アサバガレイ

アサバガレイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
40cm SL 前後になる。体高は体長の2分の1で体高が高い(幅が広い)個体が多い。有眼部は茶色の個体が多いが、黒っぽい個体もいる。無眼部(裏側)は白い。口は非常に小さい。眼と眼の間から、頬部の鱗は突起のある鱗と円鱗、櫛鱗(棘がある鱗)が混ざる上枝鰓耙数は3以下(写真のものはすべて2)。背鰭・尻鰭の有眼部・無眼部に褐色の帯がない。[茶色い個体・根室産 27cm SL・509g]
40cm SL 前後になる。体高は体長の2分の1で体高が高い(幅が広い)個体が多い。有眼部は茶色の個体が多いが、黒っぽい個体もいる。無眼部(裏側)は白い。口は非常に小さい。眼と眼の間から、頬部の鱗は突起のある鱗と円鱗、櫛鱗(棘がある鱗)が混ざる上枝鰓耙数は3以下(写真のものはすべて2)。背鰭・尻鰭の有眼部・無眼部に褐色の帯がない。[茶色い個体・根室産 27cm SL・509g]
40cm SL 前後になる。体高は体長の2分の1で体高が高い(幅が広い)個体が多い。有眼部は茶色の個体が多いが、黒っぽい個体もいる。無眼部(裏側)は白い。口は非常に小さい。眼と眼の間から、頬部の鱗は突起のある鱗と円鱗、櫛鱗(棘がある鱗)が混ざる上枝鰓耙数は3以下(写真のものはすべて2)。背鰭・尻鰭の有眼部・無眼部に褐色の帯がない。[茶色い個体]
40cm SL 前後になる。体高は体長の2分の1で体高が高い(幅が広い)個体が多い。有眼部は茶色の個体が多いが、黒っぽい個体もいる。無眼部(裏側)は白い。口は非常に小さい。眼と眼の間から、頬部の鱗は突起のある鱗と円鱗、櫛鱗(棘がある鱗)が混ざる上枝鰓耙数は3以下(写真のものはすべて2)。背鰭・尻鰭の有眼部・無眼部に褐色の帯がない。[黒ずんだ個体・根室産]
眼と眼の間から、頬部の鱗は突起のある鱗と円鱗、櫛鱗(棘がある鱗)が混ざる。
上枝鰓耙数は3以下(写真のものはすべて2)。
口は非常に小さい。有眼部頭部の鱗は硬く、低いが棘状になっているものもある。鰓孔上端は胸鰭基部上端より上。
珍魚度・珍しさ★★
少し努力すれば手に入る
魚貝の物知り度 ★★
これは常識
食べ物としての重要度 ★★★★
重要
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜科カレイ科シュムシュガレイ属
外国名
Dusky sole
学名
Lepidopsetta mochigarei Snyder, 1911
漢字・学名由来

漢字 浅場鰈、浅羽鰈 Asabagarei
由来・語源 比較的低い海水温の浅い海域にいるためだと思われる。
■物類称呼に〈江戸にて云霜月びらめを 越後の糸魚川にて○あさばとなづく〉など。
■田中茂穂は〈東京でアサバ、北海道稚内方面でロスケガレイと云う〉と記している。北海道の各地、福島県小名浜でも「あさば」なのでこの呼び名は産地での呼び名が消費地で使われた例。
■学名「mochigarei」は田中茂穂も関わっている種小名。標準和名にモチガレイを提唱されたこともある。

Snyder
ジョン・オターバイン・スナイダー(1867-1943 アメリカ) 魚類学者。スタンフォード大学の魚類学教授。『日本魚類目録(A catalogue of the fishes of Japan)』を田中茂穂、David Starr Jordanとともに作る。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。水深50-100mの砂泥地。
北海道全沿岸、青森県〜福島県の太平洋沿岸、青森県〜富山県までの日本海沿岸、若狭湾、兵庫県香住。
朝鮮半島東岸中部〜沿海州の日本海沿岸、千島列島、オホーツク海南部。

生態

産卵期は12月〜6月。北に行くほど遅い。
1年で6センチ、2年で14センチ、3年で18センチ、4年で22センチ、5年で25センチ。
雌の最大体長は40センチ。

基本情報

福島県・富山県以北、オホーツク海に生息する。春から初夏に北海道から大量に入荷してきて、安い。また、ときに冷凍加工される。スーパーなどで「アメリカ産アサバガレイ」とあるのは近縁種のシュムシュガレイか本種なのかは不明。どうやら「アサバガレイ」という言語が北の安いカレイという意味合いで使われているようだ。
量の盛期である春から初夏、東京など関東では流通の場でも小売店でも見かける機会が増える。
珍魚度 至って普通の食用魚。春から初夏にかけて手に入れやすい。

水産基本情報

市場での評価 入荷量は多く、鮮魚、ヘッドレス、冷凍などと多彩。子持ガレイとして売られていることが多い。値段は安めで安定している。
漁法 底曳き網、刺し網
産地 アメリカ、北海道

選び方・食べ方・その他

選び方

ヘッドレス、鮮魚とも触って硬いもの。卵巣がとけだしていないもの。

味わい

旬は晩秋から初夏。
鱗が小さく薄く取りやすい。皮はしっかりしている。骨は柔らかい。
さらしたような白身で水分が多く、クセがない代わりにうま味も少ない。
熱を通しても身は硬く締まらない。骨などからいいだしが出る。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

アサバガレイの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、ソテー(バター焼き、ムニエル)、焼く(塩焼き)、揚げる(天ぷら、フライ)
アサバガレイの煮つけ(子持ちがれいの煮つけ) 考えてみると、珍しい魚はだれでも調べられるが、普通の魚は非常に調べるのが難しい。食堂でカレイの煮つけを食べると、種類を聞くと、かなりの確立でアサバガレイなのだ。関東では明らかに基本的な煮つけ用のカレイである。
家庭で作る場合は丸のままを買って来て下ろしてもいいが、ドレスやフィレでもで売られているので、そちらの方が簡単かも。適当に切って湯通し、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを野菜と一緒に酒・砂糖・醤油・水で煮つける。写真は酒・砂糖・たまり醤油・濃口醤油の味つけで、ごぼう、鴨なすと一緒におかずとして煮た。甘っ辛くてご飯がすすむ。

アサバガレイのフライ 水洗いして五枚に下ろす。皮を引いて水分をよくきる。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて短時間高温で揚げる。くせのない白身で柔らかい。魚自体に味はないもののフライ材料としては優れている。美味。
アサバガレイの天ぷら 水洗いして五枚下ろしにする。白い方、無眼部を使う。切り身にして振り塩をする。少し寝かせて表面に出て来た水分をよく拭き取る。隠し味で少量のカレー粉をふり、小麦粉をつけ、衣をまとわせて強火で短時間揚げる。表面はさくっとして中は豊潤、嫌みのない味だ。
アサバガレイの唐揚げ 切身を買って来て、表面の水分をていねいに取る。ラップをしないで半日、冷蔵庫に入れてもいい。揚げやすいように切れ目を入れて、片栗粉をまぶして、じっくりと二度揚げにする。揚げたてに塩コショウ(カイエンヌペッパーやヒバーツなどでもいい)を振る。表面はさくっと香ばしく、中はしっとりと甘みがある。
アサバガレイのムニエル 水洗いして前後2つに着る。切り身はそのままを使う。できれば頭部に近い方ではなく尾に近い薄い方がやりやすい。塩コショウして小麦粉をまぶして多めの油でじっくりとソテー、仕上げにバターで風味づけする。水分が多くうま味が少ないところをバターなどがカバーしてくれる。醤油をたらすとご飯に合う。
アサバガレイの塩焼き ドレスを適当に切り、塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げ、グリルの火を消す。再度火をつけて焼き上げる。こうすると真子にも火が通る。単に塩焼きにすると微かに冷凍臭みや、鮮度落ちの臭みがあることがあるので、仕上げに酒かみりんを縫って仕上げる。
アサバガレイの刺身 鮮度がいいものは関東ではめったに手に入らない。できれば活魚の方がいいのかも。五枚に下ろして皮を引くと、実に身色がきれいだ。ただしそれほどうま味・甘味が豊かではない。本当の味は産地に行って調べるべきか。

好んで食べる地域・名物料理


焼きがれい煮つけ 「焼きがれい」は宮城県などで作られ、主に東北地方で食べられている。これは「焼きがれい」を甘辛く煮つけたもの。山間部では鮮魚よりも、焼きがれいを使う方が一般的だった。[岩手県葛巻町、福島県会津若松市など]

加工品・名産品


焼きガレイ 本来は宮城県などの浜で揚がったものを素焼きにしたものだったが、最近では比較的安い輸入もののアサバガレイを使うことが多い。宮城県、岩手県、山形県などではこれを甘辛く煮る。[丸九遠藤商店 宮城県塩竃市]
アサバガレイのドレス ラウンドは丸のまま、セミドレスは内臓だけを除去、ドレスは頭と内臓を除去したものだが、アサバガレイは子持ちでの入荷が多く、特種なドレスといったところか?
アサバガレイの冷凍切り身 アメリカなどから輸入されたもので卵巣を残して切り身にして冷凍流通する。食堂や給食などで利用されるが昨今は高価なものとなっている。
アサバガレイの煮つけ 意外にたくさんの種類の製品が出ている。レトルト食品で、温めるだけで食べられる。さすがに料理したものと比べると落ちるが、便利だし、そこそこ食べられる。

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

コモリモチガレイ
備考子守餅鰈? 抱卵したモチガレイという意味かも。 場所一般 
アサバ アサバガレイ
場所北海道小樽、福島県小名浜、東京都 
ロスケガレイ
場所北海道稚内 
ウチワガレイ
場所宮城県 
ダルマガレイ
場所宮城県仙台 
オキクチコホソガレイ オキクチホソ オクキチボソ
場所山形県 
ババガレイ ハバガレイ オタフクガレイ
場所新潟 
セベレガレイ セバタガレイ
場所新潟県 
ウスアサバ
場所新潟県新潟 
バシウ(バシュ)
場所新潟県新潟市 
イサミガレイ イサミ
場所新潟県越後地方・佐渡 
ウスガレイ
場所青森県青森 
ダイショウジ ダイショジョ ダイジョウジ
場所北海道小樽 
ブタガレイ
参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社) 場所北海道 胆振(いぶり) 
カナベラ
場所山形県鶴岡市由良漁港 
フチアサバ
参考文献より。 場所新潟