第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
九十五巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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くつあんこう/アンコウ 2007年1月17日 471
 やっと市場でアンコウを見つけて「市場寿司 たか」に持ち込む。「これオレがおろすの」とたかさん嫌がるので、我が家でさんざん手こずって尾の身をあらためて持っていく。「アンコウの仲間はこれで二回目だよね」、「いや違うよ。前の店でもやってたよ。(鍋を出してお湯を沸かしながら)」。たかさん、沸騰した鍋にアンコウの身を入れて霜降りにする。「霜降りにするんだ」、「前に持ってきたよね身がしっかりしていたヤツ。あれは特別だね。アンコウっていやあ霜降りにしないとだめ」。確かに生と霜降りを刺身で比べると歴然と違いが出ている。握りにしても、身の旨味というか味わいがあり、すし飯とも馴染んでいる。「アンコウって握りにしてうまいね」。「そうだろ、これは“くつ(あんこう)”だっけ、本鮟鱇は毎日あるだろ。鮮度さえよければ握りのネタにできるわけよ。でも皮がもったいないよな。肝はのっけてもいいけど。普通の寿司屋で酒を出すとこならいいけど、ウチは酒をあえてすすめないからね」。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
穴子横川町鮨忠/マアナゴ 2007年1月18日 472
 八王子で現役最年長の寿司職人横川町「鮨忠」さんはボクにとっての寿司の歴史の先生にあたる。横川町は八王子から甲斐の国続く陣馬街道に面している。忠さんが職人になったのが昭和20年代。繊維産業の街八王子ではで「がちゃん万」と呼ばれた好景気もあって旦那週の闊歩していた時代もあった。当然、江戸前握りの店も料亭なども数知れずあったのである。その時代の風を経験している忠さんは古くからの江戸前握りの技を今に伝えてくれている。その最たるものが煮穴子である。「2時間くらい煮るんだ。うちでは」「それじゃとけちゃうでしょ」「それがそうじゃないんだ。時間をかけるんだけど皮はしっかりしてるの。だから皮を上にな。煮たのを炙ってだすんだけど。それを計算して煮てるわけだ」。ネタケースの後ろでは弟さんがバーナーを使う音がする。そして皮目がまだほんのり温かいのを口に放り込む。確かに皮はしっかりとして、適度に香ばしい、アナゴの持つ本来の旨味も感じられて味に奥行きがある。「まあ出前に出して時間がたっても味が落ちないというのもあるしな。どうだい煮穴子だけは店の数だけ煮ようがあるってのはほんとだろ」。
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●鮨忠第二支店 東京都八王子市横川町477 電話042-622-1194
オオクチイシナギ 2007年1月20日 473
「市場寿司 たか」のまな板に1.5キロほどはあるオオクチイシナギを置く。「どうだ!」という気持ちで持ってきたのだけど、すんなり何も言わずにおろし始めた。「感動薄いね。初めてじゃないの?」「違うよ。まあ3回目くらいかな」「3回目って何だ」「昔ね、これ使えないかなって魚屋がすすめてくれたの」。「それで?」「よかったよ。これより小さかったけど。大きいとうまくないんだってね」「そうでもないんだけど、脂が強いの」。そしてきれいな握りとなって出てきた。これがうまい。身全体に脂があって、そのせいか甘いいのである。身の歯切れよさも心地よい。これは握りのネタとしても上物ではないだろうか? 「そうだね。いいよね。どうして市場にはこないんだろう。あんましとれないんだろうね」。たまたま居合わせたうまいもん好きの肉屋が隣で「もっと握ってくれ」と騒いでいる。遠路、福島の最北、原釜から発泡を下げてきた甲斐があったのである。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ぽっぽ/ボウシュウボラ 2007年1月23日 474
「千葉から来たんだけど、どうやって食べるんだろうね」、八王子魚市場、貝担当の鈴木さんが聞いてきた。「きれいな貝だよな。ホラガイとは違うのかね」、これは老舗の魚屋の若だんな。それがボウシュウボラであった。貝殻の高さが20センチ近くある。「重たいよ。小さいので400(グラム)くらいある。値段は600円(キロ当たり)だから1個300円前後だね」。その下ごしらえをやってみる。大変だが硬い貝殻は割るしかない。ワタには毒があるので除き、身の部分に切れ目を入れてひたすらヌルを揉み出すのである。「急いでいたら、塩を使ってもいいけど余計に硬くなる。食べ方は生がいい」。お試しで使ったのを「市場寿司 たか」へ。「巻き貝を握るのは嫌いなんだよね。硬いからすし飯と馴染まないし、格好がつかねーだろ」。それを1かんだけ食べて、後は刺身で食べている。「やっぱり刺身で食うのがいいな。甘味あってうまいし。握りには向いてない」。確かに硬いのですし飯と馴染まない、最後まで身を噛んでしまうことになる。でもうまいことはうまいんじゃないの。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
イトヒキアジ 2007年1月26日 475
 本種もそうだが市場には来ないが、産地ではありふれた魚というのが多々ある。それが少しずつ中央に入ってくるようになってきた。たぶん沿岸での漁の減少しているためでもあるし、温暖化のせいで魚種が替わってきているのもあるだろう。この奇態な魚を見ても最近では驚き指数が減ってきている。「やっぱり歩留まりが悪いな。確か一昨年も持ってきただろ。どうしてまたって感じだな」「そりゃ夏に持ってきたヤツだろ。あんまり印象に残らなかった。だから冬にもう一度ってわけ」。今回のは2キロ近くある。それにどうも黒潮にのってくる南方系の魚も冬には脂をためているのではないか? と思ったのだ。そしてこれが大正解だった。アジ科なので脂というのか身がしっとりしているし、旨味もある。「これはいいね。すし飯とも相性がよくて……」。たかさん「糸を引く味だなって言わないでよ。納豆みたいだから」。ということで、うまいので後二、三かん追加。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」


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