第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
七十四巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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砂海老/スナエビ 2006年4月22日 366
 北海道のアマモの茂るような浅い内湾に多い小型のエビである。「砂海老」とは身体にある小さな斑紋からくるのだが、同じような場所でとれるエビジャコの北海道での呼び名が「すなえび」で紛らわしい。関東の市場には春から初夏にかけて厚岸などから入荷してくる。生で食べると甘えび(ホッコクアカエビ)同様甘味があり、なかなかうまいのだが、小振りなので唐揚げなどにされることが多い。でも生で食べるたびに、「うまいな」と思っていたので入荷しているのを見つけて、すぐに『市場寿司 たか』に持ち込む。これを、たかさん考えた末に小さすぎたのか軍艦にする。これは素直に「うまい」とふたりで感心しきり。ようするに甘えびと同じ甘味、そしてプルンとした食感。身の色合いも美しくて、可愛らしくて「いいなコレ!」。
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鉄火巻き/キハダマグロ 2006年4月24日 367
 めぼしいネタがなくて困ってしまって『市場寿司 たか』に入るといきなり出てきたのがこれである。「鉄火だよね」、「いいキハダを見つけてね。脂があったからくずして鉄芯にしたわけ。これがうまいんだ」、たかさんが自慢するだけにいい味わいだ。うまみのあるキハダで、トロっとしているのは腹の身なんだろう。これを切り付けないで鉄芯にしたのは筋があったためらしい。そう言えば鉄火巻きにマグロの身を棒状に切ったものがある。ただあれはマグロ自体を「鉄火」と呼ぶという考え方であるが、本来の鉄火とはズレがある。鉄火巻きとは「鉄砲の銃身のような形」とも言われるが、これも違っている。博打場のことを「鉄火場」という言葉があり、それに「鉄火場で身を持ち崩す」すなわち、マグロの身を細かく崩していれたから鉄火巻きなのだという説。これが正解だろう。マグロの前にはシバエビのおぼろだったなんてことも古い文献にあるらしいが、寿司の奥は深いな。
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尻焼烏賊/シリヤケイカ 2006年4月25日 368
 関東で墨いかと呼ばれるコウイカは江戸前握りの定番とも言えるだう。そしてそのコウイカに混ざって入荷してくるのがシリヤケイカである。活け水槽などで両種仲良く泳いでいるのをたまに見かけるが、市場ではどうも両種を区別するほどに違いを見いだしていない模様だ。当然、コウイカと味わいは似ている。ほとんど同じだという人もいるが、比べるとややシリヤケイカの方が軟らかいのではないだろうか。さて、今回のシリヤケイカは三河湾一色のもの。持ち帰って皮をむいて『市場寿司 たか』に持ち込んのはとれてから二日目。「ちょっと身が白く濁っちゃって」と言うと、たかさんは2切れ小皿にいれてくれる。「いい味だね。甘味があるじゃない。そりゃ鮮度的には今イチだけどネタとしてはぜんぜん問題ないよ。甘味が強いし、身がムチっとしてる」。確かに刺身で食べても、そのムチっとした食感がいいし、なによりも甘い。これを握りにして、そ〜りゃうまいはずである。イカばかりは新しいほどうまい、と思っていた。これも「正解」ではないらしい。
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しくち/メナダ 2006年4月26日 369
 メナダというのは人知れずある魚である。まず市場、魚屋で探しても無理だろう。これが各地で「うまい魚」として珍重されているのだが、それも「美味極まりない」とか「至味」といったものではなく、普段家庭でしみじみ「うまいな」とおかずになって登場する。そんな地味な魚である。外見はボラそっくりのメナダ、味わいもボラに近いのだが、そのボラにも増してメナダを好んで食べるのは瀬戸内海、有明海などの内湾に面した地域である。市場で手に入る魚ではなくて困っていたら広島県倉橋島の「日美丸」さんが送ってきてくれた。その「日美丸」さんが「ボラよりうまい」というメナダ。卸すとたっぷり子を抱えている。この子を塩漬けにして身は三枚に卸す。これを『市場寿司 たか』に持ち込んだ。「ボラよりも血合いが薄いよね。それに身の色合いも違う、握りにしてきれいなんじゃない」とさっそく2かん。これは上品な味わいだ。噛むとジワリと浮き上がってくる魚らしい味わい旨味に、まったりした感じをつけ加えていつのは少ないながら「脂」であるようだ。「うまいね」とたかさんと意見があって、さっさとネタケースにしまった。今日、メナダを食べるこのとできた人は幸せである。
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五月海老/イバラモエビ 2006年5月1日 370
 鳥取県では「五月海老(さつきえび)」、新潟県では「鬼海老(おにえび)」などと呼ばれて、なかなか値が張るエビがイバラモエビ。鳥取県での「五月」はこの時期にまとまってとれるからだ。関東の市場でも見かけるのは新緑の晩春から初夏。殻に棘があって剥くときに痛いのだが、刺身にして絶品、焼いたらもっとうまい。「痛いな、この殻、いたたた」とたかさん。北海道羽幌から入荷してきたのを『市場寿司 たか』に持ち込んで握りしたのだが確かに殻が固く棘っぽい。これからして新潟では「鬼」となるわけだ。そして出来上がった握りが「ズバリ、うまいでしょう」。「甘いし、ぷりっとしているし、うめーな」とたかさん。甘えび(ホッコクアカエビ)に負けず劣らず甘味があり、これより身はしっかりしている。うまいうまいイバラモエビであるが漁獲量が少ないのが残念でならない。まあ日本海側に多いエビである旅に出ることがあったら探してみてくれ。
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