オオバウチワエビ

オオバウチワエビの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
全長20cm前後になる。とても平たく、周辺の鋸上の棘はウチワエビよりも少なく、切れ込みが深い。
全長20cm前後になる。とても平たく、周辺の鋸上の棘はウチワエビよりも少なく、切れ込みが深い。
全長20cm前後になる。とても平たく、周辺の鋸上の棘はウチワエビよりも少なく、切れ込みが深い。
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目イセエビ下目セミエビ科ウチワエビ属
外国名
英名/ Large-toothed sand cryfish, Flathead lobster, Slipper lobster、Sand crayfish
学名
Ibacuc novemdentatus Gibbes,1850
漢字・学名由来

漢字 大歯団扇蝦、大歯団扇海老。
由来・語源 縁取りする鋸状(のこぎりじょう)の棘(とげ)が大きいウチワエビ。

地方名・市場名
クツエビ
場所和歌山県和歌山市雑賀崎 
シラミ
場所島根県浜田市、山口県下関市 
パチエビ
場所宮崎県日南市油津 

概要

生息域

海水生。水深50メートルから100メートルの砂泥地に棲息。
駿河湾以南、山陰沿岸。香港、アフリカ東岸。

生態

抱卵期10〜2月。

基本情報

浅い海域にいるもので、ウチワエビよりもやや温かい海域を好むようだ。ウチワエビと区別されないで扱われ、いわゆる市場などで流通する「ウチワエビ」が2種だということに気づかない人も多い。産地でも両種は厳密に区別されないのではないか、と思われる。
もともとは産地周辺で食べられているローカルなものであったが、全国的に味のよさが知られるようになり、関東の市場でも値を上げている。現在のところ輸入ものは見ていない。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は少ない方だが、珍しいエビではない。値段はやや高値。
漁法 底曳き網、刺し網
産地

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもの。持って重みを感じるもの。

味わい

旬は晩秋から初夏だと思う
殻はあまり硬くない。
非常に身が充実しており、ほどよく繊維質。
臭みのある固体は現在、出合っていない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

オオバウチワエビの料理法・調理法・食べ方/汁(みそ汁)、煮る(塩ゆで、しょうゆ煮)、焼く(素焼き)、生食(刺身、あぶり)
オオバウチワエビのみそ汁 原則的に生きているものを使う。買い求めてきたら軽く流水で洗う。これを適当に切り、水から煮出してみそをとくだけ。できるだけ余計なことはやらないほうがいい。エビの直な香りが苦手な人は酒を入れてもいい。実に濃厚でうま味豊かな汁になる。刺身などにした殻などだけでも十分うま味のある汁になる。

オオバウチワエビの塩ゆで いちばん単純な料理法。本種の持ち味が出る。流水などで表面の汚れなどを洗い落とす。水分をよく切り、ゆであげる。10分前後ゆでているが、目安はワタが固まるかどうかだ。できれば手で大胆に食べるといい。エビの香り、甘味が楽しめる。
オオバウチワエビの具足煮 味わいは基本的にイセエビに近い。より身が締まっており、甘味も強いくらいだと思う。水洗いして適当に切り、しょうゆ・酒・みりんの味つけで短時間で煮上げる。身の甘さとしょうゆ、みりんの甘さがあいまってとても味わい深い。万人が好きな味だと思う。
焼きオオバウチワエビ 水洗いして表面の水分をよく拭き取る。これをできるだけ強火で短時間焼き上げたもの。半割にすると身が突出してくる、殻を外しやすいのもいい。エビの香りは深まり、甘味もゆでたもの以上。ワタも強い味ながらうまい。
オオバウチワエビのあぶり 水洗いして包丁を頭部に差し入れて身を外す。ていねいに殻から外して表面をあぶって刺身状に切ったもの。完全な生で食べても甘味があってうまいが、炙るとより甘味がまし、エビらしい香りも楽しめる。

好んで食べる地域・名物料理

焼きえび そのまま焼き上げたもの。エビの香ばしさが無類。山口県など
刺身 独特の方法で殻を剥き、素早く刺身にしたもの。氷水でしめるという人もいる。島根県、山口県、徳島県など産地で。

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど