寿司図鑑365 目次へ!
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白貝/アラスジサラガイ 2005年4月30日 31
この真っ白なサラガイの仲間を初めて見たのは山形県酒田市であった。サラガイ、アラスジサラガイ、ベニザラガイの3種をして築地など関東の市場では「白貝」という。また富山市で入った寿司屋では「万寿貝(まんじゅがい)」なんていっていた。現在関東には北海道からまとまって入荷してくる。味わいは青柳(バカガイ)から苦みと独特の風味を取り去ったよう。残念ながら寿司ネタとしては弱いかなと思っていつもの「市場寿司 たか」に持ち込みました。「初めて使うよ」という、たかさんの評価は意外にも上々。個性はないけど、食感甘みともあり、すし飯との相性も良し。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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スズキ 2005年5月1日 32
若葉の頃となって旬を迎えるのがスズキ。その弾力のある白身に脂ものり、旨味が加わる。スズキをときどきネタとして使っている「市場寿司 たか」の外は驟雨に襲われて荷を運ぶ人たちが走り去る。この雨が降るたびにスズキの味がよくなるのだ。この白身の上品な味わいに微かなスズキ特有の川魚に近いようなクセというか風味がある。そこがすし飯にのっても存在感を維持できる持ち味になる。ただ残念なことに関東では特にスズキを注文する人がわずかしかいない。東京湾でもうまいスズキが連日のようにあがっている。これをむしろ大阪に回してしまうともいう。残念でしかたない。賢い東京人よスズキもあるぞ!
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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あぶらごそ/ヒウチダイ 2005年5月2日 33
これはあまり馴染みのない魚。初めて見るむきには珍魚とすら思えそうな魚である。それが外見に似合わずうまいのなんのって、深い場所で行う底引き網のある港などでは見られるし、周辺では買えるものだが、どちらかというと産地でもあまり知られていないだろう。沼津魚市場ですすめられて刺身で食べたらあんまりうまいので、当然のごとく持ち込みました「市場寿司 たか」へ。そしたらやっぱりただ者ではない。身はメダイを思わせるようなやや白濁した白身。この白濁はすべて脂のもの。噛みしめるととろっとしている。それなのにシコっとした食感も楽しめて、すし飯と合わさる。これも絶妙。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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白えび/シラエビ 2005年5月3日 34
このエビ、意外に知られていないのではないだろうか? 食用としては富山県だけが産地、市場ではプラスティックのトレイにのって主にかき揚げなどに使われる。また近年、むき身も売られていて刺身としても利用され始めている。ただこの刺身であるが、本当は丸のままきたものを、手間も惜しまず手でむいて食べる方が甘みが強くてうまいのだ。ただそんなことをやっていたら寿司屋も飲食店も成り立たないのが残念でしかたない。今回は2個分だけむいて「市場寿司 たか」まで急ぎ、またまた、たかさんを急かせて軍艦に仕立ててもらいました。これがなんともたまらなく、甘く、ちょっとクリーミーでもあり、すし飯とともにほぐれて消えてくれる。手間を考えると贅沢きわまりない寿司である。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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まつぶ/エゾボラ 2005年5月4日 35
ほんの一昔前までは北を代表する巻き貝の王であったものが、今や関東の市場でも見ない日はない。例えばサザエがないと居酒屋や魚屋さんが困ってしまうように、「まつぶ」も定番商品となっているのだ。これはサザエほど磯臭くない。また同じようにコリっとした食感ながら、シコっと噛みしめられるのもいい。味わいは貝の風味と微かな苦みをともなった甘みがあり、ふくよかだ。寿司ネタとしては使っている寿司屋も多く今では平凡なもの。今回のものは殻から出して、水洗い、ほんの少しだけ塩で揉んで「市場寿司 たか」に持ち込んだ。「もっと丁寧にワタをとりなよ」と唾液腺を取り出すときの包丁の入れ方に文句がでたものの、たんたんと2かん(個)あがり。
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●握りは八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
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