第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
百九巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
ぼうずコンニャクと庶民的寿司屋「市場寿司 たか」が目指すは千かんの寿司。

どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。●魚の生食に関しては寄生虫などの危険をともないます。食べるときには自己責任にて
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縁鱈/ヘリダラ 2007年12月24日 537
 静岡県沼津魚市場で目立つものといったら底引き網の魚だろう。それこそ多種多様、多彩な魚が目に飛び込んでくる。中でもいちばん目立つのは赤い魚たち。ユメカサゴにハシキンメ、フウセンキンメと華やかに競り場を染める。逆にいちばん目立たないのがソコダラの仲間だ。ほとんど黒褐色か灰色であり、競り場に重く沈んで見える。そのソコダラで売れるのはトウジンくらいのもので、他のものは見向きもされない。そんな魚のひとつがヘリダラである。細長くて歩留まりが悪いのだけど、実を言うと味がいい。だからボクは捨てられようとすると、拾ってくる。そして刺身、干物、唐揚げなどにして食べているのだ。当然『市場寿司 たか』へも何度も持っていっている。そして、たかさん曰く、「味がいいよね。色合いも悪くないけど、味がさ。確かに飛び抜けてうまいというんじゃないけど、上品で嫌みがない」。ボクはこの上品でのなかに、微かな旨味と甘味が感じられて、後口のいい魚であると付け足して置きたい。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
御簾蛤/ミスハマグリ 2007年12月25日 538
 この国には、とにかく海岸線でも湖でも、護岸はコンクリートで固めてしまえばいい。そんな乱暴者がいて、江戸時代からもっとも親しまれてきた干潟の魚貝類が瀕死の状況におかれている。そのもっとも危険な状況にいるのがハマグリであり、国内に標準和名のハマグリがまだ生きながらえているのか、疑問を投げかける専門家も少なくない。「でもハマグリならスーパーにあったわよ」という、そのハマグリは標準和名のチョウセンハマグリ、もしくは中国からのシナハマグリ、または世界中からきているハマグリの仲間達である。ミスハマグリもそんな一種類。今回のものはベトナムから輸入されたもの。すでにボイルして冷凍されたものだから、薄い地(酒と醤油)で温めて、たかさんに握ってもらう。これがなかなかうまい。たかさんも「味つけが控えめだから、貝独特の旨味が前面に出てるね。軟らかいし、うまいよ」。ボクは複雑な気分となって遠くベトナムから来たハマグリの味に舌鼓を打つ。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
山吹羽太/ヤマブキハタ 2008年1月6日 539
 ハタといったら、色合いの地味な黒みがかって無骨という外見を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。そこへいくとヤマブキハタは派手派手しい、その不細工な顔つきからすると、不似合いな衣をまとっている。だから寿司職人の渡辺隆之さんも「ハタにしちゃー、安っぽいね」なんて感想を漏らしてくれる。「そんなに安いわけじゃないんだよ」と説明してもわかってもらえない。ハタは寿司の種としては異端であって、「あまり使われることがない」。だから、たかさんには近年のハタ類の高騰がわからないのだ。それでも刺身に切って、味わってみると、「やっぱり旨味というか、微かに口に残るくらいの味があるね」。今回はボクのたっての要望で皮目を焼いてから、それを握りに仕立ててもらう。皮を生かすといつも、意見がまっぷたつに分かれる。皮の食感、皮下の旨味、この「曲」が何とも言えぬと思う。だが、たかさん、「寿司飯との相性が台無しだろ」と、さっさと皮なしのを握ってくる。これも旨味が感じられていいのだけど、面白みには欠ける。
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姫小鯛/ヒメコダイ 2008年1月7日 540
 一見、素性のわからない魚というのがあって、ヒメコダイもそのひとつ。最近では「イトヨリダイ天ぷら用」として店頭に並べている魚屋を見たことがある。外見からするとイトヨリダイに近い、ようにも思える。これがまさかハタの仲間だとは誰も気づかないだろう。ハタの仲間は深いところに棲むようになるにしたがい華奢になる。華やかになるとも言えそうだ。当然、寿司職人のたかさんも赤いきれいな小魚としか見当がつかぬままに、「キスのようだね」とか「アマダイに近いか」なんていいながら1匹のヒメコダイで二かんの握りを作り上げる。これを一かんずつ食べた感想が上々だった。「きれいな白身だし、歯触りもいいね。旨味と言うことでは不満が残るけど、これなら握りの一品として使える」。これにはボクも同感。むしろ昆布締め、皮霜造りなどにすれば良かったのかも知れない。これだけではもの足りない。課題が残るということは寿司ネタとしては合格ということだ。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ソコホウボウ 2008年1月12日 541
 静岡県沼津市沼津魚市場では毎朝3時から底引き網の選別が始まる。主に出荷するのはエビ類、カサゴなどであるが、その魚貝類の種の多さは驚嘆すべきもの。その選別が終わりに近づくと、脇に避けてあったカゴに様々なまとまらない魚が入っている。そのなかでもやや大型なので目立つ存在であるのがソコホウボウだ。30センチほどもあるし、カナガシラやホウボウに似ているし、ときには間違って競り落とされたりするが、あまり引き取り手のない魚だ。これを断りを言っていただいてくる。それを東名を飛ばして八王子にある『市場寿司 たか』に持ち込むわけだ。その外見に予定通り驚いてもらって、卸し始めるとやや落胆しているのがわかる。身の色合いが「ちょっと鈍いな」。すなわち透明感にかけて握りにしてきれいじゃない。「味も平凡だろ」、確かにホウボウとは違って旨味に欠けるし、やや軟らかい。底引きでとったというハンデはあっても平凡すぎる味であった。
市場魚貝類図鑑のソコホウボウへ!
●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」


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