木更津といったら潮干狩り。
今回は在り来たりに、素直にいきました。
2003年6月16日 千葉県木更津

潮干狩り

 小櫃川河口から富津岬にかけての広大な砂浜は潮干狩りのメッカである。潮干狩りと言えばアサリ掘りであり、ぼくの目的である「できるだけたくさんの生き物を見る」ということからするとずれる。潮が引いたら小櫃川河口干潟に行くことにしよう、と決心して、浜巡りを開始。
 小櫃川の河口から金田海岸、東京湾横断道路といくつかの港が点在していて、停泊している船の多くはアサリ掘りの道具であるジョレンを積んでいる。港では8時のアサリ漁の出船を待ち受けているようだ。そんな港であれこれ聞いていると、「アサリ掘りにいかねか?」と小柄な老人に声をかけられた。
 潮干狩りに来たわけじゃないしと、思案していると「木更津来たら潮干狩りしなきゃ」と地元のおばさんにも誘われる。案内してくれると言うのでその井上さんの船に乗り、地元のおばさんたちと沖に出る。この三方、みな潮干狩りはベテランのようで、井上さんとどこにいくか話合っている。
 ポイントまではすぐである。あちこちで砂の小島が出来ている。竹の並ぶ簀たて漁のある場所にはもうたくさんの人が網を片手に魚を追い、そのすぐ側ではプロのアサリ漁師さんたちもジョレンを引いている。
 出船から5分足らず、着くと大急ぎで生まれて初めての潮干狩り(潮干狩りだけで砂浜にくるのが初めてということ)の1かき。なんといきなり大粒のバカガイ、マテガイも浮き上がってくる。そうここはまだ海の中、潮はまだ引ききっていない。
 バカガイの多さにはビックリする。ただなかなかアサリは見つからなくて井上さんにお願いして掘り場所を見つけてもらう。そこを掘るとすぐに大粒のアサリが出てくる。
 潮が引くにしたがって場所を岸よりに移す。獲物を入れた発泡の箱はすぐにいっぱいになって、持ち重りがする。これでアサリ掘りは中断、井上さんとイシガニやマテガイを探す。
 子供の頃の遊び場はもっぱら浜であったという井上さんにマテガイの見つけかたや、イシガニの取り方を教わる。砂浜にはオゴノリや古タイヤ、簀立てに使われていた竹などが落ちている。そこには様々な生き物が隠れていて、井上さんは砂にもぐるイシガニをすぐに手づかみ。
 このイシガニの手づかみ、簡単にまねをしない方がいい。それじゃ、と気軽に手を出したのが大失敗。ふっと出した指に激痛が、「水に入れろ」とその通りにしても一向に放さない。振ると挟む圧力が増し、絶叫しそうになる。足で踏みつぶしてやっと痛みから解放されたが、なにかの拍子に指を触るとブワンと痛みがぶり返してくる。
 エビジャコ、マヒトデ、アカオビシマハゼ、オウギガニなど様々な生き物が見つかって「潮干狩り面白いじゃないか」と、思い知った梅雨の一日でした。
アサリのことを教えてくれた井上さん 木更津の仲良し三人おばさん。アサリとりは真剣
観光簀だて漁
こちらはプロのアサリ漁
バカガイ。木更津でも「ばか」と呼ばれ シオフキ。みそ汁にしてもあまりうまいとは思えない
美しいイボキサゴ マテガイは潮が引くと砂にもぐり、満ちてくると飛び出してくる
竹に潜り込んでいたアカオビシマハゼ 民宿・与兵衛のアサリラーメン。バターの香りがして、いい味である。きんのり丸さんごちそうさま。こんどはなんか手みやげ忘れないようにします

東京湾でいちばん面白いと評判のサイト
第二きんのり丸さんに会いました
 ネットで木更津、東京湾のことと言えば、この人しかいないというのが常識である。前日に電話して「行きます」という少々失礼な申し出をしてしまった。大丈夫かと思っていると沖でアサリ掘りに熱中している最中にケータイが鳴る。きんのり丸さんである。「どこにいるんですか? 今、港を回って探してるんだけど?」という軽快な声。1時過ぎに、木更津のいちばん北にある港にもどると、親切にも待っていてくださった。そのまま、民宿・与兵衛というところで、アサリラーメンをごちそうになる。こちらは手ぶらできたのに申し訳ない。アサリのこと、ネットでのこと、あれこれ話して切りがない。しかもネットの話は、さすがにデザイン、構成とも傑出したサイトを作るだけあって非常に勉強になる。残念ながら仕事が差し迫っていて(別に働き者ではないが)、早々にお邪魔した。
 慌ただしい一時であったが、きんのり丸さんの御自宅で試食させていただいた佐賀産のアサクサノリ(今作られている板海苔のほとんど総べてがスサビノリが原料である)を原料とした海苔は、味わいは飛び抜けてどうと言うものではないが、確かに普段食べる海苔とは旨味・甘味とも濃く、食感も違う。きんのりさんは東京湾でのアサクサノリ養殖を目ざしているのだ。例えば板海苔の歴史が江戸時代にアサクサノリを原料とすることで始まったとすると、江戸前握りの職人さんにアサクサノリで鉄火巻でも巻いてもらうのも面白そう。最後に、その日、ひとつだけとれたと言う東京湾のハマグリと御自慢の海苔をいただいて、我ながら勝手に楽しい思いを抱き帰宅する。
 アサリ漁も盛夏には終わり、いよいよ海苔養殖作業が始まる。今年こそは木更津海苔の養殖の現状を見てみたい。またとれたての生のりも、味わいたいな。
↑自慢の海苔を手にする、きんのり丸さん。漁師さんという雰囲気はなくて、リュックを背負って中央線にでも乗ればまったく違和感がない。こんどはサキグロツメタなくさないで下さいね!
帰りに横断道路を撮影していると、みんなここから撮るね!
と地元のおじいさんに笑われた



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