2004年12月6日 02 築地場内
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今年はとれないためか高いモロトゲアカエビ(築地では、しまえび)
珍しい魚01 キアマダイ
珍しい魚02 スジアラ(あかじんみーばい)
珍しい魚03 珍しくないけれどテンジクタチ
04/12.06 築地02

 8時半に場内を抜けて、競り場の上の大都水産に上がる。今日会う新美さんは大都水産の営業企画室のリーダー役であり、また頼りになる築地s案内人の一人だ。そんな新美さんに大都水産の食堂でごちそうしてもらいながら、いろいろ相談やまた新美さんからの提案を聞くというのが、今回の築地行の最大の目的。
 ここで一般人がいかに場内を利用するか、また場内での近年の状況などを話してもらう。また競り場が扇形であるには、貨車が競り場にそのまま横付けに入っていたためであることや、今はあまり使われなくなった岸壁、そして築地横にあるホテルのことなど、話は多岐に渡ってつきることがない。
「今度、何人か集めて築地の歴史と、鮮魚などの買い方を教えるツアーを企画しましょうね」と約束する。
 新美さんは1956年生まれの自分よりも年上ではないかと思っていたのであるが、会話の最中、ふとじっくりお顔を拝見するに実はまだ若いのではないかという疑問が湧いてきた。ほっぺや首筋の筋肉がふっくらと張りがあるし、動きにもまだ「弾み」が感じられる。もちろんこんなこと聞くのは唐突であるし、築地のことを聞くのとなんの関係もないのだけれど、落ち着いた面もちでしかも水産業での多彩な経験からいつの間にか「年長者」に違いないと思いこんでいた。
 残念なことに大都水産の食堂は期待していたのとは違っていた。てっきり水産物たっぷりで、メニュー盛りだくさんであると思っていた。それが日替わりの1品だけ、それに副菜も寂しい。救いなのは今日の牛丼がうまかったことである。
 午前9時前に大都水産を辞去して階下に降りる。競り場脇の売店でコーヒー牛乳を飲みながら見るともなく競り場と場内の間の通路を眺める。脇を軽自動車やターレー、自転車がせわしなく通り過ぎる仲卸の裏手では店員さんが板をテーブルにして遅い朝食をとっている。頑強な作りの古めかしい自転車に小高く発砲の箱を積んでゆらゆらと大八車をよけて走り去る老人。知り合いを見つけたのか後続するターレーを驚かせて急ブレーキをかけて大声で人を呼ばわっている。こんな騒々しさ、慌ただしさこそ築地らしさともいえそうだ。
 場内に戻り「米勝」に大急ぎでもどるがキアマダイは売れてしまっていた。仕方なく小林川魚店でウナギのくりから串を買って外に出る。場内の食堂棟の寿司屋にはもう列が出来ている。見るとその列の横の『寿司文』はひっそりしている。「おれは『寿司 文』の方が好きだがな」と通り過ぎる市場の人。食堂棟を過ぎて吉野屋築地店、印度カレー横で『茂助だんご』を1パック買って場外に出る。
 やはり波除神社前の店はしまっている。『玉八』で玉子焼き中を550円で買い。向かいの毎味水産築地支店を撮影。晴海通りに出る左手にある『三軒家』で血合い入り鰹の削り節500グラム1500円を削り節をもしゃもしゃ食べながら削ってもらう。晴海通りの『鳥上商店』では鴨の燻製1400円と買い物を抱えて都バスの乗客となる。
 混んでいたのが銀座で空いて座席に座るや、どうも熱がある、と遅ればせながら気づいた。しかもかなり熱は高いようだ。慌ただしく動いていたときにはまったく熱があるなんて思いもしなかった。それが東京駅南口に着く頃には冷たい汗で襟元が濡れている。豊田駅には正午着。なんとか自転車をこぎ、帰宅したとたんに立っていられなくなった。そのまま夕方まで眠る。



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