エツ
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郷土料理
筑後川のエツ漁郷土料理
福岡県大川市、エツの洗い
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
沿岸域・汽水域・淡水域。
有明海とそれにそそぐ川。
生態
産卵期は5月〜8月。
筑後川の河口から上流16キロ〜26キロに遡上し産卵が行われる。
卵はばらばらになり表層に浮遊し、孵化する。
稚魚は10月頃まで河川にとどまり、5センチ前後になり海水域に移動する。
エサは動物性プランクトン。
1年で18センチ、2年で26センチ、3年で32センチになる。
基本情報
国内では有明海特産魚で、大陸系魚類が日本列島に取り残されたもののひとつ。古くは中国、朝鮮などにいるCoilia mystus (Linnaeus, 1758)、またエツの「シノニムとなったCoilia ectenes Jordan & Seale, 1905→Coilia nasus Temminck & Schlegel, 1846で、大陸種との混同があった。
ほとんど筑後川だけで産卵するもので資源的に不安定。絶滅しないように管理しながら漁獲し、有明海奥部の環境保全も大切だと思う。
もっとも有明海を思わせる魚。漁を見ながらエツ料理を楽しむ「えつ船」など観光資源としても重要。
水産基本情報
漁法 刺し網、あんこう網、建網
産地 佐賀県、福岡県、長崎県、熊本県
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りのあるもの。銀色の輝きのあるもの。
味わい
鱗はとれやすい。非常に小骨が多いので原則的に骨切りして調理する。中骨もあまり硬くない。刺身にするときも薄く切り落とす。
白身で味は淡泊。旬には脂がのっている。
また当歳魚の「えつ子」は骨が弱く、そのまま調理できる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
有明海周辺。
エツ料理 福岡県大川市・久留米市、佐賀県佐賀市。5月〜7月にかけて産卵のために筑後川に遡上するエツを刺し網で取り、料理する。漁を見学しながらエツ料理を楽しめる、エツ船もある。
エツ唐揚げ 佐賀県鹿島市。
加工品・名産品
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釣り情報
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歴史・ことわざなど
■ シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold 1796年〜1866年)がオランダに持ち帰り、テミングとシュレーゲルによって1846年、新種として発表されて。
■ 中国大陸に近縁種のマエツ(Coilia mystus (Linnaeus, 1758))、チョウセンエツ(Coilia ectenes 後にエツのシノニムに)がいる。
■ 晩春から初夏にかけての筑後川の風物詩・エツ漁は5月1日〜7月20日(2011年現在)行われる。漁を遊覧船から見物、エツ料理を楽しむことが出来る。
■ 「えつ大師」 : 福岡県久留米市青木島に「エツ大師堂」がある。