第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
十巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
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箱河豚/ハコフグ 2005年5月15日 46
 関東の相模湾、東京湾、外房で普通に見かけられる魚である。定置網、刺し網などでとれるのだが、まったくといっていいほど利用されず、港の隅で干からびて石かと思われて蹴飛ばされている。そんなときには当然のごとくいただいてくる。そして五島列島の郷土料理「みそ焼き」や刺身を楽しむわけだ。この刺身がうまい。脂が強すぎる肝をほんの少しつけ合わせて、まったりした身に合わせるのがいい。今回は東京湾内房の萩生港であがったばかりのハコフグをいただいてきて身をえんやらとっとと取り出して、茹でた肝とともに「市場寿司 たか」に持ち込みました。「なんだこりゃ?」といぶかるたかさんをなだめつつ出来上がったのが絶品。どちらかというとトロンとまったりした味わいを酢飯がキリリと締めてくれる。「こんなに手間がかかっちゃ採算合わないよ」という、たかさんの感想は無視しましょ。
●肝に関しては食用が禁止されています。もし食べるなら自己責任ということになります
市場魚貝類図鑑、ハコフグのページに!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
鯒/コチ 2005年5月16日 47
 驟雨沛然。朝方から動くと汗ばむようだった。東名高速はほんの100メートル先の視界もおぼつかない。何台かのクルマはライトを点灯させている。そしてトンネルを抜けると青空が目映いばかりなのだ。5月の箱根足柄越えではよくあること。厚木で下りてすぐに『市場寿司 たか』に乗り付ける。午後3時過ぎ、やっと手が空いたたかさんが、市場の仲間と談笑しているのを無理矢理店に戻す。沼津から持ち帰った、まだ生きているコチをさばいて、そして目の前に出たのが初夏の握り。「この時期のコチはいいね。できればネタで仕入れたいけどね」、それでも値段を抑えて営業している寿司屋には値段的に痛いものである。シコっとした食感が爽やか、そしてジワリとうまさがしみ出してきて、ほんの少し甘い。「初夏を食っているようだ」。
市場魚貝類図鑑、コチのページに!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
普通の寿司屋
 我が『市場寿司 たか』は普通のありきたりな寿司屋である。病には主治医というのがあれば、寿司屋にも「近所のいつもの寿司屋」がないと日々の暮らしにほつれを感じないだろうか? お父さんの、小遣い少ない身にとっては名店と呼ばれる1個1000円〜2000円の寿司なんてとても通えないが、『市場寿司 たか』ならその1個分で充分満足のいく寿司を味わえるのだ。そして元気がなくなって、少々心にも体にも重いものを抱えているときに食べるのが河童巻きである。「たかさん、2本お願い」とこれを一気に食べると世の憂さも消えるから不思議。まあ自分の取り得というのがこの単純さなのだけれど、河童巻きってうまいな。本わさびは使わない、ときに冷凍ものも使っている。だからやっていけるのが街の普通の寿司屋。そこでうまいまずいを学んで、そして何年かに一回くらいは高い寿司屋に行きたいかな。もし『市場寿司 たか』に行かれることがあれば寿司図鑑見ましたよ! と言ってくださいね。別にいいことはないと思いますが。
ズワイガニ 2005年5月17日 48
 今や国民的な嗜好品となっていないだろうか? ズワイガニは。タラバガニ、ケガニと比べてもダントツに好かれているのはその甘さと旨味の強さだろうか。その割にあっさりしているのは苦みが少ないためだ。この複雑な苦みが大人の味わいなら、ズワイは子供っぽいとも言えそうだが、今や国民総子供化が進んでいて「それじゃあんたは嫌いなのか?」と問われると好きなのだから自分もちょっと「今風」かな? 『市場寿司 たか』でこんなな話をしていると「好きなんだよねコレ」と出てきたのが写真の握り。どうもこの甘さがすし飯に合うようで、やっぱりうまいな!? 「越前がに」「松葉がに」なんて呼ばれるのは国産の日本海でとれたもの。当然、街の寿司屋である、たかさんのところで使うのはロシア産です。あしからず!
市場魚貝類図鑑、ズワイガニのページに!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
アイナメ 2005年5月18日 49 夏から初秋
 あまり知られていませんがアイナメは東京湾を代表する地物魚です。秋から冬にかけては専門の乗り合い船も出て盛況。この釣り、ぶらくり仕掛けという重りとハリが一体になったものにアオイソメをつけて根の回りを探りながら釣り上げるもので、当たりがゴチンと腕に伝わり面白いんです。そしてこの江戸前のアイナメがうまい。常磐ものの一升瓶のような大物ではなく、大きくてビール瓶ほどの大きさですが、味は湾内のものが一つ上かも。アイナメの旬は夏から秋ではないかと思うのだけれど、アイナメはなぜかいつもうまい。今回は『市場寿司 たか』のたかさんが「いいのがあったから仕入れてきた」というのを握りに。ふたりで食べてみて、味はほどほど。旨味もあるし、クセもないしと思ったが、「イマイチなにか足りないな」というもの。やはり夏の魚であり早すぎたせいだろうか? アイナメは季節ごとに試してみることにする。
市場魚貝類図鑑、アイナメのページに!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
小鰺/マアジ 2005年5月19日 50
 昨日の八王子綜合卸売センター、高野水産でのこと。店頭に尾ビレの黄味がかった素晴らしい小鰺が置かれていた。これは愛媛県宇和島市の「秀長水産」という荷主からきたもの。あんまり見事なので見とれていると高野社長がだまって何本か「味をみてよ」と手渡してくれた。そして『市場寿司 たか』に走る。あっという間に出来たのが分厚い身の見るからにうまそうな握り。「これならしょうがはいらないね」というのでしょうゆをチョコンと垂らしてぱくりと口に放り込んだ。身が柔らかく感じるのは脂がのっているためだ。トロンとした舌触り、ネタが大きめなので口いっぱいに旨味がふくれあがってくる。ちょっと涙がこぼれそうなうまさだ。「たかさん、これいいね」、今日は小鰺、仕入れだね! というと「ダメダメ、誰も頼んでくれないよ。今時の人には背の青い魚自体人気がナイノよ」。まったく残念至極。
市場魚貝類図鑑、マアジのページに!
●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」


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