郊外とは言え、東京都に住んでいて
いちばん近い海岸線は房総、
三浦、伊豆の3半島。
なかでもっとも鄙びているのが
外房の海岸です。

2003年5月14日 千葉県 
外房磯あそび
ヒメソバガラガニ
スナモグリ
オトメガサ
カラマツガイ
クジャクガイ
ニッポンクモヒトデ
「おい、明日、学校休みにしな」と娘にいきなり声をかけたところ、うれしそうに「やったー」と乗ってくる。「そうだ明日は海に行こう!」といつものことでテキパキと支度にかかる。それを見て、いつもは参加しない太郎までが行くという。
 早朝2時、八王子インターから離陸である。まずは千葉に着いて袖ヶ浦の釣り具屋に入る。新しいすくい網、オキアミ餌、釣り具など、ここで準備万端ととのえてから山越えになる。
 国道鴨川線で横断する房総半島、見晴らす野面ではすでに田植えが終わっている。山を縫うように、ときどき小湊鉄道の単線の踏み切りを超えて、久留里の懐かしい商店街を抜けて、別世界の鴨川に出る。
 鴨川港をめぐると、そこここで刺し網から獲物をはずしている。「あのすみませんが」と娘が磯遊びのポイントを教えてもらってくる。いつもながらに旅にでると途端に娘の動きが機敏になる。それと正反対なのが太郎、クルマに乗るやコロっと就寝、海辺に着いて起こしてもなかなか目覚めない。
「ここは夏は海水浴場になるんだよ」と港で出会った方から教えてもらった場所は、砂浜と磯が混ざった「きれい」な海岸である。大急ぎで網やバケツの用意をしていると、もう子供達は海の中にいる。見ると娘はもうTシャツを濡らしている。
 娘たちより沖合いに、地元の方がタコをとっている。岩の下や隙間には型もの(大きな)のタコがいるのだと教えてくれたものだから、娘はずぶ濡れになりながらタコを探す。
 岩場はまだヒジキやカジメなどの海藻で埋めつくされている。すくい網で海藻ごとすくうと、いきなり大形のダイナンギンポ、岩を浮かせるとナベカがとれた。
 石を起こしてはイソガニばかりを追いかけている太郎に網の使い方を教える。網を魚の逃げそうな場所に構えて、岩をゆすったり、脚で小石や海藻をかきよせたり。何度教えても、魚の逃げてくるポイントがつかめない。太郎の網に入るのはイソスジエビばかり。一匹の魚もつかまえられないまま、諦めて岩場で磯もの探しにうつる。
 スガイやベッコウガサ、マツバガイは幾らでもあるが、不思議なことにクボガイが見つからない。太郎がこれと差し出した海藻をいっぱいつけた巻貝はイシダタミだし、コシダカガンガラやバテイラの小さなものはあっても一向にクボガイがいない。
 そんなとき、娘が大騒ぎで呼ぶのに飛んでいくと岩に小さくて奇妙なカニがいる。甲羅はペラペラと薄く、幅が5ミリあるかないか、脚は針のように細く、ユルユルと岩の上を逃げていく。後日調べるとヒメソバガラガニというヤワラガニ科のカニであった。娘が捕まえてバケツに入れるが何時の間にか消えてしまった。
 この磯場にはところどころ砂地があって、アサリの殻がいっぱい落ちている。クマデで探したが名人と言われている娘をしても一個も生きているものは見つからない。
 アサリを探していたら出てきたのがスナモグリで、これは初めてみる。これでスナモグリ2種がそろったことになる。(もうひとつはニッポンスナモグリ)
 どんよりと曇空の下でびしょ濡れのまま2時間ほど磯遊びをすると、さすがに寒い。しかもお腹ペコペコである。海が満ちてきたのを潮に帰途につく。
 



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