沼津の干物屋さん。
カネマル笹市
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職人気質のアジの開き/カネマル笹市
 志下というのは沼津市街から海岸沿いに伊豆半島に向かって15分ほど。道路は2車線で狭く、その沿道にはこれといった目立つものはない。結局、地図にあるカネマル笹市の左折すべき道がわからなくて、右に静浦港が現れて通り過ぎたことがわかった。Uターンして適当に右折。右折してすぐ目に飛び込んできたのは干物工場である。この干物工場を過ぎてすぐに、こんどはサクラエビ直売の文字、これを過ぎてまた干物工場にぶつかる。市街地図を見ながら静浦小学校を探していると、またまた干物工場に迷い込んでしまった。この時点で、クルマに差し込む日差しは強く、睡眠時間0時間の疲れがどっと脳天を直撃する。まったく志下は干物工場ばかりではないか? 安易に志下に行けばカネマル笹市が眼前に現れてくると思った愚かさに悔いが湧き上がる。

 沼津はアジの干物の生産量ではの日本一である。これは戦前に比較的塩分濃度が低く、あまり干していない軟らかな干物が静岡県で作られるようになり人気が出たこと。東海道沿線と言うことで、戦後、原料のマアジが九州などから陸送されることでも、また大消費地東京に近いことからからも絶好の地であった。そして富士山からの伏流水という素晴らしい水に恵まれたことも大きいだろう。

 やっと「カネマル笹市水産」の文字を見つけたのが朝の7時半になっていた。クルマから出るとまだ朝も早いというのに暑くて、迫る山からは関東にはいないクマゼミの声が通奏低音のように聞こえてくる。入り口がわからないので窓から覗くと、ちょうどマアジを開いている光景がある。すぐに笹原卓也さんが出てきてくれて工場に入れて招いてくれた。工場は天井が高くがらんとした空間であり、その端っこに魚を開く場所があた。ここでは女性4人、男性2人がアジを開いていて、奥に男性がひとり。魚は6時半から開くと言うことで、すでにマアジ以外のツボダイが開かれて、干し網の上にのっている。
 カネマル笹市水産は創業26年(2004年現在)。沼津にあっては比較的新しい干物屋さんである。少人数で原料の確保から生産・出荷まで行っているため生産量は沼津にあっても少ないのではないだろうか? アマダイ、ツボダイなども開いているが生産の主力は当然アジの開きである。
 アジの開きの原料は近年、大西洋からの輸入されたものが主流になっている。スーパーなどで安く売られている多くがこの大西洋のアジである。カネマル笹市水産はこの大西洋のアジは使わない。そのために関東の干物を扱う仲買などには「いいものしか作らないメーカー」であると認識されているようだ。
 また実際にカネマル笹市のアジの開きを手にとっても、とてもていねいな仕事ぶりであり、誰もが一級品であるとこは一目瞭然。私はこれは贈答用に使えるはずだと確信した。とともに大量生産地である沼津の底の深さも実感して、新たなテーマを見つけた気がしている。



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