ヒメクボガイ、ヘソアキクボガイは非常に紛らわしい。

見分け方 裏返すとヘソ穴が閉じている。裏側に輪を作る隆起した縞(螺肋)がある。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は少ない。やや高値。
漁法 採取
産地 徳島県、千葉県

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもの。

味わい

旬は春
貝殻が厚く割れない。身は取り出しやすい。
ワタに苦みがあり、足には甘みがある。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

調理法
塩ゆで、煮貝

煮貝 関東では「お通し(突き出し)」に煮た小型の巻き貝を出すことが多い。その場合には塩ゆでではなく、しょうゆであっさりと煮る。
塩ゆで 水に塩を加え、クボガイを入れて火をつけて煮たもの。しょうゆ、酒で味つけしてもおいしい。完全に火を通さないと抜けにくい。

好んで食べる地域・名物料理

日本全国の海辺で食べられている。また磯遊びの主役のひとつ。

になみそ クボガイ(ニナ)、クマノコガイ(ツベタカ)、イシダタミ(シュウトメニナ)、イソニナ、スガイ(ニゴザ)、レイシ(ニシ)などの磯の巻き貝をゆでて身を取り出し、ひしお(しょうゆのみ)で煮たもの。愛媛県伊方町で作られている。[次郎長寿司 愛媛県八幡浜]
磯もんの酢みそ和え ゆでて身を取り出し、新玉ねぎのスライスと合わせて、酢みそと和えたもの。玉ねぎではなくねぎを使うことも多い。穏やかな味の麦みそが磯の風味と合う。[徳島県海部郡海陽町宍喰・竹ヶ島]
くろめの塩ゆで 徳島県海部郡海陽町宍喰町では「くろめの塩ゆで」を作るときにお茶の葉を入れて煮る。

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

ボウズマメ
参考林市兵衛さん 場所三重県志摩市波切 
ナミノコ
参考聞取 場所神奈川県小田原市 
アカミナ
場所宮崎県日南市 
イソモン[磯もの・磯もん]
備考クマノコガイ、ヒメクボガイなど他の磯の巻き貝とともに。 場所徳島県海部郡海陽町宍喰・竹ヶ島 
クロイソメ
場所三重県熊野市 
クロメ
場所徳島県海部郡海陽町宍喰町 
シタタメ
場所石川県珠洲市 
シタダミ
場所石川県七尾市 
ニナ
場所島根県益田市、愛媛県伊方町 
イソツブ イシナゴ イソダマ[磯玉] イソツブ イソビナ イソモノ イソモン ウミツブ エビスガイ オーミーナ オカミナ オケミナ オソイソ オトコシタダミ ガッパナ カネダマ ガンガラ キーラメ キタナミ クソツブ グチョミナ グッチョミナ クロダマ[黒玉] クロニナ クロベ クロマギ クロミナ コウダカ シタダミ アオミナ アカニナ アカミナ アサリ イイッコ
参考文献より。