第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
三巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
毎日、1種類ずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
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ゑんどう/つかみずし(大坂) 2005年4月10日 別巻
 
大阪に珍しい握りありというのを聞いていた。その名も「つかみずし」というその寿司は一度だけテレビで見たことがあるのだが、あまりに低級なリポーターに何がなんだかわからなかった。でもそこで判明したのは市場内にあるということ、そして大阪の鮮魚を扱う市場が「雑喉場」と呼ばれていた時代からあり、その明治40年に『ゑんどう』で生まれたのが、まったく新しい握り寿司である。江戸前握りとの違いはすし飯の温かいこと、酢が軟らかくやや甘い、すなわちはんなりした寿司であることだ。
●大阪中央卸売市場内『ゑんどう』
穴子/つかみずし 2005年4月10日 11
 ご飯ははんなりと甘く、そして酢飯は刺すようではない。そして口に入れるとほろっと溶けていくようだ。これは四角い型にでも入れて作られるのか? たぶん形作るのに、ほんの微かに押しているだけ。すし飯の米つぶと米つぶは明らかに長楕円形のままつぶされていない。上にのっているアナゴは柔らかく、旬は未だ先の4月上旬だというのにとろっと脂が舌に甘い。味わいは調味料の甘さはほとんどなく、しょうゆも控え目、口の中で溶けても後に残らない。穴子の下には三つ葉、そして板海苔がしかれている。どうしてこれほどに淡白でしかも味わい深いのか? 大阪の寿司恐るべしである。
市場魚貝類図鑑、マアナゴのページに!
●大阪中央卸売市場内『ゑんどう』
サヨリ/つかみずし 2005年4月11日 12
 春の魚といったらサヨリもそのひとつ。この時期のサヨリの味といったらまるで恋人のようではないか? 淡いけど魚の持ち味、味わい深く、それでいて脂があるのか噛みしめると最後の瞬間にとろっとした食感がある。「市場寿司 たか」でも春はサヨリかな? なんて江戸前寿司のネタ談義をしているが、華やかな春の燃え立つような「むんむん」してしかも「心地よい清純さ」は江戸前の仕事では「ちょっと表現できない」のではないだろうか? 野には初陽炎、やたら若い娘が美しく見える春長けた今頃にはんなりした大阪「つかみずし」の手仕事がその微妙な柔らかさをもっとも引き出してくれそうだ。
市場魚貝類図鑑、サヨリのページに!
●大阪中央卸売市場内『ゑんどう』
みるがい/ミルクイ 春 2005年4月12日 13
 市場に来て、これもちょっと奇妙なもののひとつ。二枚貝の貝殻はありきたりなものなのに、そこから黒っぽい、ちょっと卑猥な感じすらするいちもつがブヨヨンとのびている。これが二枚貝において値段のキングともいえるミルクイである。「ミルという海藻を食う」ということから「みるくい」となったようだが決してミルは食べない。ブヨヨンとのびているとのびている水管を寿司ネタとする。安いときでも2500円/キロはする代物。おおよそ200グラムはあるから1個500円もする。一個で3個とれたとして、安くて160円ほどの原価、高いと300円くらいになる。これに職人のわざと手間をかけると1個で千円はくだりません。味わいは甘みがあり、ちょっとしこっとして、しかも柔らかい。上品でいながらすし飯に負けない存在感である。
市場魚貝類図鑑のミルクイのページへ!
●八王子綜合卸売センター、「市場寿司 たか」
本えび/ヒゲナガエビ 秋から木の芽時まで 2005年4月13日 14
 深海を引く底引き網の産地で「本えび」、尾鷲ではなぜだか「がすえび」と呼ばれる中型のエビである。生で食べても、天ぷらや茹でエビにしてもいいのだが、沼津などで人気なのが寿司である。甘エビ(ホッカクアカエビ)よりも甘み旨味ともに控えめながら、身がぷるっとしていて食感がいい。「市場寿司 たか」さんによると、寿司ネタとしては可もなく不可もなくなんだという。近縁のエビがアルゼンチンから冷凍輸入されているくらいだから、国産の生ということでこちらの方がうまいはず。
市場魚貝類図鑑のヒゲナガエビのページへ!
●八王子綜合卸売センター、「市場寿司 たか」/沼津魚市場菊貞・菊地利雄さん
キンメダイ 2005年4月14日 15
 
市場でもっとも目立つ魚がキンメダイである。ただし量が多いというのではなく、その深紅の色合いがやたら目立って存在感があるのだ。一昔前なら「キンメは煮つけ用だな」なんて評価だったのが、最近は「一に刺身二に煮つけ、三四はないよな!」というのが現今の位置づけである。その刺身を寿司ネタにするという考えはだれでも思いつきそうなこと。今では寿司屋にキンメの握りがあっても当然のように思うが、本当は新しいネタである。さて「市場寿司 たか」のキンメの握りであるが、これが抜群にうまい。脂がのっていて、その脂がとろっと甘い。身質は柔らかいのであるが、しっかり噛みごたえがあって、すし飯との相性がいいのだ。
市場魚貝類図鑑のキンメダイのページへ!
●八王子綜合卸売センター、「市場寿司 たか」


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