オキアジ

オキアジの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
SL 40cm前後になる。側線の後半に強い稜鱗(ぜんご)がある。胸鰭起部前方に無鱗域があり、下に鱗のある部分があって、その下胸部にまた無鱗域がある(胸鰭から鰓蓋骨下の無鱗域は2つに分断される)。側線は直線部分が長く曲線部分が短い。直線部分から曲線になる境真上から前方の軟条は12、インドオキアジは15。曲線部分は幼魚期から若魚にかけて暗色の横縞があり、背鰭、尻鰭が長い。[成魚]
SL 40cm前後になる。側線の後半に強い稜鱗(ぜんご)がある。胸鰭起部前方に無鱗域があり、下に鱗のある部分があって、その下胸部にまた無鱗域がある(胸鰭から鰓蓋骨下の無鱗域は2つに分断される)。側線は直線部分が長く曲線部分が短い。直線部分から曲線になる境真上から前方の軟条は12、インドオキアジは15。曲線部分は幼魚期から若魚にかけて暗色の横縞があり、背鰭、尻鰭が長い。[成魚]
SL 40cm前後になる。側線の後半に強い稜鱗(ぜんご)がある。胸鰭起部前方に無鱗域があり、下に鱗のある部分があって、その下胸部にまた無鱗域がある(胸鰭から鰓蓋骨下の無鱗域は2つに分断される)。側線は直線部分が長く曲線部分が短い。直線部分から曲線になる境真上から前方の軟条は12、インドオキアジは15。曲線部分は幼魚期から若魚にかけて暗色の横縞があり、背鰭、尻鰭が長い。[SL 26cm]
SL 40cm前後になる。側線の後半に強い稜鱗(ぜんご)がある。胸鰭起部前方に無鱗域があり、下に鱗のある部分があって、その下胸部にまた無鱗域がある(胸鰭から鰓蓋骨下の無鱗域は2つに分断される)。側線は直線部分が長く曲線部分が短い。直線部分から曲線になる境真上から前方の軟条は12、インドオキアジは15。曲線部分は幼魚期から若魚にかけて暗色の横縞があり、背鰭、尻鰭が長い。[22cm]
SL 40cm前後になる。側線の後半に強い稜鱗(ぜんご)がある。胸鰭起部前方に無鱗域があり、下に鱗のある部分があって、その下胸部にまた無鱗域がある(胸鰭から鰓蓋骨下の無鱗域は2つに分断される)。側線は直線部分が長く曲線部分が短い。直線部分から曲線になる境真上から前方の軟条は12、インドオキアジは15。曲線部分は幼魚期から若魚にかけて暗色の横縞があり、背鰭、尻鰭が長い。[11cm]
胸鰭起部前方に無鱗域があり、下に鱗のある部分があって、その下胸部にまた無鱗域がある(胸鰭から鰓蓋骨下の無鱗域は2つに分断される)。
稜鱗(ぜんご)は強い。インドオキアジとの違いは、側線の直線部分が長く曲線部分が短い。直線部分から曲線になる境真上から前方の軟条は12、インドオキアジは15。
舌と口蓋上部・下部は白く左右・奥は黒い。

全関連コラム

珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は普通)
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科オキアジ属
外国名
Whitetongue jack
学名
Uraspis helvola (Forster, 1775)
漢字・学名由来

漢字 沖鰺 Okiaji
由来・語源 どの地方の呼び名かは不明。マアジが比較的岸近くにもいるのに対して沖合でしか見かけないため。
〈アヂ科アヂ亞科カイワリ属オキアヂ亞属オキアヂ〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)

地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。沖合の底周辺。
伊豆〜小笠原諸島、青森県〜[宮城県気仙沼]〜九州南岸の大平洋沿岸、青森県〜[山形県鼠ヶ関]、[富山県黒部]〜九州南岸の日本海・東シナ海、[瀬戸内海兵庫県明石市]、沖縄那覇、石垣島、南大東島。瀬戸内海には希。
千島列島南部の太平洋沿岸、朝鮮半島、済州島、台湾、紅海、アラビア海、オマーン沖、スリランカ、ハワイ諸島、アセンション島、セントヘレナ島。

生態

■ 産卵期は3月〜8月。
■ 盛漁期は秋。
■ 1歳で平均22センチ、2歳で平均27センチ。

内臓に泥(どろ) 静岡県沼津市などで、「どろあじ」というのは、泥の多い海底付近にいて、泥と一緒に餌を飲み込んでいるためだと思う。泥と一緒にエビなどが出てくる。

基本情報

生息域は北海道まで広がっているが、水揚げがあるのは関東以西ではないかと思っている。定置網などに入る魚だが、量的に少なく、まとまって揚がる時季もない。
もともとは漁獲量が少なく産地周辺だけで流通することが多かったが、漁業全体の水揚げが減り、味が非常にいいこともあって関東の豊洲などでも値を上げている。近年、大型は高級である。
小型のときは水分が多いが大型になると非常に味がよくなる。
珍魚度 珍しい魚ではない。本州以南の漁港ではしばしば見かけるが、1個体か2個体ということが多く、意外に手に入れることが難しい。九州四国などではときどきまとまってとれることがあるが、それは希なこと。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は非常に少ない。大型は高級魚。
漁法 定置網、釣り
産地 熊本県、静岡県、神奈川県など

選び方・食べ方・その他

選び方

触って張りのあるもの、鰓が赤いもの。

味わい

旬は秋から冬だと思っているが、年間を通じて安定的に味がいい。
稜鱗(ぜんご)は強いものの硬い棘などがなく下ろしやすい。皮は普通で焼霜にもなる。鱗は小さく鱗引きなどでは取りにくい。金たわしなどで取る。皮は比較的厚みがあって強い。
白身でマナガツオやハガツオに似た色合いである。熱を通しても硬く締まらない。

身色 透明感のある白身だが白濁するのが早い。熱を通しても硬く締まることがなく、全体に甘味がある。非常に上質の白身だと考える。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

オキアジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、タルタル風、セビチェ、なめろう、たたき)、煮る(煮つけ、鍋)、焼く(みそ漬け、幽庵焼き、塩焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)、汁(潮汁、みそ汁)、ソテー(ムニエル、フライパン照焼)
オキアジの焼霜造 科が違ってはいるがマナガツオやサワラと同じように皮に味がある。あぶると香りが立つので、焼霜造りにすることも多い。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。写真は大型だったので背と腹に分けた。皮目をあぶって氷水に落とし、水分を皮を破かないように慎重にきる。少し皮目を落ち着かせてから刺身状に切る。皮目のうま味が際立つ。そこに素直な身の甘さが加わると最強クラスの味わいとなる。

オキアジの刺身(背) 水洗いして三枚に下ろし、腹骨を取り、血合い骨を切り放す。ここでは背の部分を刺身にする。脂がのっていると、すぐに白濁するのが難点だが、血合いは弱く、見た目にも美しい。背の部分は端正な味わいで、適度な甘味とうま味があってとても美味。
オキアジの刺身(腹身) 水洗いして三枚に下ろす。腹骨を取り、血合い骨をとって背と腹に分ける。皮を引いて刺身に。腹の身は食感があって、脂も背よりもある。ほどよいうま味・甘味の暴れている感があって味の余韻に浸れる。
オキアジのタルタル風 細かく切った身に完熟のミニトマト、わさび菜合わせてバルサミコ、フュメドポワソンのソースで和えたもの。セミヨンやリースリング種を使った比較的甘口の白ワインや若い赤ワインと相性がいい。
オキアジのたたき(あぶり) 水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、水分をよく拭き取る。皮目をあぶる。熱いうちに刺身状に切り、手に塩と柑橘酢をつけてとんとんと馴染ませる。皮と皮下が非常にうまい。身にも脂があり、とろける感があるのが魅力。夏の香辛野菜をたっぷり添えて。
オキアジの兜煮 溜まり醤油を使ってこくのある煮つけにした。見た目は黒いが煮染めていないので、味はあっさりである。水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しして表面のぬめり、鱗などを流す。これを酒・みりん・砂糖・濃口醤油・溜まり醤油で煮る。煮汁が半量程度になったら出来上がりだが、箸で身をほぐすと中は白い。煮汁をからめながら食べる。
オキアジの煮つけ 二枚に下ろして骨付きの方を二等分して湯をくぐらせる。冷水の落としてあら熱をとり、酒としょうゆで煮上げたもの。甘味を使わない煮つけ方なのでしょうゆは控えめにして、酒を多く使う。煮ても硬く締まらず、身がとてもあまみがあって非常に酒などに合う。ご飯に合わせたい場合にはみりん、砂糖などの甘味をプラスするといい。
オキアジの割り下鍋 味がついた汁で煮ながら食べる。野菜やコンニャク、しらたき、豆腐などを一緒に食べる。水洗いして適当に切る。割り下(酒・みりん・醤油)と昆布だしを湧かして煮ながら食べる。オキアジの切り身自体に味があり、とてもうま味豊かなだしが味わえる。煮汁と一緒に食べるが、もの足りなければポン酢で食べてもいい。
オキアジのホワイトソース煮 こんがりソテーしたオキアジの切り身をホワイトソースで煮込んだもの。ホワイトソースは牛乳、バター、小麦粉で作る。にんにく風味をつけたオリーブオイルでオキアジの切り身と玉ねぎなどをソテーする。こんがり焦げ目がついたらゆるめに作ったホワイトソースを加えて煮込む。ホワイトソースが硬いときは牛乳を加える。
オキアジの塩焼き 皮付きのまま塩をして1時間以上焼き上げる。皮目は黒く見た目は悪いが独特の好ましい風味があり、身は軟らかくてしっとりして甘みがある。淡泊で上品な味わいで、食べやすい。単にこのまま食べてもいいし、モルトビネガーやオリーブオイルをかけて食べてもおいしい。
オキアジの西京漬け(みそ漬け) 身は軟らかく淡泊で上品な味。少しもの足りなく感じる向きもありそう。これをみそで補う。白みそとみりんを合わせた地につけ込んで一日以上置く。これを焼き上げたもの。漬け魚にしても硬く締まらず実に美味。
オキアジの幽庵焼き(祐庵焼き) 三枚に下ろして適宜に切る。これを酒、みりん、しょうゆを同量合わせた地に1日以上漬け込んで焼いたもの。柚子の風味をつけてもいい。身がほどよく締まり、ほんのり甘味があってとてもおいしい。
オキアジのフライ 三枚に下ろして血合い骨を取り去り、塩コショウする。小麦粉をまぶして卵黄にくぐらせてパン粉をまぶしてじっくりと揚げる。かりっと香ばしい衣の中にはとても豊潤で甘味の豊かな身があり、実に味わい深い。
オキアジの唐揚げ 比較的骨の柔らかいアジ科の魚の中でも、もっとも骨が柔らかい。水洗いして骨つきの片身を揚げやすい大きさに切り、水分をよくきる。片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。身はとても柔らかく豊潤。肉汁に独特のうま味が感じられる。中骨などすべてが食べられる。
オキアジのムニエル 三枚に下ろして皮を引き、塩コショウする。好みでアニスシード、ガラムマサラを使ってもいい。小麦粉をまぶして多めの油でソテーする。仕上げにバターと香りのある野菜でソースを作る。ソテーしても軟らかく豊潤でとても味がいい。
オキアジのみそ汁 オキアジのあらを湯通しして、冷水に落として小さな鱗や血液、内臓などを取り去る。これを水(昆布だしでもいい)から煮出してみそを溶く。ねぎやニラを加えて出来上がり。これをおかずにしてご飯を食べるとついつい食べ過ぎてしまう。
オキアジの潮汁 頭部やあら、胃袋や肝などを集めて湯通しし、冷水に落として滑りや細かい鱗などを取り去る。これを昆布だし(水でも可)で煮だして酒、塩で味つけしたもの。とても滋味豊かで味わい深い汁を楽しめる。当然、あらについた身も甘みがあってとてもおいしい。すだちなどの柑橘系、黒コショウなどを香りづけにするといい。

好んで食べる地域・名物料理


加工品・名産品

釣り情報

相模湾などでは幼魚がマアジのサビキ仕掛けなどによくかかる。

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

パンアジ
参考林市兵衛さん 場所三重県志摩市大王町 
ドロメッキ
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県湯浅 
メッキノメン メッキノオバサン
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺 
モクサン
備考海藻(もく)につくためとも。 参考20190807 場所神奈川県二宮町・小田原市 
バカ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県土佐清水・以布利・室戸市推名 
マナガツオ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県土佐清水・窪津・以布利・宇佐・手結・高知市横浜 
アスナロ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県大月町古満目 
メッキ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県室戸岬 
メッキン
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県室戸市三津 
バケラ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県宿毛市田ノ浦 
オキバカ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県東洋町甲浦 
クロウオ
参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 場所高知県高岡 
コゼン
場所鹿児島県屋久島 
ウシバケラ[牛バケラ]
場所高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協 
ギンテツ
場所長崎県平戸・五島 
クロカマチ
場所鹿児島県南さつま市笠沙 
ダイコク
場所徳島県徳島市漁業協同組合、高知県高岡 
ダイコクメッキ
場所徳島県海部郡美波町日和佐 
ドロアジ[泥鰺]
備考見た目ではなく、内臓に泥があるためではないかと考えている。 場所静岡県沼津市 
モクアジ
備考海藻(もく)につくためとも。 場所神奈川県小田原・真鶴 
ヨシデン
場所三重県尾鷲市 
ヒンガソジ ボウゼ マナガタ モウセ モウゼ
参考文献