第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
八十巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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アカイサキ 2006年7月15日 396
 寿司にすると「化ける」っていうのか、刺身で食べるよりもグーンとうまくなる魚ってある。これは、たかさんの持論なのだけど「刺身でうまいから、握ってうまいとは限らないよ」となんども繰り返すように話す。そしてアカイサキだけど、刺身にしても平凡である。この魚を知らないで皮を引いてしまったら、もっともっと平凡、味がなくなる。この魚の真価はは皮をとらないで、そのまま霜皮造りにすることで発揮される。でも味わいとしては「中ほど」かな。それが寿司に握ると俄然うまくなる。「これはいいな。もっとアカイサキ仕入れてこよ」、持ち込んだアカイサキは一本。食べてすぐに、たかさんが走る。市場の魚屋まで数十秒である。どうしてこんなにうまいんだろうな、この握りは? それはアカイサキのひと味足りないところをすし飯の酸味と米の甘さが補ってくれている。その加減がいいのだ。たかさんが2本ぶらさげて来た。それでまた2かん握ってもらって、「飽きが来ないね」。不思議なことに「うますぎない、普通であること」にネタの存在感が出る、ということがあるらしい。「おかしいな、この2本、ちょっと違って見えるね」。「ああ大きい方がオスで小さい方がメス。そしててね小さいときはみんなメスで大きくなると性転換してオスになる」 。「いいな、人生2回楽しめるってヤツだな」。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
葛飾立石「栄寿司」のなかずみ 別巻
 葛飾立石はまことに好ましき下町。ボクのすぐ上の世代だったら「すぐそこから下町の太陽が出てきそうや」なんて思ったりして。でも、行き交うお姉さん達の魅力よりももっと惹かれるのが「下町ならではのうまいもん」がてんこ盛りなこと。そんな街にやはりあったのが「安くてうまい」栄寿司。この店、ガラガラと引き戸を開けると立ち食いのカウンター、向こうに寿司職人がふたり。これは親子だろうか息が合っている。2かんずつ握ってくれるのだが、それでだいたい200円から300円。そしてこの握りのすし飯がデカイ。今時のきどった寿司屋の軽く3倍はありそうなすし飯にネタもデカイのがどどーんとくる。そのネタよし、すし飯うまいで「ウハウハな気分」になる。小腹が空いたなら4かん、腹ペコでも8かんも食えば充分満足できるし、うまい握りも堪能できる。そして画像の「なかずみ」の握りであるが、締め方、また脂ののり、ともに言うことなし。恐るべし立石の「栄寿司」。
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立石「栄寿司」
オオスダレガイ 2006年7月17日 397
 まあ、種としてはそれなりに珍しくても絵にはならないという典型がオオスダレガイである。このオオスダレガイを倉橋島の「日美丸」さんからいただいたときは初めて見る貝なので興奮した。だいたい初物ってうれしいものだし、珍しいともっと嬉しい。そんな興奮した状態で『市場寿司 たか』に行ったら、「またスダレガイかい?」だって、確かに貝殻も身もスダレガイそっくりだ。「でもね、これ意外に見つからない貝なんだよ。貴重なの」。「そお、それなら食べてみてスダレガイよりうまいのかい」。かなりするどいとこついてくる。まさしく図星。スダレガイと味はうり二つ。そこそこ旨味甘味が感じられても「主役にはなりませんね」ということかな。
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広島県倉橋島の「日美丸」へ
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目光/マルアオメエソ 2006年7月20日 398
「目光」とはなにか、これが一種類の魚ではない。まあ、非常に見分けるのが困難なのであるが、だいたい銚子から北にいるのがマルアオメエソ、南にいるのがアオメエソ。これが似ているなんてものではなく、まったく同じ魚としか思えない。今回もこれがマルアオメエソであるとしたのは福島県産であるから。そして肝心要の味わいであるが、これがどうにも違いがみつからない。それが証拠に「前に目光、握ったよね。またやるのかい」なんて言い。「やっぱりいつ食べてもうまいね」と感心している。前回、『市場寿司 たか』で握ったのは沼津産の目光、当然アオメエソなのであるが。さて、目光の握りはまことにうまいのである。何と言ってもトロっとした脂が甘く、そして味わいに嫌みがない。まあ、40歳以上の方はザ・ピーナッツを想像していただきたい。そう言えばかなりテレビに出ていないと思うのだが、ふたりはどうしているんだろう?
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セイタカエゾボラ 2006年7月26日 399
 巻き貝の世界は深淵広大無比、初心者というか門外漢にはなかなか入り口にもたどり着けない。その迷路のひとつがエゾボラ属という巻き貝の仲間だ。これは北海道で「つぶ」と呼ばれているものなのだが、総て唾液腺というところにテトラミンという毒を持っていて、これさえ除くと刺身で美味なものである。この「つぶ」の産地は東北北海道なのだが、日本海西部でしかお目にかかれないセイタカエゾボラというのがある。これがとれるのは島根県隠岐周辺だけ。それでは珍しいかというと、ときどきまとまって入荷してきて、値段も格安なのである。刺身にすると身(足)の部分が小さくなかなかきれいな形に切れない。それを巻き貝を握るのが嫌いな、たかさんに渡すとこうなってしまった。でも下ごしらえは私なので責任の一端どころか多くはこちらにある。でもコリコリっとした食感ですし飯とは馴染まなかったが美味であった。「こんなもん刺身で食ったほうがいいだろう。ネタとして邪道だ邪道だ」という人もいますがほっておいて問題なし。
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真河豚/マフグ 2006年7月29日 400
 夏になると北海道からどどっと入荷してくるのがマフグである。フグの中でも美味なもので、旬は冬。知り合いのフグ調理師が「夏じゃ、使いようがないよ。ちょっとこの時期水っぽいでしょ」といいながらおろしてくれる。皮、内臓、頭部を捨ててみがいたものを見て、「うん、思ったよりも身に張りがあるね。うちも仕入れるかな」。すかさずこれを『市場寿司 たか』に持ち込む。三枚におろして切り付けてみる。「やっぱり少し工夫がいるね」。たかさんにお願いして身の表面をあぶり、これを握りにしてみた。「ポン酢が欲しいな」といっても今更どうしようもない。生醤油だけで口に放り込んで「あれ、これはなかなかうまいよ」。身に弾力があり、火を通したためか旨味がある。スダチを搾りかけ、粗塩でためしたら、こちらはまさに絶品。「値段はいくら」、「キロ(あたり)700円だよ」。「おお、これは仕入れなきゃ」、走って行くけど「フグ調理師持ってないでしょー。慌て者」、残念!
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」 ★毒の除去はフグ調理師にお願いし、客への提供はしていません


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