第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
九十九巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
●魚の生食に関しては寄生虫などの危険をともないます。食べるときには自己責任にて
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わらづか/ナガヅカ 2007年3月25日 491
 市場ではナガヅカといっても誰も知る人はいない。それでは全然、市場に来ていないのかというと高級すり身「わらづか」としてよく見かけるのである。これが非常にお高い。すり身が上質であると言うことは、またその原料も上質であるということだ。この非常に上品な白身魚の外見がかなりグロテスクだ。その大きな魚体を持ち上げて「なんだか天ぷらの銀宝(ギンポ)みたいだね」と言ったたかさんは鋭い。確かにお仲間同士なのである。皮を引くとほれぼれするような白身。外見はともかく、食ってみるか、と一かん口に放り込んだたかさん、「お、うまいよこれ。まったくクセないし、素直な白身だね。こんなの寿司ネタにあってもいいよ」。おいおい本当かな。産地である東北北海道でもナガヅカの握りなんて聞いたことがない。ボクの方も口に放り込んでは見たが、そんなにうまいとは思えない。「平凡じゃない。白身だけどヒラメのように旨味があるってわけじゃないし」。いいんだよ「あっちは子役の時からスターだろ。そこまでの評価はなくても手堅い脇役人とすると“いい味だしてる”んじゃない」。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
アラ 2007年3月26日 492
「あら」という言葉は難しい。一種類だけの魚を差さないからだ。冬に「あら」と言ったら福岡での呼び名を受けてクエのことになる。標準和名のアラよりもこっちの方が断然知名度は上。でも今回の主役、アラがクエに負けるとも劣らずなのである。関東では外房や相模湾、駿河湾ではそこそこ水揚げがある。ただし多くが30センチから50センチ弱の小アラが多い。「やっぱりアラは大きい方がうまい」のは当たり前だが「小さくてもうまい」というのも周知の事実。沼津の甲殻類学者・飯塚栄一さんから「アラを送りました」とケータイがあり、来たのがなんと30センチほど、しかも冷凍されている。たかさん「いかなアラだって冷凍されたら生はまずいだろ」というので期待しないで解凍を待つ。数時間後、興奮した声で「アラうまいんだ。早くきな」と目の前に二かん。それがすこぶるつきにうまい。シコっとした食感もあるし、味わいにクセがなく、旨味がジワリとしみだしてくる。「どう、たまらんだろう。驚いたねアラには、沼津の送ってくれた人に言って“またよろしくって”」。
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オニテナガエビ 2007年4月1日 493
 国産のテナガエビには何種類かいて、もっとも大型になるミナミテナガエビでも大きさは10センチ前後だろう。それが熱帯東南アジアには20センチを遙かに超える食用のテナガエビがいるのだ。それがオニテナガエビ。タイやミャンマーなどから輸入されてきていて、主にエスニック料理の店で使われている。特殊な商材なので市場よりもそれを輸入代理店などにあるもの。それが珍しく市場に来ていた。普通は生のまま冷凍したものが多いのだが、今回のものは茹でて冷凍したもの。色合いもキレイなので、たかさんに握りに仕立ててもらう。殻を剥き、味見した、たかさんが「アレ?」といった顔つきになる。半分にしてこちらにも。「うううん? なんだ」。握りにはなったものの。やっぱり「アレ?」っていう感じ。まったくエビらしい旨味がないし、甘味も少ない。ついでにミソも味気ない。「冷凍したからじゃないの」。そうかもしれない。ということで次回は生で冷凍したもので再度挑戦する。
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タマガシラ 2007年4月4日 494
 普通は江戸前寿司に使わないイトヨリやソコイトヨリをすし飯にのせてみて、なかなか味がいいのに驚いてしまった。とすると科を同じくするタマガシラもうまいはずだ。築地の長崎県漁連で買い込んで『市場寿司 たか』に持ち込む。「たかさん、タマガシラは刺身じゃ、ちょっとねという魚なんだよね。それで身自体には味がないから霜皮造りにしてほしいな」「そうかい。でももう皮引いちゃったよ」。たかさんは霜皮造りをネタにするのが好きじゃないのだ。「刺身と寿司ネタは意外なくらい違うものだからね」。小振りなので片身4かんほど。背の方できれいな握りが出来上がる。たかさん、「うん、上等だよ。思ったより旨味がある。すし飯に負けてないよ」。やや柔らかい身ながら旨味というか味があるのだ。見た目も味わいも端正で、小味が利いているというもの。「これはウチの店にときどきあってもいいと思うよ」。
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めごち/ネズミゴチ 2007年4月7日 495
 市場で熊本県産の見事なネズミゴチを見つけた。当然天ぷら種の「めごち」なのだから荷の回りにいるのは、総て天ぷら職人。5,6本選んでいるのを見て「それじゃ足りないだろう」と怪訝そうな顔をする。まさか生で握りにするとも言えず、大急ぎで皮を剥ぎ取り、ワタも頭部もとってキレイに下ごしらえ。これを目の前にして、たかさんが観念したように握りに仕立てる。これが意外なくらいに美しいのだ。しかも身にはまったくクセがなく、よくよく味わえば旨味がある。「でもそんなにうまかねえぞ」とは、たかさんの言い草。これじゃ寿司寝てとしては「ダメなんだ」そうだ。最後の2本に軽く塩を振り、テフロンフライパンで焼く。「これはうまいね」と笑うのだった。キロあたり1800円の高級魚でも「生じゃうまくはない」ということらしい。「でもねとれたてならうまいんだよ」とは釣り師としてのボクの弁。「それじゃ釣ってきてもらおうか?」。
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