第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
三十四巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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ツムブリ 2005年9月13日 166
 黒潮にのり海を疾走する虹色の魚、その流線型の美しい形とともに美魚の誉れも高い。これが食べるとなると、見向きもされないらしい。けっしてまずい魚ではないことは釣り人であったときに食べて知っている。それが駿河湾沼津では評価が低く、画像のものを競り落とそうと仲買さんに頼むこともなく「あげるよ」とただでいただくこととなった。沼津での魚の案内人である山丁・菊貞 菊地利雄さんも「めなだ(ツムブリ)は人気がないって言うか、うまいって思わないんです」と宣う。とりもなおさず刺身にしてみる。やはりそれなりにうまいではないか? 『市場寿司 たか』で握りにしてみても、「ブリっていうからいなだに似ているね」と、たかさんの言うとおり。いなだ(ブリの幼魚)そのもので、少し血合いが多い。また大小あって、普通は50センチの大がうまいかと思ったら、40センチの小が脂があってうまい。結局産地での評価が低いのは同時期にとれる、いなだよりも味が落ちるからであるようだ。ちなみに薬味はワサビと生姜で食べ比べると、「ネギと生姜」というのがいちばんうまい。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ボタンエビ 2005年9月14日 167
 ボタンエビと言うと知らない人は「高い寿司屋に置いてあるヤツね。あれはうまいよ」と宣うはず。ところが複雑なことにこの寿司屋の「ぼたんえび」は、ほとんどがボタンエビではなくトヤマエビという主に日本海北部から噴火湾でとれるもの。ボタンエビは反対に太平洋側の東北以南で漁獲されているものなのだ。『市場寿司 たか』の渡辺さんもボタンエビを知らなかったひとり。沼津の底引きで揚がった見事なボタンエビを前に、「色が違うよね。だけど初めてかな」なんて言っている。確か銚子からのものを買っていたのを見ているので二度目だよ、と言うと「そうだ高かったよね」だって。味の良さは駿河湾でとれるエビではいちばん。甘えび(ホッコクアカエビ)のタラバエビ科でも最上のものである。なにより甘えびよりも身がしっかりしている。それで食感がいいし、甘みもあり、旨味も充分だろう。オレンジ色の見慣れぬエビをみかけたらこれはまさに「買い」である。
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いかげそ/コウイカ 2005年9月15日 168
「いかげそあるかな?」なんて言うのを聞くと、とたんにこちらも食べたくなる。しかし、そこで「こちらも、いかげそ」というのは、なんだなと思っている内に握ってもらいそびれてしまう。それが「烏賊下足」ですね。今では冷凍の寿司ネタの定番ともなっているので人気もあるのだろう。ということは、本来ネタに使った余り物としてのイカの足が、海外などで加工され独立した商品として提供されているのだ。これがなかなかうまいのは、回転寿司などで知られていることだろう。ただ、本来の寿司ネタに使った余り物としての方が数段うまいのも知って欲しいな。今回のものは新いか(コウイカの子供)の小さな小さなげそを、たかさんがやっと握りに仕立てたもの。ツメをひと刷毛。そして口にぽんと放り込むと柔らかな、げそがツメと合わさってじわりといい味わいを出す。その柔らかさがすぐにすし飯と合わさって喉の奥に「すーっと」消えていくのが堪えられない。「うーん」と声が出たのは自分では気づかず、たかさんから「声が出たね」と言われて気づいたこと。
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トゴットメバル 2005年9月16日 169
 相模湾から南でとれる「沖めばる」という魚はほとんどがトゴットメバルである。全国的に流通する「赤めばる」「沖めばる」と呼ばれるウスメバルと比べるととれる量も少なく、その上、見た目が似ているのでときに区別されず、ただ「めばる」ということで売られてしまっている。味わいは小型であるもののウスメバルと変わらず、値段もそれなりにつく。これを握りにしてみた。相模湾佐島港からきた見事なものだ。これが身の適度な柔らかさ、そしてその身質から素直に滲み出す旨味、ほんの少しの甘みと相まっていい味である。『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんも改めて「沖めばる、うめ〜な!」とうなっていますので、寿司ネタとして上々ということだろう。
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赤目張/ウスメバル 2005年9月17日 170
 一般に「めばる」というのは本種と標準和名のメバルである。ともに高級魚であり、市場ではなかなか手のでないもの。主に煮つけや塩焼きにされるが、意外なことに刺身にはしない。これはどうもその素直な白身の味わいが、個性に欠けるきらいがあるためであるようだ。すなわち自己主張しないネタに高い金は出せないということだろう。確かに煮つけの旨さは出色のもの。うまさ例えようがない。それをあえて握ってもらった。これを見た『市場寿司 たか』の渡辺隆之さん曰く、「もったいね〜」。でもそのおろした身のきれいなこと、そして味わいともに寿司にしてもいいのではないかと思われた。まったくクセのない素直な白身、そこから旨味も甘みもそれなりに感じられる。そして身の硬さもちょうどすし飯に馴染む頃合いなのだ。たまには意表を突いて「目張の握りもいい」のでは。
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