第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
二十五巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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ホソトビウオ 2005年7月29日 121
 市場では「とびうお」は総て「飛び魚」であって、春先に来るハマトビウオも夏のツクシトビウオも区別しない。入荷する量も多く、また値段も安いのにも関わらず人気薄である。トビウオの仲間はどれも脂がすくなく淡白な味わい。食べて物足りないのだ。これを買ったならば必ず一手間かけるべきである。今回のものは三枚におろして一塩、酢で塩を洗い流して一晩寝かせたもの。これを『市場寿司 たか』に持ち込むと、まずたかさんから「仕込みが悪い」と一喝。それをネタ用にきれいに形を整えて出来上がったのが2かん。これはなかなかうまい。淡い酢の味と塩の加減でホソトビウオの旨味が表に出てきている。すし飯との相性もいいと思いすが「いかがでしょうね」と聞いても、たかさんからは「全体にネタとしては弱い」とひとことだけ。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
飛び子/ホソトビウオ 2005年7月30日 122
 寿司のネタで「飛び子」または「とびっこ」というのがある。これは夏に回遊しているホソトビウオの子だと思われる。醤油漬けなのだろうか加工品として見かけるのは、なぜか鮮やかなオレンジ色に染められて、しかもかなりアミノ酸、佐藤などできつい味つけがなされている。では本当のトビウオの子というのはいかがな味わいだろう。ホソトビウオの卵巣を取りだし、塩をして2〜3時間おき、塩抜き。酒と味醂少々、醤油少々の地に一晩漬け込んだ。これはなかなか味わい深いもの。ホソトビウオは卵巣自体がうまいようで、ぷつぷつとつぶすと甘味がある。この甘味に醤油の香りがいいではないか。そしてすし飯。ホソトビウオは身より子かな。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
太巻きずし(千葉県君津市小櫃) 2005年7月31日
 テレビとか雑誌で見て知っていたのになかなか現物にお目にかかれないものってある。食の世界で言うと、家庭でしか作られない郷土料理がそう。年に何回も魚貝類を見に行くのでそのたびに地元系のスーパーや農協の直売所をのぞいて探していたのが、「太巻きずし」。千葉の太巻きずしは花などの絵柄を幾重にも小さな巻きずしを巻き込むことで作り出しています。その巧妙なこと。これを見つけたのが君津市小櫃の味楽囲という直売所。名前は懲りすぎでちょっと独りよがりであるのは否めないが、なかなか優れた店。ここが優れているにはわけがあって、ほんの少し前までは小櫃の市街地に簡素でそっけない直売所があり、ここは目立たないがとても魅力一杯の優れた店。これが名前を変えて移っただけだったのだ。駐車場の隅には自噴のわき水があり、うまい水が汲み放題なのもいい。このきれいな太巻きずし、甘めの味つけで残念ながら味は平凡。
ルリハタ 2005年7月31日 123
 ハタの仲間は数あれど、これほどまずそうな配色の持ち主はそんじょそこらにはありません。コバルトブルーに激しく眩しい黄。それに身体がとても平べったい。当然、関東などの流通の市場には滅多にこない。いやまずこない魚ではかいだろうか? この魚、別に猛烈珍しいわけではないのに、なかなか手に入らなくていらいらしていたら、沼津から吉報がきたではないか? 「もしもーし」と穏やかな声の主は沼津・佐政水産の青木修一さん。沼津にあってまるで魚類学者のような仲卸に社員さん、彼からの電話があると、いつもワクワクしてしまう。そして今回のルリハタが来た。初めて卸した身はハタ科の魚特有の美しい白身。これをやや薄目にネタ切りして2かん。「う〜ん、身がしっかりしてるね。うまいよこれ」とたかさんの感想を受けてぱくりと口に放り込む。確かに水揚げされて3日目だというのにまだ硬い。それでも噛むとじわりと旨味が来る。硬いのですし飯との相性はイマイチながら、理屈抜きに爽やかな一品である。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
丸さば/ゴマサバ 2005年8月1日 124
 もう8月になってしまった。真夏が楽しいなんて子供だけの思い。だいたい食い物がうまくもなんともない。そんなときに沼津の菊貞・菊地利雄さんから聞いたのが「丸さば」と呼ばれるゴマサバのこと。7月初旬に持ち帰って撮影したのが左の2かんなのだけれど、「ちょっと待った方がいいんです。せめて7月下旬から8月まで、その時期なら平(マサバ)よりもうまいと言う人もいる」。こう諭してくれるのを塩をふり、酢で洗って『市場寿司 たか』まで持ち込みました。これがよかった。まだ脂ののりはイマイチなれども、血合いの酸味がアクセントになり、身の旨味もほどほどにすし飯とケンカしないほどに個性的。たかさんも「これは悪くない、いいんでないの」とまんざらウソではない賛辞を送ってよこす。
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●沼津市静浦 大成丸
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あごなし/クロサギ 2005年8月2日 125
 初夏から秋にかけて大分や静岡などから入荷してくるのがクロサギ。見栄えもよくないし、知名度もない、当然「知らないものは買わない」ということで仲卸で何度も名前を聞いてくる。するとなんだかわけもわからず「さぎの仲間か?」なんて合点するのはおかしいんじゃないの? この魚、沿岸域の砂地にいてしばしばまとまってとれるのか市場への入荷は珍しいものではない。普通は塩焼きか煮つけに使われるんだと思うけれど、クセのない白身は刺身でも“悪くはない”。これを握りに。「あんまり味のある魚じゃないね」と言うたかさん。その通り、味のないのが、味の内。お邪魔にはならないよ!
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」


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