第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
六十九巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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ホンコンイシガニ 2006年3月9日 341
 高知市浦戸湾は他に類を見ないほど棲息する生物の種が膨大である。そこには幻のアカメや「えがに(トゲノコギリガザミ)など世に知られたものもいるが、他方、研究者には垂涎の的であるが一般には隠れた存在の生き物もいる。そのひとつがホンコンイシガニである。熱帯系のガザミの仲間で国内でとれること希なカニ。それがなぜか浦戸湾には多々上がるのだ。それを浦戸湾のカニ取り漁師、永野夫妻からいただいた。当然、すぐに茹でて『市場寿司 たか』へ。あまり大きくならないカニなので、ほぐし身のようになったのを握りにした。これがうまい。身の味わいの良さは、寿司職人である、たかさんも太鼓判。これなら握りでもうまいに違いなく、味わいはカニとして「らしい」ものとなった。「でもカニっていうのは、あまり味に個性がないな」とたかさん。まあ目隠しテストされてもぜんぜんわかりりそうにない。
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●高知市浦戸湾の多種多様な魚貝類は『土佐の廣丸』へ ●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ホタルイカ 2006年3月10日 342
 2月の声を聞くと茹でたホタルイカが市場に並んでくる。これは山陰から兵庫、京都などでとれたもの。まだ凍えるように寒い時期で春が旬だとされるホタルイカだから、少々情緒にかける。しかもこの時期は値段も高いわけで、それも嫌だな。これが3月になり「ホーホケキョ」とウグイスの初鳴きを聞く頃にお目見えするのが富山県滑川などから来るもの。「やっぱり春だなと感じると、ホタルイカかな」なんて寿司屋のオヤジが言ってくれる。「そらそうだ」と『市場寿司 たか』へ。たかさん、すぐに握りになってくるのだろ、と思ったら考え込んでいるのだ。「海苔おびはしたくないんだよな」となんと3匹ものせて「エイヤ! すぐ食べろ。あまり動かすなよ」と出してくる。これをゆっくり口まで持ってきて大口開けてパクリ。ホタルイカの旨味はいきなり口中に広がってくる。身は柔らかく、苦みもほとんどない。ワタの持つ濃厚さが身の甘さ、食感と一体になり、すし飯がそのなかでまるで雲間から差す光のようだ。
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ホッケ 2006年3月11日 343
 ホッケというと干物しか思い浮かばないだろう。だいたい関東では鮮魚での入荷は少ない。入荷があるのは年末から春まで。そんなホッケをどう握りにするのか? 北の根魚だから寿司職人の渡辺隆之さんはアニサキスが怖いという。ただアニサキスを気にするならほとんど総ての魚、イカなどに可能性はある。ホッケだけ気をつけても仕方がない。とは言うものの握るのはたかさんである。話し合ってさらりと煮つけてアナゴのように握ることにする。これが正解であった。軟らかくなりすぎて握りにするのは至難の業。それでもその柔らかさがすし飯と合わさってうまいのだ。身に甘味がある、そして旨味。これが一度期に口中に広がって、たかさんともどもノックアウトだ。ホッケうまいぞ!
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アカネキントキ 2006年3月12日 344
 キントキダイ科の味がいいのは前にも書いた。近年海も温暖化が進んでいるのだろう、やや熱帯の魚であるキントキダイ科の魚も市場で見ていても種類が増えてきている。なかでも一度しか見ていないのがアカネキントキ。大きくなるホウセキキントキと比べて少々可憐な雰囲気。身の色もやや淡く赤みがかっている。味は当然いい。キントキダイ科の魚は、たかさんの好みらしく、「こいつが来ると、ついつい食べたくなる」そうだ。身自体に微かだが甘味があり、まったりしたところからすると脂もあるんだろう。そこにすし飯に程良い抵抗を見せながら馴染んで消える。「かわいいね」。
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カコボラ 2006年3月13日 345
 カコボラは嫌われている。その嫌われるわけは汚らしいひげ面にあるらしい。イセエビの刺し網、また磯を歩いていてもよく見かける貝であり、10センチ以上になるのだから、これを食用にしてもいいなずなのだ。でもなぜか捨てられる。捨てられる原因は汚らしさと、身にある不気味な斑紋、そしてワタがえぐいからだ。しかも中腸腺にかのフグが持っていると同じテトロドトキシンがある。でもね、これをうまいと思っている人も多いのだ。「身に甘味があるの、だからさ身だけ食べてればいいのよ。酢みそ和え、刺身でもいい。うまいんだぞ」というのは潮干狩りや磯遊びのベテラン。それではと鹿児島のわかしおさんから送られて来たカコボラが新鮮なので酒蒸しにして握りにしてみた。たかさんと1かんずつ。それは意外にうまいんである。身だけなのですし飯からすると硬すぎるのだが、それ以上に旨味というか甘さが浮かんでくる。「まあ合格じゃないけど、不合格でもないだろう」と寿司職人のたかさん。そうだな寿司は無理でも港などで見つけたら晩酌の肴になると確信する。
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