生きもの雑記帳創刊について

 ぼうずコンニャクが市場を中心とした魚貝類を調べ始めて20年になります。そのきっかけは、ただ単に魚屋に並ぶ魚貝類の生き物としての多様性に惹かれ、魚類図鑑を1冊購入したことに始まります。その魚類図鑑は小さなものでしたが、ひとつひとつ1ページ1ページめくり飛び込んでくる魚すべてが新鮮で、これを実際に見てみたい欲求に駆られました。ところが、そのどれをとっても、たやすく出合えるわけではなく、東京という大都市では無理であると初の東北市場の旅にある深夜、突如出立しました。これが以後の私的旅の形となるのです。山形でみた真っ白な二枚貝(サラガイ)、新潟に並ぶ大形の巻貝(チヂミエゾボラ)、青森の市場を逃げまどう湾内ガニ(トゲクリガニ)と、今でもひとつひとつ鮮明に思い出せます。
 そんな中で大きな壁にぶつかりました。それは図鑑では名前(和名)のわからないものがどんどん増えてきたのです。すなわち図鑑に載っていないもの。図版とは色合いや幼老により形態の違うものなどで、これは生物全般に関しての基礎知識に関して勉強するしかないと思い立ちました。そして、できれば専門家と言われる方にその手引きをしてもらえないものかと、多くの一般書を手にとりました。ところがこれが、なかなか至難でした。今のようにインターネットのない時代です。悪戦苦闘の末に諦めました。この時期に魚類では『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)が出て魚の同定に関しては飛躍的に向上したのもこの理由のひとつです。
 このような迷路のなかで、初めて見つけた光が水産業、水産物中卸や地方市場自体の面白さです。日々移り変わる水産物取り引き、そこには悲喜こもごもの物語があります。それが実に面白い。この日々の水産物市場通いもすでに10年を超えますが日々新しいことに出合えます。次に見つけた光が漁師さんとのふれあいです。相模湾をはじめ、各地で出合った漁師さんはなかなか魅力的であり、豊富な種類の魚貝類を見せてもくれます。その漁師さんのひとりが永野廣ですが、彼との出会いは我が市場魚貝類図鑑の内容を大きく膨らませ、またたくさんの副産物をもたらしてくれました。
 彼が引き合わせてくれたのは生き物に留まりません。生き物以上に彼の『いごっそう』ぶりをしてたくさんの人との出会いももたらしてくれたのです。
 そのひとりが、今回本HPアンソロジー『生きもの雑記帳』の創刊をページを書いていただいた高知大学の町田吉彦教授です。ある日、永野廣からケータイに連絡が入りました。いつもと変わらぬ土佐弁で「あのね」ときて、「今、浦戸湾の調査をしとんのじゃけっどな」と脇にいる町田先生にケータイを渡したようです。まったく唐突な出会いですが、私の性格からして、まずこのような出会いは望めません。町田先生とのメールのやりとりから生まれたのがこのページであり。このようなページの必要性もそこから見い出したものです。
 すなわち私のような一般人が研究者と交流を持つことは、今の日本では難しい。ところが、これが研究者同士にあっても決して簡単ではなく、同じ場所、研究の目的からして重なる部分が多くても、それを知らないでいることも多いようです。そこでこの場にて、ぼうずコンニャクをめぐる研究者・水産関係者・漁師など、また生き物の好きな一般人。町田・永野両氏をめぐる方達から初めてアンソロジーを作ることにいたしました。



 このアンソロジーは2つの分野に分かれます。ひとつは『浦戸湾文庫』。これは浦戸湾・土佐湾の生きものを中心としたページですが、その文章中の生きものに関することなら文庫内に掲載します。すなわち浦戸湾・土佐湾の生きもの、漁、研究の歴史・裏話などを中心としたHPです。


 これは『浦戸湾文庫』より自由なものです。基本は生物の研究・漁のことなどですが、もっとくだけたものでも掲載することがあります。また、ここで重要な主題となるのが全国でバラバラに、また孤立してされている研究調査を助け合えないかと言うことです。例えば「こんな甲殻類を調査していますが、見たら教えてください」とか、そんな文章とならないものでもOK。それだけのページも作りたいと考えています。

文章掲載の規則
 これを掲示板にしなかったのは掲載するまでにじっくり読ませていただき、ぼうずコンニャク自信が掲載の可否をしたかったためです。ただし、けっして堅苦しいものではなく、読みづらいものや、あまりに専門的すぎるもの、専門家だけの独善先攻を防ぐなどが目的です。もちろん中傷は不可。宣伝目的のものはじっくり有余をいただいて掲載の可否を問います。掲載の規則は次に記します。
●できれば生年月日、大学、職業を明記したい(ぼうずコンニャクは謎なのに何故と思われるでしょうが)。掲載したない場合は理由を明記してください
●文章は掲示板的なもの以外は200文字以上
●個人のことを書くときには許可をとってください(これは書いた本人の問題ですが)。許可をとったものとして掲載します
●本の引用要約はいっさい不可。自分で調べて、自分の言葉で書いてください



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