第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
百三巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
ぼうずコンニャクと庶民的寿司屋「市場寿司 たか」が目指すは千かんの寿司。

どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。●魚の生食に関しては寄生虫などの危険をともないます。食べるときには自己責任にて
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砧揚巻/キヌタアゲマキ 2007年6月18日 岡山土産
 なんとも雅な和名で、それだけでも惹かれること大なのである。そして身の色合いもうまそう。これがネタケースにあるだけで、心強いのではないだろうか新進の寿司屋にとって。でもこのキヌタアゲマキをとるのは容易ではない。今回のは瀬戸内のアマモ場にあって、陶芸家の武内立爾さんが渾身の力でもって掘り出してくれた。だから幻の寿司ネタと言えそうな代物である。これをササッと茹でて、開き、寿司ネタに切り付ける。キヌタアゲマキも二度めとあって手早いし、仕込みも万全である。それでも、これにツメを塗るかどうかも、たかさん悩みに悩んで、ふたりで食べ比べてツメの塗る塗らないは「好みだね」なんていっぱい食べたのである。味わいは形もそうだがアゲマキに似ていなくもない。でもアゲマキよりもクセがなく、甘味も貝としての旨味もあって、たかさん曰く「上ではないか」という。でもそれはほめすぎだろう。ひょっとしたら、たかさん、助六気取りじゃないでしょうね。
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姫貝/アケガイ 2007年6月23日 511 岡山土産
 アケガイというのは関東の市場にもしばしばやって来ては、目新しいのと色合いが多彩なので、出始めはよく売れる。でも後が続かない、急速に注目度が低下するものなのである。その原因は見た目は立派でも中身がそれに伴わぬ。味、そして身質からしてもアサリなどよりも落ちるせいだろう。また身の赤い色合いも不気味といえば不気味である。倉敷市児島高洲に潮干狩りに行き、陶芸家の武内立爾さん、またヒモマキバイさん、アサリ漁師のきんのり丸さんらが掘り出した、アケガイをささっとゆで上げて貝殻を外して、『市場寿司 たか』に持ち込む。ひとつ、ふたつ、食べてみて、たかさんは「いい味だ」と2、3かん握りに仕立てる。「まあコレぐらいの大きさなら握りになるね。つめや煮きりを塗らなくても味があるし、オレは好きだね」。こういってもらえると倉敷から持ち帰った甲斐があったというもので、ボクも意外に味のいい「姫貝」の握りを2つつまむのだ。
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石貝/オニアサリ 2007年6月29日 岡山土産
 去年5月に三河湾のオニアサリにはがっかりした。だいたい舌にピリピリして、旨味もなく、たかさんなど「もうコリゴリだ」と宣った。そこに児島高洲の「石貝」を持ち込んで、とにもかくにも茹でただけで食べてみて、たかさん、だまって2かん握ってくれたのである。「不思議だね。去年の三河湾だめだったよね。これ食べていると、あれも“たまたままずかった”だけでオニアサリはうまい貝だなって思えてくるよー」。瀬戸内海の美しい潮のなかアマモ生い茂る砂地で、ヒモマキバイさん、武内さんが辛抱強く掘り出してくれたもの。だから「おいしく食べたいものだ」と願ってもいたのが、本当にしみじみいい味だった。こんなうれしいことはないなー。「オレもさ、その高洲へ行ってみたいね」。
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たぬきだべ/ハナツメタ 2007年7月10日 512 岡山土産
 岡山県備前市日生の五味の市というのは今では完全に観光地となってしまって往事の鄙びたよさをうしなっていた。特に残念だったのは奇妙なそして美しさに欠ける建物である。これじゃ旅情も消し飛んでしまう。でも中で売られていたのは間違いなく日生の港であがったばかりの魚貝類。シャコや朱口に小エビ類、この大方が生きている。そのなかでも一際地味なのがハナツメタだった。これはなんという貝ですか? 「たぬきだべ」というのに「たぬき」という貝で「だべ」というのは単に接尾語かと思った。するとどうやらツメタガイを「だべ」と言うのに、ハナツメタを分けて「タヌキの色合いをしたツメタガイ」という意味らしい。この貝がツメタガイの仲間にしては身が柔らかく味がいいのだ。でもまさか「握ってくれっていうの?」。たかさんさんざん考えた挙げ句、軍艦に仕立てる。「別に寿司にすることもないけど、意外にうまいね。この貝自体に甘味とコクがあるってことかい」。「そういうことだな」。
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朱口/メナダ 2007年7月22日 岡山土産
 ボラが冬の魚というのに対してメナダは春から初夏の魚である。産卵期もボラが晩秋から冬なのに対して初夏。またボラは東京湾でも盛んに食べられていたのに、メナダはなんとなく西日本の魚と思えるのも妙である。さてこの「朱口」が初夏の瀬戸内海岡山日生にいっぱいあがっていた。その三枚に卸した白身の表面が白濁してなんだかうまそうなのである。それを半身買い求めてきて『市場寿司 たか』に持ち込む。持ち込んだ魚の名前を告げぬままに握りに仕立ててもらって、「これなんだ?」と言うに「まったくわからない」との答え。過去に一度は握っているものの関東で暮らしていると本当に馴染みがない。「でもこれはいけるね。クセがないと言うか端的に魚らしいというか、いいネタだと思うよ」なんて言う。ボクも同感だけどね。さて岡山にこのような目立たぬうまい魚がある。それが偉大なんだよね。
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