第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
百十二巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
ぼうずコンニャクと庶民的寿司屋「市場寿司 たか」が目指すは千かんの寿司。

どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。●魚の生食に関しては寄生虫などの危険をともないます。食べるときには自己責任にて
寿司図鑑 千 目次へ!
索引へ
隠岐諸島の寿司種特集
 隠岐の島を知ってますか? どの県にあるかわかりますか? 地理としては、非常に初歩的なもので小学校で習う程度のもの。ところがこれがなかなか大人には難しいようで、「島根県」とすぐに答えられた人はほとんどいなかった。
 
最近では海外旅行が4、5万円くらいで行けるようになったのに、隠岐へ渡るのには関東からだと、旅行代金が7万円以上もかかるのだという。これは明らかに公共事業で暴利をむさぼってきたツケが一般庶民にのしかかってきているわけで、不愉快であるが、現実に国内なのに遠く、お高いものとなってしまっている。これじゃハワイはよく行くのに、隠岐は行ったことも、行く可能性もないと言われてもどうしようもない。
 実際に行けば、その美しさ、海山の幸の豊富さから誰だって、感動できる島である。世界に誇れる美しい海、自然。その日本海に浮かぶ、隠岐の魚貝類だけで1ページを作成する。
春香/イワガキ 2008年3月23日 551
 隠岐産養殖イワガキの味わいは関東での銚子産などとは別物だな、と食べるたびに思う。なにしろ味わいがあっさりして、しっかりとした食感があり、後味が残らない。じゃあ、味気ないかというと、そんなわけではなく、イワガキの濃厚な旨味はちゃんと堪能できる。「でもやっぱり銚子産の濃厚さには負けるね」と知り合いの寿司職人は言う。たかさんも「あの濃厚なのを期待しているわけだろ。ちょっともの足りないかな」。そこに持ってきたのが隠岐海士町CASで冷凍したイワガキである。これは隠岐のイワガキがいちばんうまい時期に、瞬間冷凍したもの。たかさんが剥いて、軍艦4つに仕立てる。最初にうなり声をあげたのは、たかさん、「これ冷凍物だよね。確かに身は死んでいるけど、生よりも味が濃いし、その割に後味がいいね。寿司飯との相性もバッチリだよ」。冷凍物を解凍して食べているわけだから、「冷凍もの」だと思うのであって、ただ目の前に出されたら、生きているのを剥いて、すぐに軍艦に仕立てたように思える。うまい!
市場魚貝類図鑑のイワガキへ!
ふるさと海士 島風便
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ゆで栄螺/サザエ 2008年3月30日 552
 隠岐西ノ島から島後に渡るまで少し時間がある。地元のオキタカ君が「亀沢鮮魚店見ていきませんか」という。慌ただしく、小走りで行き着いたのが、目立たない小さな魚屋さんである。中にはいると鮮魚はほとんどない。時期的に鮮魚が少ないのだろう、 少々がっかりして、なにげなく冷凍ケースを見ると、面白いものがわんさかある。「このサザエうまいんですよ」とオキタカ君が出してきたのがボイルサザエの冷凍パック。ものすごい量のサザエが真空パックされている。値段を聞くと「1365円だね」。ここでついついゆでた身を数えるが、とても数え切れない。きっと貝殻つきなら1キロ以上ある。このゆでたサザエが非常にうまい。これをたかさんに食べてもらうと「うまいうまい」と夢中になっている。「ちゃんと握りなさいよ」と出てきたのが、これまた絶品である。とにかく柔らかく、甘味があって、貝独特の風味が生きている。ちなみに、たかさんはサザエの生の握りが嫌いなのだ。でも「これは握りのネタとして最高だよ」とべた惚れとなる。
市場魚貝類図鑑のサザエへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
岩のり 2008年4月5日 553
 全国各地に岩のりと呼ばれるものがあって、その原料となる「のり」も違っているようだ。今回のものは隠岐西ノ島で手摘みしたもので漁師さんが自家用に食べているもの。地元のオキタカ君がわざわざ送ってくれた。この隠岐の岩のりがまことに味がいい。口に入れると、アマノリ特有の香りが浮き上がってきて、非常に旨味が強い。うますぎて、ただただ口に放り込んでは旨酒をやりたくなるのを我慢して、たかさんに細巻きにしてもらう。「芯はいらない」というのに無理矢理、カッパを巻いてしまったが、キュウリの青臭く爽やかな味わいと、岩のりの香りがとても合う。そして岩のりの旨味は長く続いて、スサビノリにはない甘さがある。たかさんは「でもやっぱり、このノリはそのまま食った方がうまいね。これはうまいよ」と力説する。ほとんど一枚食べてしまいそう。「おいおいたかさん、貴重なもんだから食べ過ぎないでくれ」。
市場魚貝類図鑑の海藻目次へ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
真蛸/マダコ 2008年4月6日 554
 島根県隠岐島後(隠岐の島町)に久見という小さな村があって、そこに特産物を加工して販売する『久見特産』という小さな会社がある。主に村周辺の魚貝類を使った干物や冷凍食品を作っている。これがなかなか魅力的なものが多い。なかでも優れていたのが冷凍のゆでマダコであった。それはミズダコか、と見まごうほどの太いものでゆで時間も一分ほどという生に近いもの。これを、自然解凍して握りに仕立てる。まずは、とにかく味見して、たかさんが「これはすごいね。タコの風味があるね。なんというのかな、小豆を煮たときのような、というか、もっとうまそうな香り。それが冷凍してあるのにするね。ゆで時間が短いんだろうね。これだけ柔らかいと寿司ネタにもいいね」。このときボクはたかさんの話を積極的に聞いていたわけではない。あまりにタコがうまいので、刺身で堪能し、握りにうなっていたのだ。ちなみに値段的には市場で買い求める国産ダコのボイルよりも安い。
市場魚貝類図鑑のマダコへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
槍烏賊/ヤリイカ 2008年4月13日 555
 隠岐中ノ島でとれたばかりのヤリイカを丸のままCAS冷凍したもの。寿司職人である、たかさんは丸のままの冷凍は使ったことがなく、流水で解凍しながらも首をかしげている。「昔、丸の輸入イカを解凍してたんだけど、ワタの色が身に染みこんでて使えなかったんだ」。解凍はほんの5分とかからない。これを半割にするとたっぷり卵を抱えており、「卵がしっかりしてるね」。卵や耳、ゲソは持ち帰り、食べてみたが、これがうまかった。当然のことのように握りも絶品である。「生と変わらないかもしれないね。むしろ生だとアニキ(前日入荷したもの)なんてあるからね。こっちの方が確実に質がいいかも」。一般的概念だと「鮮魚が優秀だし、冷凍は下手」となるが、近年そのようなわかりやすさがなくなりつつある。ましてや冷凍に強いイカだと、冷凍の方が上物となる日もくるのではないか? 新しい冷凍法であるCASの未来は魚類まで広げると明るくなるだろうな。
市場魚貝類図鑑のヤリイカへ!
ふるさと海士 島風便
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」


関連コンテンツ