第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
五十二巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
この頁の魚貝類は総て和歌山県雑賀崎金栄丸のものです。
握りは総て総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」で撮影しました。
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ミヤシロガイ 2005年12月12日 256
 ミヤシロガイのあるヤツシロガイ科はあまり知られていないが食用になる貝が多い。産地では茹でたり、また身を取りだして煮たりするようだ。これを江戸前握りにするのは本邦初かなと思って『市場寿司 たか』に持ち込んだ。たかさんは比較的保守的な職人であって、サザエやつぶなども握ってこなかった。それで「なかなか形がまとまらないな」と試行錯誤していて、また巻き貝と嫌な顔をしていたが今回はなかなか美しいのだ。ミヤシロガイは煮てもあまり身が硬くならず切り付けしやすいのだ。その、たかさんから「うん、なかなかうまいよ」と言われて、すぐに口に放り込んだ。確かにほどんどクセのない味わいであるが甘味がある。これに貝の旨味がきて、硬すぎない身がすし飯との相性もよい。「これはいけます」とたかさんと同意見。
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虎がに/シマイシガニ 2005年12月13日 257
 どうにも険悪な空気が店内に漂っていた。これは「お呼びでないかも」と後ずさりしていたら、「何持ってきたの。面倒じゃなきゃ握るから」というのに出したのがシマイシガニである。「だからさ、カニは難しいんだよね。軍艦にすりゃ簡単だよ。でもねせっかくのカニの味がだめになるの」、完全に怒っている。「朝から1本(すし飯2升分)握ったのよ。おれも最近疲れやすいしさ」。それは寿司のせいじゃなくて、きれいなねえちゃんの店に行ったんじゃないの。と、勘ぐりながらも出てきた握りに拍手。だいたい不器用な私めがやっと殻から取りだしたがために、身はぼろぼろなのだ。「たかさん、天才」と感激して、一気に口に放り込む。とたんにぐさっと来たのは取り損ねた殻ではありませんよ。強い旨味というヤツ。これにすし飯の酸味がすーっと浮かび上がる。感動していると「ピピピピ」とタイマーが鳴って次の1本が炊きあがる。
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的石持/マトイシモチ 2005年12月14日 258
 テンジクダイ科には釣り師にお馴染みの憎くきエサ取り名人ネンブツダイやクロホシイシモチなどがいる。コヤツらがテンジクダイ科にあって代表選手面をしているために雑魚というイメージだが、ちょっとデカメで味のいいのもいるのだ。それがマトイシモチ。こいつは20センチ近くなる。これなら刺身にも出来るし、と無理を通して握りに仕立ててもらう。たかさん、思わず1かん食べて、「悪くないけど、印象はいいっていうかな」。確かにクセもないけど味もない。「あなたっていい人ね」と言われていつも振られていた、ぼうずコンニャクのよう。
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昆布締め/クロウシノシタ 2005年12月15日 259
 クロウシノシタは前回、生のままというのを取り上げた。そして今回は昆布締めにしたもの。これはやや小振りであったためである。やはり大きいものの方がうまいようだ。今回の30センチほどを刺身にしてもやや味わいに欠ける。それが微かな塩味と昆布の風味で見違えるようになったのだ。これならどうだと『市場寿司 たか』で握りに。たかさん、「やっぱり一仕事した寿司はいいね」だって、その仕事をしたのはコッチでしょ。「コチじゃないだろ、ウシノシタ」というところが親父同士のダメなところ。しかし透明感のある白身がやや飴色になり、その味わいの深いこと。さすがに元帥のヒゲの持ち主だけあるな。
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泥さざえ/ミヤコボラ 2005年12月16日 260
 ミヤコボラは意外に食べる地域の狭い巻き貝だと思われる。今のところ大阪湾、和歌山だけを確認していて、あまり目立つ貝ではないので、貝殻を持参して旅をするとあそこでもここでもと、食べられている地域はもっと多くなるはずだ。さて、このトゲトゲの巻き貝の大きさは高さにして10センチ弱、けっして小さい方ではないのだけれど、貝殻が厚いために取り出す中身が小さいのだ。今回雑賀崎から来たミヤコボラは2つ。これでは2かんは無理。しかも握るに難易度高しなのである。いやいやをする、寿司職人たかさんをなだめながら、結局1個で1かんとなって出来上がったのがコレ。見た目は悪くなったが味はとてもよかった。ミヤコボラはやや軟らかくワタが甘い。そしてその全体の味わいがすし飯に合うのだ。結果よしだよ、たかさん。
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