水産加工品
しらす・ちりめん
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しらす・ちりめん
■市場とくに東京築地などには専門店まである。冷凍保存で年中出回る。近年輸入のものもあるという
 しらす、ちりめんというのは、カタクチイワシを主な原料とするもの。これを総称するつもりでここに別項をたてる。しらす=カタクチイワシの稚魚とある書籍は多いが、他にもマイワシ、イカナゴなども原料とされ、同様に加工されるものにシラウオなどもある。また「釜あげ」「しらす干し」「ちりめん」というのは、製造法・地域的な嗜好を反映したもの。すべて材料を茹であげて、その後の製造法の違いにより製品名が変わる。

釜あげ/しらすを塩水で茹でて、ざるなどに上げて冷風で粗熱をとっただけのもの
しらす干し/しらすを塩水で茹でて、ざるなどに上げて冷風で粗熱をとり、水分60パーセントほどに干し上げたもの
ちりめん/しらすを塩水で茹でて、ざるなどに上げて冷風で粗熱をとり、水分40パーセント前後に乾燥させたもの。
すなわち、「しらす干し」と「ちりめん」は乾燥の度合いの違いである。ただしそれぞれ茹で汁の塩分濃度は、「しらす干し」がいちばん強く、以下、「ちりめん」、「釜上げ」と低くなる。すなわち、保存性は初夏などでは「ちりめん」(5〜10日もつ)がいちばんよくて「しらす干し」(7日前後)、「釜上げ」(1〜2日)となる。
 地域的にも「ちりめん」は関西など西日本に、「しらす干し」は東京を中心とした関東のものである。
●本項は「しらす・ちりめん」のことで新しい情報、事項があれば随時追加改訂していく
↑高知市の永野さんからの「しらす」。四国は「しらす・ちりめん」では日本有数の銘品の産地であると思っているが、これも特級品。永野さんの品物は高知市の『日曜市』で買える
↑(左・中)秋にとれるカタクチイワシの「しらす」。静岡県では各地でとれたての「しらす」を生でたべる。魚屋の軒下にも『生しらす有ります』の札が下がり、これで食べる朝ごはんのうまいこと。(右)は「釜あげしらす」。生しらすが夕方には味が落ちてしまうのに対して、一般的にはこちらの方が食卓をにぎわせることが多い。これは茹で上げてから翌日いっぱいまでが食べごろであるが、なんといっても茹でたてをご飯にのせて食べるのがいちばん
言わば塩ラーメンでも高知県なので
どろめラーメン
 漁師さんや製造に従事する方達にしか知られていない食べ方というのはあるもの、だとは何時も思ってはいるが、今回のこれにはまったくビックリとさせられた。今回、高知市の日曜市にも店舗をもつ永野さんに「しらす」を送っていただいた。そのときになにやら得体の知れない液体がついてきたのである。「なんだろう」と思って思案して永野さんに電話すると、「しらす」の茹で汁であるという。「ラーメンにするとうまいよ!」と言う。この意外な代物、そのままでは塩辛いが、薄めて温めると濃厚な澄まし汁、なかなかうまいし生臭さもほとんどない。
 それではとラーメンを作る。
1●まず汁を適度に薄める。
2●麺を茹でつつ、どんぶりにねぎ、コショウ、しょうがの搾り汁(いらないかも知れない)を入れて汁をそそぐ。
3●ここに茹であげた麺を入れる。これで出来上がり。
 もっとこって作ることもできそうだが、これが塩ラーメンとしてかなりのうまさなのである。「しらす」の
茹で汁でラーメンを作るというのは、ひょっとしたら今ブームの、ラーメンの世界に新たなスープの系統が加わるかも?

しらす・ちりめんの混ざり物小図鑑
頭足類、たぶんタコの赤ちゃん
高知市永野さん
マアジの稚魚?
高知市永野さん
エビの赤ちゃん
ゾエア?
高知市永野さん

イカナゴ(かなぎちりめん/かますご干し)
■イカナゴを原料とする、しらす、ちりめんも市場(流通の場では決して少なくはない
 日本全国で漁獲され、食用はもとより養殖魚の飼料などにも使われる。このイカナゴは生まれてから間もない、小さいものが価値があり、これを材料とする、ちりめん、しらすも小さなものほど高価である。この
ちりめん・しらすは無着色では赤味がかり、見た目が悪い。これは内臓などにもっている脂が酸化され色づくもので、これがために市場価値が低い。それで比較的早くから酸化防止剤、漂白剤など使われ、市場には白っぽいものがあふれている。ただしこの「白」よりも「赤っぽい」ものの方が添加物も少なく安全であるとも言えそうだ。
 値段は魚体が小さければ小さなほど高い。市場で調べてみても卸で5センチほどの大形のもので100グラム/120円から、2センチ弱の小さなもの100グラム/220円までの開きがある。ちなみに大形のものはもっと値引きもあるようだ。
メモ/産地について見かけたものを列挙していく(改訂するたびに増えていく)、茨城県北茨木市大津(小・上物)、三重県津市(大・安いもの)、兵庫県淡路島北淡町(大・安いもの)。
●八王子魚市場
■カタクチイワシとは違い、味わいがやや重い。すなわち旨味が強く、また苦味など雑味が多い。これは魚体が大きければ大きいほど、この傾向が強くなる。この荒れた味わいは、不思議と七味唐辛子(一味でもいい)と相性がいい。大根おろし、七(一)味唐辛子と取り合わせると、カタクチイワシのしらす・ちりめんとは違った味わい。焼酎に非常に合う。また小さなもので干しのよいものは、カタクチイワシちりめんに負けぬ味なのであるが雑味(苦味)は食べた少し後に残る。



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