第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
三十一巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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サーモントラウト 2005年8月28日 150
「サーモントラウト」というのはいかにもわけのわからない名前であるが種名を正確に記すとニジマスということに落ち着き、これまた売る側からも利用する側からも余計に「わけのわからん」ものになってしまう。この理由はサーモントラウトのページを見てもらいたい。さて近年、回転寿司や街の寿司屋などでよくお目にかかるのがコレである。味も脂も現代人の嗜好に合う上に、まことに美しいサーモンピンク。ただし味も見た目も優等生ではあるが、過去に「これはうまい」と感動するものにはお目にかかっていない。すなわち平凡な存在なのである。ところが今回のものは違っていた、仲卸が「国産だってよ」と持ってきた。まさかね? また生で入荷してきている。そして味がずば抜けていいのだ。まず、脂が上品で程良い、その脂に甘味があってこれも心地よいのだ。しかもすし飯にちょうど良い柔らかさときているのだから「言うことなし」。本当にサーモントラウトの国産であるのだろうか?
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
ヒラソウダガツオ 2005年8月29日 151
 夏から秋にかけてそろそろ「そうだ」がうまくなる。定置網で、釣りで見事な「そうだ(ヒラソウダガツオ)」が東京湾、相模湾、駿河湾であがり、カツオよりも値が安いと楽しんでいるのは、かなりの「通」である。なぜならば決して味でカツオに劣らないヒラソウダであるが、「いやいや『そうだ』食べたらカツオなんて下だね」という人が地元に多いのだ。そして「そうだそうだ」とうなずく一人が私である。これを『市場寿司 たか』に持ち込むと、いきなり「ソウダは生じゃ食べられないだろ」と拒否反応を示してくれるではないか? 「それは丸だよマル(ソウダ)、こっちは大丈夫」とイヤイヤ握ってもらって、たかさんにもソウダの旨さを知ってもらいました。カツオよりも酸味が少ない、その上、なんだか旨味があるのは皮下の脂のせいだ。すし飯との相性も抜群でネタとして上々。当然のことだが、たかさんからも合格点をいただく。
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アブラガレイ 2005年8月30日 152
 回転寿司で見かける「縁側(えんがわ)」というのは北洋のカラスガレイのもの。それが近年アブラガレイの縁側も流通していると築地市場・おさかな普及センター資料館の坂本一男先生からお聞きしたことである。それではこの大型カレイの身の方はどうなっているのか? カラスガレイはほとんど市場では見ることがないのであるがこちらは鮮魚でもフィレでもよく見かけるのだ。このフィレ、本来はムニエルやフライになるもの。これを試しに握りにしてみた。これが意外なほどうまいのである。トロッと脂があり、充分に旨味もある。「これは握りにも使えそうだね」、たかさんがさっそく仕入れに行こうとするのを止める。「これはね。決して生食用ではないの。冷凍の仕方もとれてすぐに船上でというのと陸に上がってからというのがあるわけ。船上なら生もいいだろうけど。今回は店で使うのはやめましょう」。それほどうまいものなのだ。アブラガレイを取り扱う業者の方も生食用にもっと目を向けていいのかも。
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蛍じゃこ/ホタルジャコ 2005年8月31日 153
 容姿端麗、そしてうまさ抜群の寿司ネタがある。それがホタルジャコである。これが『市場寿司 たか』に持ち込むまでは、そこまでの期待はなかったのである。言うなれば交通事故に遭うがごとくその衝撃はきたのだ。ホタルジャコは愛媛県宇和島や八幡浜では名物じゃこ天の材料としてなくてはならない魚である。それが他の地ではまったくの雑魚。食べられるわけがないと思っている人もいるのだから残念。この魚を最初に評価したのは、たかさんである。軟らかくておろすのが大変なのだけれど、ていねいに片身1かんにして、その仕立て上げられた握りの見事なこと。そして感動的な味はなんと表現すべきか、とろっと脂がある。それがネタとして全体の調和を生み出している。そこに甘味がきて舌にほんの少しだけ残る旨味。すし飯との相性も、相思相愛だな。
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八の字/メバチマグロ 2005年9月1日 154
 マグロでもっとも親しみ深いのがメバチマグロである。ほとんどの魚屋、またスーパーなどではこれが置かれている。本まぐろ(クロマグロ)が寿司屋、しかもかなりお高い店の特別なものであるとしたら、こちらは庶民派、いつでも食べられるものと言える。当然、市場でもメバチマグロが大量に解体されるわけで、その頭があっちにゴロリン、こっちにゴロリン。その頭の目の上に漢字の八の字を上下逆に並んでいるのが「八の字」。脂が強くて旨味が濃厚。やや小さすぎるのと筋が多いのが何点であるであるもののこれも寿司ネタになる。やはり本まぐろやインド(ミナミマグロ)に比べると味は落ちるが、それだけに味わいは軽く、赤身に近い味わいが楽しめる。
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貝焼き/キタムラサキウニ 2005年9月2日 155
 福島県は東北への入り口、その最南端にあるのがいわき市である。いわき市のいちばん北に最たる漁港があり久ノ浜という。ここには底引き網、刺し網、タコかご漁、ウバガイのけた網などがあるのだけれど夏には潜水漁でキタムラサキウニをとる。この地域では潜水でとってきたウニは珍しいことにあまり生では食べない。身を出し、ホッキガイの貝殻にこれでもか、と詰め込んで小石を強いた釜にいれて蒸し焼きにしてしまうのだ。これがいわき名物のウニの貝焼きである。これを握りに仕立ててみた。たかさんに言わせると「貝焼きウニは決して味が強くないね。むしろさっぱりしている。これが物足りないとは思わないけど、期待はずれだね」とのこと。でも出来上がった握りはなんだか姿も面白く、しかもウニがふわっと香りとともに舌で潰れていくのが心地よい。そこに甘みが来て、すし飯と馴染むこと絶妙。ふと、たかさんの方を見ると「別にうまくない」と言っていた貝焼きをむさぼり食っている。結局、うまいんじゃないの。
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