第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
六十一巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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がざみ/タイワンガザミ 2006年1月26日 301
 浦戸湾漁師永野さんにタイワンガザミの当地での呼び名を聞いてみた。「“がざみ”ちい言いますけどね。ここでは“わたり(ガザミ)”は“わたり”と言いよりましてね。たぶん、いちばんようけとれるんを“がざみ”いうん違いますかね」。やはり暖流の差し込む浦戸湾ではやや南方系のタイワンガザミが漁の主役のひとつなのだ。さてガザミ科のカニでもっとも高価なのがノコギリガザミ、次いでガザミ、その後に来るのがタイワンガザミなのだが、この3種あたりは味に甲乙つけがたい。どれを食べてもうなるほどうまいと言うことだ。それを『市場寿司 たか』に持ち込んで、なんとか軍艦にしないで握りに仕立ててもらった。しして、たかさん曰く「うまいカニだとは思うけど、なかなかきれいにいかないね。でもこの上品な甘味はすし飯とも合う」。確かに味は抜群にいい。カニの甘味が充分にすし飯と混ざり合って酸味と甘味で小宇宙を形成しているかのごとく。「たかさん、やばいぜ、これ飛んでいきそう」。バカなことを言うと「勝手に飛んでいっていいよ」だって。
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●高知市浦戸湾の多種多様な魚貝類は『土佐の廣丸』へ  八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ごっこ真子しょうゆ漬け/ホテイウオ 2006年1月27日 302
 青森や北海道から冬になるとやってくるのが「ごっこ」である。北の食い物といった寒のあるホテイウオであるが年々関東の料理屋でも知名度が上がってきている。北海道噴火湾からきた「ごっこ」を見ていると知り合いの料理屋が「これはほとんど身がない。卵もべとべとしてうまかないよ」と言って通り過ぎていく。これは単純に真子を漬けにする方法がわかっていないのだ。真子は取りだしてほぐし60度くらいのお湯で洗う。そして水を代えながら数度洗い、それから酒味醂醤油で漬けるのだ。「こればっかりは軍艦だね」と、たかさんが出してくれたのがこの2かん。渋みはあるものの2かん食べる限りは問題はない。そして味だけれど、「卵自体にうまみがないんじゃない」とたかさん。確かにうまいのだけれど個性がない。また旨味が薄いのは成熟が進みすぎていたのだろうか? もしくは洗いすぎ? もう一度挑戦するのだ。
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東錦/アズマニシキ 2006年1月28日 303
 ホタテというのは今ではありふれたもので、どんなスーパーや食料品店でも見つけることが出来る。このホタテというのがイタヤガイ科の貝であり、意外なことに食用にされているものは少ない。たぶん十種に満たない食用種のなかでもアズマニシキはほとんど流通にのらないものだ。てっきり取引の対象となっていないものだと思っていたら宮城県気仙沼の仲卸に努めるmakoさんからたくさんのアズマニシキが送られてきた。これはビックリするとともにじっくりアズマニシキを味わえるまたとない機会となった。貝柱だけにしたものを、たかさんに握ってもらう。「小さいね、このホタテ」と間違えてしまっているのをそのままに評価してもらう。「小さいからかな甘味が薄いね。でもまあうまいな」と言う。じっくり刺身だけを舌にのせて、やや甘味は少ないものの、旨味、また微かなアルギン酸からの苦み。ホタテを思わなければ素晴らしい味だ。当然、寿司もうまい。
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本田がれい/サメガレイ 2006年1月29日 304
 まだ6時前、ケータイに出ると八王子綜合卸売センター『高野水産』の社長である。「あのさ、“ほんだ”っていうカレイ知ってるかな。うまいって言うんだけど。見た目が悪いんだ」、もう高速の上だろうからどこか常連の飲食店に納めようとしているらしい。これを聞いて即決で我が家が確保することにする。“ほんだ”というのは三陸でのサメガレイの呼び名で、これがうまいのだ。高野社長が持ち帰ったサメガレイ、箱を開けた途端に「きったねえカレイだな」と知り合いの寿司屋が呟いた。確かに粘液にまみれた黒いカレイはとてもうまそうには見えない。「これがうまいんだ」といいながら早速5枚に卸す。出てきたのは見事な白身である。『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんは丸の状態は見ていない。素直に握りにしてそのうまさに素直に感激してしまっている。白身なのに脂がのっている。噛むとジワリと甘い脂が浮いてくる。「握りにしてきれいだし、これなんなんだい」というので撮影したデジカメの画像を見せる。「これを仕入れるヤツは目利きっていう魚だな」。「ありがとう」ほめてくれて。
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すし飯 2006年1月30日 別巻
 すし屋の話でとても気になることがある。それは客の側にあるのにすし飯を「しゃり」と呼ぶことである。寿司職人が「しゃり」と言うのは一種の不調であって作り手が言ってこそ様になる。それを食べる側が言っていいものか? 疑問を感じるのだ。同様に玉子焼きを「玉」、シャコを「ガレージ」なんてのも食べ手が言うのは粋じゃない。さて、その「しゃり」だけどこれは明らかに「仏舎利」から来ているのだろう。飯粒を釈迦の骨に例えるほどに貴い、また大切に握れよと職人の心意気なのだ。さて、寿司職人の腕を生かすも殺すもすし飯いかんによるのだが、これを支えているのが米屋である。『市場寿司 たか』のものは日々、八王子総合卸売協同組合『日本堂』が納めている。銘柄、産地などに決まりはなく、季節季節に両者が話し合って決めている。これが今まさに絶妙のすし飯を作りだしている。年末に上京した鹿児島の、わかしおさん。もう『市場寿司 たか』は持ち帰り用のちらししか作っていなくてネタを味わうというわけにはいかなかったが、この「すし飯がうまくて、驚きました」と話してくれた。毎日使い切り、炊きたてのすし飯を食べられる『市場寿司』である、じっくりすし飯のうまさも堪能してほしい。
アブラツノザメ 2006年1月30日 305
 冬になると皮を剥かれて到来するのがアブラツノザメである。サメの中では高級品といえるもので、なぜそうなのかというと「うまいから」に他ならない。煮つけにして身がしっとりと軟らかく、また旨味にコクがある。でも握りに使えるだろうか? 剥いたサメの前で考え込んでいたら、ちょうどたかさんが通りかかった。「ネタにならないかな、これ」、「無理だよ。煮つけにしなさい」。これを見ていた仲卸の社長が「一本持っててやってみてよ」と言ってくれた。帰宅して色々、試してみた強い塩をして1時間。これの表面を焼いてから酢に漬けたもの。ネタに切り付けてさらりと煮上げたもの。両方試してうまかったのが煮つけたもの。ワサビではなく山椒を振ってみた。「まずかねえな、それなりに使えると思うよ。でも山椒の味に身の味が負けているな」。山椒が好きなので気にならなかったのだけれど、確かに個性というか味が薄い。でも、産地などで握りにして出すのは面白いのではないか?
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