第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
四十三巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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クラカケトラギス 2005年10月28日 211
 相模湾のキスを釣っているとコヤツによくお目にかかる。多くの釣り師がぽいっと捨てていくのをベテランが拾うのを見て、これはうまいんだな、と持ち帰ったのが出合いと言うものである。食べ方としては天ぷらがあり、干物があり、そしてたまに大きいのがあがると刺身という手もある。真っ白な身でありながら、なかなかこれがたまらなくうまいときがあるのだ。そんなデカイのを市場で見つけて、握ってもらったのがコレだ。見るからにうまそうな、と思って食べたらうまくもなんにもない。寿司職人の、たかさんは「どれにもこれにも旨さばっかり言っていちゃだめ。こういったサラリとしたのもいいんだから」というものの味がないのだ。これは旬の問題だろうか? キスを釣る5月、6月には、本当にうまいのだ。こんなもんじゃない。この答えは来年に持ち越し。
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トゲヒラタエビ 2005年10月29日 212
 エビと言えば、「甘えび」やクルマエビなど一般的に知られているのはほんのわずかでしかない。ほとんどのエビは利用されず、また人の目に触れることもない。当然、このなかには産地などでだけ、食べられていたり、漁師だけが特権的に食べている美味が数知れずある。そしてこのトゲヒラタエビなど、その最たるもの。沼津市静浦の漁師、鈴木尚光さんは底引き網でわずかにとれるトゲヒラタエビを「かぶと」という。「かぶとは、うまいよ。茹でて食うと、ホロっとしとるだ。卵もあまいだら」と膨大な底引きのエビで本種をあえていちばんに語る。これは数がとれるのでおかずになる機会が多いというのもあるが、まさに本音。小さなエビで、茹でて縮んだ身を、それでも握りにまとめ上げた、寿司職人のたかさんですら、「あまいね」というのである。すし飯の酸味と、この甘み、握りはうまいに決まっているのだ。「もっと握ってよ」と、たかさんに催促すると面倒臭くて「いやだいやだ」といいながらたっぷり飽食させていただく。ごめんね、たかさん。
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ハタハタ 2005年10月30日 213
 ハタハタの寿司を初めて食べたのは鳥取市。店の名前は失念したが、駅から賑やかな商店街を抜けて交差する道路で「名物 はたはた寿司」とあった。それで入ると酢締めにしたハタハタを棒ずしにしたもの。中に麻の実などが入っていたと記憶する。その酢締めにしたハタハタはうまかった。だが、この寿司図鑑はそんな正攻法は捨ててしまいたい。そして、いきなり生で握りにしてみた。当然、あきれ顔の、寿司職人たかさんをして「うまくない」という一言がこぼれる。まさに「うまくない」から仕方ない。身に味がないのだ。これは間違いなく失敗作。次回は酢締めにするのだ。
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駿河ばい/スルガバイ 2005年10月31日 214
 北海道から、福島県、銚子くらいまででとれる巻き貝に「灯台つぶ」というのがある。殻つきでも来るが近年、剥きつぶになって来ることも多い。この「灯台つぶ」は北から南にかけて形は似ていても少しずつ変化して種が変わる。北からヒモマキバイ、下がってシライトマキバイ、そして相模湾以南ではスルガバイとなる。味のいい貝であり、当然、生でも食べられる。ただ、黒ごまのような細かな点が散らばっていること、やや軟らかく生では旨味が少ないので刺身は人気が薄い。それで今回は剥いて塩もみ、そして半分に開いて軽く湯引きしてみた。「形になんないよ」とぼやきながら寿司職人の渡辺隆之さんが苦闘して、やっと出来上がったのがこれ。はっきりいって、そんなにうまいもんじゃない。いろいろ面倒なのに、味が平凡なのだ。甘みも強くないし、旨味もほどほど。やはり、駿河路の漁師さんがやるように甘辛く煮た方がうまいかな?
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ユウダチタカノハ 2005年11月1日 215
 持ち込んだ魚を見て「おれはタカノハ(ダイ)は嫌いだって言ってるだろ」と寿司職人の、渡辺隆之さんがイヤイヤをする。「タカノハじゃなくてユウダチタカノハだって、種類が違うよ。しかも夏ならともかく、そろそろ冬だろ、間違いなくうまいから、旬なんだから」と言っても、どこか疑い顔でおろしている。やっと顔の疑わしさが晴れたのは皮を引いてからだ。素晴らしい血合いの色合いである、美しい。しかも脂がのっているのか表面がテカテカしている。そして刺身で味見して、これが凄いんだな。当然、寿司も絶品。何しろ脂がのっている。その脂がとろっと甘く、そして後から旨味が出てくる。すし飯との相性もよし。「今日、白身が好きなお客が来るんだけど、これだそっと」といってたかさん笑顔がいいのだ。これで次に持ってくるのは、当然のごとくタカノハダイに違いない。
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