第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
七十二巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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アオタナゴ 2006年4月4日 356
「ウミタナゴには2種類あるわけ、それでね、こちらは少ない方なんだ」と寿司職人の渡辺隆之さんに説明する。「同じにしか見えないけど、味が違うわけ?」、「それを今、食べてみるんでしょ」。連日、不思議な生き物を寿司ネタにして、少々嫌気がさした、たかさんをなだめてアオタナゴを握ってもらう。「うまいな。ほんの先週にウミタナゴの旬ですって持ってきたよね。同じ味じゃないの」。そうそう同じ味わいで冬から春が旬。やや軟らかな身が脂をもってトロっとしている。そしてすし飯と相まって「うまいな」と余韻を響かせて喉の奥に消えていくわけだ。まったくウミタナゴと同様、一卵性双生児のようにそっくりな味。「まあ、うまきゃ〜いいか」というのが結論。お後が少々濁りましてございます。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
もろこ押しずし/モツゴ 2006年4月9日 357
 淡水魚を使った「すし」というと鮒ずしに代表されるなれずしと巻きずしや箱ずし、ちらしずし(ばらずし)などが思い浮かぶ。今回とりあげるのは箱ずしのひとつで小魚を佃煮にしてすし種にするもの。岐阜、滋賀県、そして尾張木曾三川で見かけられる
これを作るにはもろこ(モツゴ、タモロコ、コウライモロコなど)を甘辛く佃煮にする。酢飯を押しずしの箱に入れて佃煮を表面にのせ一夜押す。押しずしを作る箱と押しをかける道具も独特のもの。尾張木曾三川の淡水魚の食文化のよすがをしのぶに「もろこ押しずし」は格好のものである。味わいは甘味も絶妙な佃煮、その味わいに小魚の苦みが差してくる。そしてこれもやや甘口の酢飯。佃煮で作るすしというので鄙めいたものを想像していたら思いがけず洗練されたものである。これはどうも今回たずねた津島市の「末広寿司」の持ち味かも知れぬが、まことにうまい。尾張津島に優れるもの、古い街並みと「もろこ押しずし」ということか
●今回の材料を見るにほとんどモツゴであるように思えた。市場魚貝類図鑑、モツゴのページへ!
●津島市など尾張地方の淡水魚や川をめぐる文化などのことは「うなたろうの部屋」
●末広寿司 愛知県津島市本町1丁目66 電話0567-26-2790
ザルガイ 2006年4月10日 358
「うまいもんだね。これは知らなかったよ」と感心しきりなのが寿司職人の渡辺隆之さん。ザルガイの足を開いて軽く湯通ししたものをまな板に並べて「石垣(エゾイシカゲガイ)だろう」というので貝殻を見せた。初物食いだというのでさっさと一かん食べて感心しきり、「石垣に似ているけど甘いね。しかも弾力があって、それなのに噛み切れる」。これは当たり前の話。ザルガイはトリガイやエゾイシカゲガイと同じザルガイ科、親戚筋にあたるわけだ。でも残念なのがあまりとれないこと。今回のものは三河湾での浅引きでとれたものを一色魚市場で探して、なんとただでいただいたもの。話はそれるが三河一色の女達は美人揃いで働き者、しかも優しいのだ。まあ「妻をめとらば一色女に限るのだ」。閑話休題。ザルガイの旨さはなんといっても甘味、そしてプルプルした食感。噛みしめると旨味も満ちてくる。幻の貝だが一色にくると食べられる可能性大。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
北海しまえび/ホッカイエビ 2006年4月11日 359
 北海道野付湾などで独特の打瀬網での北海しまえび漁は夏の風物詩である。エンジンを使わず帆走することで乱獲を防ぎ、貴重なアマモ場の保全にも貢献している。これが関東の市場にもときどき入荷してくる。そしてそのほぼ総てが産地で塩ゆでにされたもの。この茹でて冷凍したもの、決してうまいもんじゃない、平凡だ。やはりエビはゆでたての方がうまいに違いない。鮮魚で来ないものを握っても仕方ないと思っていると実は細々とだがスナエビやエビジャコに混ざって厚岸から入荷してくるのだ。今回のものはスナエビに混ざっていたもの。せっせと10匹ほど集めて塩ゆで、すぐに握りにしてみた。これが絶品であったのだ。ホロっとした身質、中はまだプリっとしている。その身が甘いのだ。甘さと適度な食感で「うまいな」を2かん分。たかさんも2かん分の「うまいな」と言いまして、お後がよろしいようで……。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
キングサーモン/マスノスケ 2006年4月12日 360
 キングサーモンはアメリカではもっとも値段の高いサケの仲間である。日本での評価はあまりとれないこともあるが、あってなきがごとくであった。それが養殖ものが入荷するようになって近年人気が上昇、市場でもなかなか高い値がついている。産地はカナダ、もしくはノルウェー、チルドや冷凍で入荷してくる。これがまことにうまい。サケなのに食感は大トロ、それでいてサケ独特の風味がある。この半身を『市場寿司 たか』に持ち込み、じっくり味わってみた。まず「うまい」と感心しきりなのが、たかさんである。普段、脂が強すぎるマグロ・大トロが好きじゃないと言っているのに、このキングの脂は気に入ったようである。これはどうも甘味があり、そこにサケがもつ微かな日向臭さが感じられる。その個性的なところが酢飯に合うようだ。三陸ではたまに天然ものがとれて、これを「おおすけ」などというそうだ。きっとうまいんだろうな。はやく食ってみなくては。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」


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