焼きつぶ(ヒメエゾボラ)
おいしいサイトマップへ図鑑読本目次へ市場魚貝類図鑑へ!
1 沸騰した湯に入れて、再度沸騰したら中火に。少しゆでてときどき取りだして身が出てくるかフォークで引き出してみる。ひとつ出るものがあれば冷水に取り、身を取り出す。
2 身を取りだしたら、フタがとれないように注意して足の部分に縦に大きく切れ目を入れる。切れ目から唾液腺を取り出す。唾液腺は黄色がかったクリーム色である。
3 これを貝殻に戻す。切れ目が入っていることで火の通りが早くなり、強火で一気に焼くことができる。
4 餅焼き網などにホイルをのせて強火で焼き上げる。魚焼き器だったりロースターでは短時間に焼けない。ホイルは熱が強いと穴が開くが気にしない。網の上で貝が安定することにも役立つ。強火でさーっと焼き上げる。
 達本外喜治(たつもとときじ)と言う人の『ほっかいどう 味の風土記』、『北の魚歳時記』(ともに北海道新聞社)という本は北海道の食を考えるときに必ず取りだしてみるものだ。この冬と春の項に「つぶ」という一文がある。この「つぶ」がヒメエゾボラであり北海道でよく食べられる「焼きつぶ」である。達本外喜治は「ツブは、イカ焼きやトウモロコシにまさる、縁日の味である。」と書いている。
 この北の風物詩とでも言えそうな「焼きつぶ」の作り方が意外に面倒なのだ。サザエのように砂を抜いて網にのせて焼けばいいだろうと思われるかもしれないが、そうはいかない。ヒメエゾボラの唾液腺にはテトラミンという毒があり、食べると吐き気や船酔いに似た症状がでる。しかも生のまま網にのせると焼き上がりに時間がかかる上に香ばしさよりも煮つけたような味わいになる。これを考えた末に、一度ボイルしてから身を取りだし、テトラミンのある唾液腺を取り除いてもとに戻してから焼くというのが我が家流。
 味つけはしょうゆと酒を合わせたもの。ヒメエゾボラはとてもうまい貝、甘味の出るみりんなどは不要である。



関連コンテンツ